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2.変身前でも襲われる

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次の日、学校に行って授業を受けていると先生が言った。

「そういえばお前ら知ってるかー?最近この辺りに変質者が出るらしいぞ」

「えぇ?」

教室中がざわつき始めた。

(まさか昨日のこと!?僕だってバレたらどうしようっ!!)

冷や汗がダラダラと出て体の震えが止まらなくなる。

「なんでも夜、一人で歩いていると後ろから襲われるらしい。だから部活や塾の行き帰りではできるだけ人の多いところを通って帰ったり、親に付き添ってもらえよ」

よかった。赤い髪の男も一部だけ丸出しの青ジャケットのヒーローの話も出なかった。どうやら僕とは関係ないようだ。安心して胸を撫で下ろす。
僕は安心して授業を受ける事ができた。

そして放課後になった。今日は塾のない日だ。早く帰ろう。

「おい、眼鏡」

「えっ!?」

教室のドアから出た途端に声をかけられて振り向くと真っ先に見えたのは赤い髪。うちの学校の制服を着た、昨日の変態、赤鬼になる前の男が立っていた。

「ぁぁぁぁぁぁ」

ヌメチン?ヌメチンはどこ?彼?がいないとあの恥ずかしい格好と引き換えになるけど怪人と戦えない。

「ちょっと来いよ。話したいことがあんだ」

僕のカバンを彼がひったくるように掴んで歩き出す。周りのクラスメイトが興味ある視線を向けたけど彼はそれに怯むことなく周りを睨みつけた。

「なんだその目は。文句あんのか?」

「いえ、ありません……」

ああ……喧嘩が強そうなクラスメイトは部活とかで教室にいない。僕がピンチなんだから助けてと身勝手に心の中で叫んでいた。

「じゃあついてこい」

「はい……」

大事なカバンを取られては逆らえない。僕は恐怖のあまり従順な犬のように彼に着いていった。
連れてこられたのは人気の無い、今は使われていない教室だった。そこで彼は言う。

「テメー、俺様と戦った奴だよな?」

僕は一瞬、頭が真っ白になった。まさか昨日の復讐!?

「ち、違います!」

「とぼけても無駄だぜ。一日掛けてこの学校の眼鏡野郎を全部調べたんだ」

「ううぅ」

なんて暇な奴なんだ。

「それにテメーの体から俺がぶっかけられたあの匂いがプンプンしてきやがる」

いや、あれは勝手に彼がぶっかかりに……表現はどうでもいいとして、それと同じ匂いがする?昨日、ちゃんとお風呂にはいったのに……。どれだけ鼻がいいんだろ。

「その反応。やっぱりそうだ。間違いねぇ!」

赤髪は嬉しそうに笑った。

「違うんです!誤解です!」

僕は必死に弁明する。

「何が違うんだ?アァ!?」

赤髪は僕のネクタイを掴み上げて顔を近づけてきた。

「ぐあっ!」

「オラ!吐けよ!テメーがあのクソダセェヒーローだな!?」

「し、知らない……」

「嘘つくんじゃねえよ!」

赤髪は僕の腹に膝蹴りをいれてきた。

「ごほっ!!」

彼の手が離されたと同時にお腹の痛みで僕はその場に崩れ落ちる。

「言えよ!絶倫ヒーローってのはお前だよな!」

「し、知りません……」

「チッ!しょうがねーな」

赤髪はしゃがんでいる僕を蹴り倒してズボンのベルトを外して脱がし始めた。

「えっ!?」

「素直に認めて出せばいいんだよっ」

「や、やめて!やめてください!!」

「うるせえ!抵抗すんな!大人しくしろ!てめえのをぶっかけないとまた昨日みたいなド変態怪人になっちまうだろうがっ」

「ええっ!?」

「口答えすんじゃねーよ!オラ!」

「あひんっ!」

僕は抵抗するんだけど下着ごとズボンを脱がされて下半身が露出してしまった。

「へっ、コレだけはご立派なモノぶら下げてんなぁ。これを見ただけで昨日のあいつがお前だって丸分かりだ」

「うぅ……」

恥ずかしさに涙が出てくる。

「さっさと認めてぶっかけろよ。そうすりゃ開放してやる」

彼に手をとられ、僕自身を握らされた。

「ひぃ……!」

萎えて縮んだそこはこの程度では元気にならない。

「手を動かせよ。ほら、こうやって」

「うあぁ……」

赤髪が僕の手に重ねるように動かしてくる。

「気持ちよくなってきたらもっと速くだ。わかるな?」

「そんなぁ」

「わかんだろ?俺様が手伝ってんだ。お前もしっかり出せよ」

「あうぅ」

僕の意思に反して体は刺激に反応していく。だんだんと大きく硬くなっていった。

「おっ勃ってきたじゃねーか。これならいけるだろ。そのままシコれよ」

「あ、ああ……」

「ふっ。お前みたいな真面目そうな優等生でもこんなになっちゃうんだから世の中わかんねーな」

「くっ……」

僕の意志を無視してさせてるくせに。顔が近いから彼が喋ると息がかかる。
萎えかけると僕の手の上から重ねている彼の手が動いて無理やり勃起させられた。

「はははっ、ビクビクしてやがんな」

「うぅぅっ」

屈辱的な状況なのに、僕はどんどん興奮していった。このままじゃ、このままじゃ、変態の顔にかけちゃうう~~~!!

