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扉をあけて
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『おめでとうございます。聖樹の巫女に選ばれました』
『あなた方は神域への扉を開き、世界を救う者となるでしょう』
『これからは毎日欠かすことなく祈りを捧げてください』
『なお、このメッセージを受け取った時点でご自身だけでなく互いのステータス表の閲覧が可能です。確認したい場合は念じることで可能となります』
『また、メニュー画面を開くことでアイテムの出し入れも可能になります』
カメリアとサリサは突然聞こえた声に驚き、顔を見合わせた。
「カメリア、なんか頭の中に変な言葉が流れてきたぞ」
「わ、私の頭の中にも変な言葉が流れてきています。聖樹の巫女とか……」
『お二人には特別なスキルが付与されておりますので確認したい場合はステータス表で確認できます』
『さっそく神託が届きました。ご確認ください。どうかこの世界をよろしくお願いいたします』
「あ、あの!私達に何をさせようとしているのですか!?」
カメリアは慌てて質問を投げかけた。しかし返事はない。
「ダメだ。もうなんにも流れてこない。それにもうすぐ夜があけちまう。そろそろ部屋に戻るぞ」
「え、ええ。そうですね」
使ったものは元の場所に戻し、二人は手を洗ってから自分達の病室に戻りベッドに入って寝ているふりをした。
気持が昂って眠れないカメリアは頭の中の言葉を確認するために「私のステータス表を見せてください」と念じた。
すると頭の中に『ステータス表:カメリア』が現れる。
「名前:カメリア・チャノキ
レベル:999
種族:半人間
職業 :聖樹の巫女/ヒーラー
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :16
筋力 :17
敏捷 :15
知力 :16
魔力 :999
運 :5
SP :0
祈り:0回
『アイテムボックス』『スキル』『神託』『称号一覧』『ステータス表:サリサ』」
(この数字の差は一体なぜ?一番少ないものはゼロで多いのが999。どうなっているんでしょうか?それに私の魔力は無いのに999なんて何かの間違いだわ)
数字の分析は早々に諦め、カメリアは『アイテムボックス』を開いて見た。頭の中にステータス表に似ているが何も書いていないものがあらわれた。特に興味を引くものがないのでスキルを開いてみる
「攻撃魔法(LV1)
治癒促進(LV2)
超再生能力(LV1)
完全毒耐性(LV1)
言語理解(LV1)
特殊スキル/ホワイトドラゴン(LV-)」
カメリアは思わず声をあげそうになった。急いで口を手で塞ぐ。
(な、何よこれ!?それにこの『ホワイトドラゴン』って何?)
カメリアはもう一度、ステータス表を見たが、HPとMP、魔力が凄まじい数値である。
「おいカメリア、起きてるのか?」
隣のベッドで横になっていたサリサが小声で話しかけてくる。
「え、えぇ。ステータス表を見てました」
カメリアも答えるとサリサが「あー」と呟く声が聞こえた。
「あたいも見てた。なんか変だよな。HPが999とか筋力79とかさ。あとスキルって奴。こんなのがあるなんて知らなかったぜ」
「私もです。それに聖樹の巫女に選ばれたらしいのですが……神託というのを受けたんですよね」
「ああ、なんかそんなことを言ってたな。でも、あたい達は神様のために何もしてないよな」
「ええ。そうですね。汚い厨房のお掃除をしてました」
二人共無言になった。たった一回の厨房の掃除で聖樹の巫女というものになれるのなら全世界で厨房を毎日掃除する人達は何者なのだろうかと悩む。
「カメリアは神託は見たのか?」
「いえ、まだですけど」
「なんか難しくてさ。神託をみたらあたいに教えてくれよ」
「ええ。今から見てみます」
カメリアは「神託を教えてください」と願うと「神託『聖樹の巫女の仕事』」が現れた。
『あなた方は神域への扉を開き、世界を救う者となるでしょう』
『これからは毎日欠かすことなく祈りを捧げてください』
『なお、このメッセージを受け取った時点でご自身だけでなく互いのステータス表の閲覧が可能です。確認したい場合は念じることで可能となります』
『また、メニュー画面を開くことでアイテムの出し入れも可能になります』
カメリアとサリサは突然聞こえた声に驚き、顔を見合わせた。
「カメリア、なんか頭の中に変な言葉が流れてきたぞ」
「わ、私の頭の中にも変な言葉が流れてきています。聖樹の巫女とか……」
『お二人には特別なスキルが付与されておりますので確認したい場合はステータス表で確認できます』
『さっそく神託が届きました。ご確認ください。どうかこの世界をよろしくお願いいたします』
「あ、あの!私達に何をさせようとしているのですか!?」
カメリアは慌てて質問を投げかけた。しかし返事はない。
「ダメだ。もうなんにも流れてこない。それにもうすぐ夜があけちまう。そろそろ部屋に戻るぞ」
「え、ええ。そうですね」
使ったものは元の場所に戻し、二人は手を洗ってから自分達の病室に戻りベッドに入って寝ているふりをした。
気持が昂って眠れないカメリアは頭の中の言葉を確認するために「私のステータス表を見せてください」と念じた。
すると頭の中に『ステータス表:カメリア』が現れる。
「名前:カメリア・チャノキ
レベル:999
種族:半人間
職業 :聖樹の巫女/ヒーラー
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :16
筋力 :17
敏捷 :15
知力 :16
魔力 :999
運 :5
SP :0
祈り:0回
『アイテムボックス』『スキル』『神託』『称号一覧』『ステータス表:サリサ』」
(この数字の差は一体なぜ?一番少ないものはゼロで多いのが999。どうなっているんでしょうか?それに私の魔力は無いのに999なんて何かの間違いだわ)
数字の分析は早々に諦め、カメリアは『アイテムボックス』を開いて見た。頭の中にステータス表に似ているが何も書いていないものがあらわれた。特に興味を引くものがないのでスキルを開いてみる
「攻撃魔法(LV1)
治癒促進(LV2)
超再生能力(LV1)
完全毒耐性(LV1)
言語理解(LV1)
特殊スキル/ホワイトドラゴン(LV-)」
カメリアは思わず声をあげそうになった。急いで口を手で塞ぐ。
(な、何よこれ!?それにこの『ホワイトドラゴン』って何?)
カメリアはもう一度、ステータス表を見たが、HPとMP、魔力が凄まじい数値である。
「おいカメリア、起きてるのか?」
隣のベッドで横になっていたサリサが小声で話しかけてくる。
「え、えぇ。ステータス表を見てました」
カメリアも答えるとサリサが「あー」と呟く声が聞こえた。
「あたいも見てた。なんか変だよな。HPが999とか筋力79とかさ。あとスキルって奴。こんなのがあるなんて知らなかったぜ」
「私もです。それに聖樹の巫女に選ばれたらしいのですが……神託というのを受けたんですよね」
「ああ、なんかそんなことを言ってたな。でも、あたい達は神様のために何もしてないよな」
「ええ。そうですね。汚い厨房のお掃除をしてました」
二人共無言になった。たった一回の厨房の掃除で聖樹の巫女というものになれるのなら全世界で厨房を毎日掃除する人達は何者なのだろうかと悩む。
「カメリアは神託は見たのか?」
「いえ、まだですけど」
「なんか難しくてさ。神託をみたらあたいに教えてくれよ」
「ええ。今から見てみます」
カメリアは「神託を教えてください」と願うと「神託『聖樹の巫女の仕事』」が現れた。
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