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扉をあけて

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「おい、お前さん、いつまで寝てるつもりだい?」

そう声をかけられていつの間にか寝ていたカメリアは目を覚ました。
辺りを見回すとそこは病院の自室のベッドではなく魔法陣の書かれた床の上だった。
目の前にいるシワだらけで目がどこにあるかも分からない老婆を見てカメリアは悲鳴をあげた。

「きゃああああっ!」

「うるさいねっ。人の顔をみて驚くんじゃないよ」

「んだよ、うるせーな」

聞き覚えがある声に思わず隣を見るとサリサが身体をムクリと起こすところだった。

「お前さんも起きたかい」

「ぎゃああああ!!」

老婆をみてカメリアよりも大きな声で叫ぶサリサ。カメリアは耳を塞いだが鼓膜が痛くなった。

(そうだわ。試しにヒールを)

自分の手を耳に当ててヒールと祈る。すると手が暖かくなり耳の痛みがなくなった。

「まったく今の聖樹の巫女はどちらも失礼だね。歴代で一番能力があるのにこんなんじゃ先が思いやられるよ」

「ごめんなさい。おばあ様。急に知らない場所にいて知らない方がおられたので」

「ごめんな。ばあちゃん」

二人が素直に謝ると老婆はゴホンと咳払いをした。

「ふんっ、まあ素直なのは良しだ。あたしゃハザ。お前さん達は昨日、聖樹の巫女に選ばれたのは覚えているかい?」

「はい。急に頭の中で声が聞こえてそう伝えられました」

「あれはビックリしたぞ。カメリアと手を繋いだらイキナリ言われたんだからな」
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