「そ、それ以上はダメぇっ」

「は?ここまできて何言ってんだっよっ!」

「あぁぁぁぁぁぁ」

赤髪の手の動きが激しくなって僕はもう我慢できなかった。

「イクゥッ」

昨日ほどの勢いはないけど赤髪の顔にかかる僕の体液。

「よし。これで俺様はあの変態赤鬼にならなくて済む。サンキューな」

「……」

赤鬼にならなくともただのど変態だ……赤髪は僕のポケットに入れてあったハンカチを勝手に使って顔を拭いた。
嫌な気持ちと横たわったまま僕は黙って教室を出てていく彼を見つめた。

「最悪だ……」

▲▲▲▲▲▲

家に帰ると僕はすぐにお風呂に入った。

「うぅ……なんであんな奴に……」

自分のものを洗いながら僕は悔しくて泣いた。

「ああもう!ヌメチンはどこなの!?」

『呼んだ?』

昨日と違って見ただけでぬるっとした表面のヌメチンがあらわれた。

「今までどこにいたのっ」

『僕は夜の妖精なんだ。朝から夕方までは活動できないんだよ』

彼の返事にため息をつきつつ、僕はお風呂を出た。

▲▲▲

夕食を終えて自室でヌメチンに向き合う。

「ねえ、今日、赤鬼になる前の赤髪と会ったんだけど……」

「え?ほんと?怪人は夜にしか活動しないのに」

「赤髪、僕が……ヒーローだって知ってた。しかも昨日みたいに、顔に僕の……をかけられて喜ぶしっ、絶対おかしいよ!!どうなってるの」

「それはね、絶倫ヒーローの精液には特別な力があるんだ」

「え?」

「絶倫ヒーローは射精すると体力と精神力が回復するんだよ」

「回復……」

ごっそりと削られたんだけど?特に精神。

「怪人は君の精液が体につくと聖なる力で悪い力が封印されるんだ。多分、その赤鬼はまだよこしまな力に支配されきっていないから、怪人に変身してしまう前に聖なる精液をつけたかったんだろうね」

「赤鬼にならないように精液をつける?その変身しないようにできる力っていつまで効果があるの?まさか一日だけ?彼にクラスも顔を知られているから学校を卒業するまで追いかけ回されるの?」

「大丈夫だよ。絶倫ヒーローは絶倫だからね。一晩寝れば自然と治ってるし、一回くらいじゃ打ち止めにならないよ」

「たったの一回でごっそりと体力も精神力も削られたんだけど……」

僕の言葉を聞いたヌメチンは体の半分くらいを首をかしげるかのように折り曲げた。

「うーん、まだ君の体にヒーローパワーが馴染んでないのかな。普通ならヒーローの体液をかけられると怪人は変身する力を失って人間にもどるんだけどなあ」

「でも、もし、怪人化の力が残っていて、放課後に彼が絶倫ヒーローの体液を摂取してなかったら、今頃彼は邪悪な心に支配されて完全体の怪人になってしまっていたかもしれないよ」

「ええ……」

あの第二形態が完全体じゃなかったの?そう言いたいのを飲み込んだ。

「怪人のボスを倒さなきゃ完全に人間に戻せないのかもしれない。でも昨日と今日、君がやったことは無駄じゃないよ」

「でも、なんか、納得いかない……」

「一度怪人化してしまうとヒーローの体液を体につける以外では、性欲を発散するまで元に戻れなくなるんだ。一般人がたくさん襲われて悲しいことになる。そうならないためにも君は頑張らないといけないよ」

「うぅぅ……」

僕が戦わなきゃ他の人が襲われてひどい目にあう。それなら僕が頑張って戦わなきゃいけない。

「わかったよ……。でも、今日みたいなことが毎日起きるならきついよ」

「ははは。なんとかなるよ。さあ、今日はゆっくり休んで」

「あー、ダメ。寝る前に宿題しなくちゃ」

やる気なんてないんだけど明日の宿題を忘れると先生に怒られるからね。机に向かって問題集を開いた。
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