女子高生ですが初じめての恋人と初恋に溺れる

からどり

文字の大きさ
上 下
4 / 14

恋バナ?エロバナ?

しおりを挟む
創作部の部室。
今日は誠人はサッカー部の人数が足りないからと助っ人に呼ばれて部活を休んでいた。
彼と交代するかのように、詩織の後輩で女の子でありながらシモネタ大王という渾名があるカノンが今日の部活に参加していた。
詩織とは性格が真逆といえるカノンとは共通の話題もないためしばらくの間は無言で各々の作品作りをしていた。
カチャカチャとキーボードを叩く音や筆が紙を走る音などが静かに流れる。

「ねえ、詩織先輩」

その沈黙を破ったのは、カノンだった。

「先輩は、好きな人いるんですか?」
「えっ? 何よいきなり……」

シモネタ大王のカノンが部活にくるとたまに来ている部員の女の子や詩織は彼女に振り回されているため必要以上に警戒する。

「えー、あたしら女が集まって話すことといえば恋バナっすよ。先輩だって友達と恋バナするっしょ?で、好きな人はいるんっすか?」
「好きな人……私はいないわよ」

本当は同じ創作部の誠人が好きなのだが、口のかるい彼女に言ってしまうと即座に噂になって駆け巡ってしまう。だから詩織は好きな人がいないと言った。

「へぇーそうなんですかぁ。年上なのに意外っすね」
「そう?たしかに私はカノンちゃんより一年上だけど私の友達も彼氏がいない子が多いわよ。でもどうしてそんなこと聞くのかしら?」

カノンの目的は何かと詩織は探るために聞いた。

「んーなんというか、ちょっと聞いてみたくなったんです」

カノンは頬杖をついて微笑んだ。

「ところで先輩はどんな作品がお好きですか?」
「うーん、色々あるけど強いて言うならファンタジーかしら」
「へぇ~そうなんですねぇ」
「カノンちゃんは何が好きなのかしら?」
「私はですね……」

カノンは少し間を空けたあとで言った。


「エロゲーでっすっ!」
「えろげ!?」

今日は何も問題がなさそうだと油断していたため下ネタの投下に動揺して詩織の声が大きくなる。

「はい!エロゲーですよぉ」

先輩は期待通りの反応しますね、とでも言うようにカノンはニコニコしながら答えた。

「エロゲーはいいですよ~。イケメン達とラブラブになってイチャイチャできますもん。逆ハーモノとかやばいっすよ」
「えーっと、カノンちゃんはまだ18歳未満よ?」
「大丈夫ですって、バレませんし」

ケラケラと笑うカノンに詩織は驚きながらも先輩として冷静なふりをする。

「そ、そういう問題じゃなくて……それにあなたには恋人がいるんじゃないの?」

シモネタ大王のためか恋人ができた、振られたもオープンなカノン。彼女と距離を置きたい詩織だがカノンの恋人の有無は恋愛の噂が好きな部員達に聞かされるのでどうしても耳に入る。

「んー、まあ確かに彼氏はいるっちゃいるんですけど……最近マンネリ気味っていうかぁ。ときめき不足?」
「な、なぜに彼氏がいない私にそんな話を…」

動揺する詩織をみてカノンが笑った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...