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恋バナ?エロバナ?4

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カノンがスマホをスカートのポケットにしまって立ち上がった。

「あっ、先輩。ちょっと部室抜けるっす。すぐに戻ってきますから待っててくださいね~」
「はいはい。まだいますからごゆっくりどうぞ」

にっひっひ~と笑って部室を出たカノン。彼女の足音が遠くなっていくと詩織は「疲れた~」とため息をついた。

(だけど誠人君がカノンちゃんの恋人と友達だったなんて……意外すぎるわ。それにしてもカノンちゃんの恋人ってどんな人かしら?まさかカノンちゃんを男にしただけの性格だったらどうしよう……。でも、誠人君の友達だから変な人ではないはずよ。カノンちゃんだって好きな人の前ではおしとやかになるのかも。きっとそうよ。そうだわ。うん。)

詩織がそんなことを何度も考えているうちに足音を立ててカノンがもどってきた。

「先輩、映画のチケット渡しときますね。あたしの彼ピッピ、よく遅刻するんっすよ。あたしらが遅れたら先に映画見といてください」
「頂いておくけど……映画をみるのに遅刻前提なのも変な話ね……」

詩織はカノンからチケットを受け取った。

「あ、先輩、土曜日の待ち合わせ場所と時間なんっすけど――」

詩織はカノンにに言われたことをメモしながら考える。

(あれっ?一応、ダブルデートって言われてるからおしゃれして行った方がいいのかな。こういう場合…)

「どうしたんですか?」
「うわぁ!」

考え事に集中していた詩織。カノンが自分の顔を覗き込んでいるのに気がついて驚きの声をあげて、取り繕うように咳をした。

「い、いえ。どんな服を着ていけばいいかちょっと悩んだだけです」
「そうですか。まあ、スリットの入った超ミニスカで乳首が見えそうなキャミソールで大概の男は落ちるっっすよ」
「なっ!?」

(この子、何を言い出すのかと思えば……。やっぱりシモネタ大王だわ。)

「冗談っす。奥ゆかしい先輩様にこれくらいのちょっとした露出は無理でしょうね」
「はいはい。私は大人しい清楚な女の子ですから」
「まあ、先輩は先輩のままで大丈夫ですよ。脱いだら一緒っすから」
「えっ?それってどういう意味?」
「さぁ?自分で考えてください。んじゃ、土曜日楽しみにしてますね~。彼ピッピのところに行くんで部室の鍵、よろしくっす!」

カノンは詩織に手を振りながら去っていく。

「……は~、うっかり予定がないって行ったこの口が憎い」

両手を頭で覆って詩織は一人で後悔を呟くのだった。
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