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番外編 〜二年後、初めての夜〜
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それからいろいろあって二年と数ヶ月。とうとう子供を作る日が訪れてしまった。本当の、二人っきりでの初夜を迎えるにあたって、私はおじさ……じゃなくてイリオスの寝室にてネグリジェなの?なスケスケな衣装を着て待機していた。
緊張する。吐き気がする。逃げ出したい。そんな気持ちを抑え込みながらベッドの上で待つこと数分――扉が開き、イリオスが現れた。
いつもと違う雰囲気に、私の心臓は激しく跳ね上がる。
髪は仕事へ行くときみたいに綺麗に整えられていて、寝間着のシャツとズボンはシンプルなデザインだけど素材が良いから高級感が漂っている。
そして何よりも顔つきが違う。
眉間のシワがなく、穏やかな眼差しでこちらを見つめる姿は堂々としてる。なんか、仕事モードとくつろぎモードのいいとこ取りみたいになってる。
「…………」
おじさんがいつもと違う男の「イリオス」だから私があんぐり口を開けている間に、イリオスはゆっくりと近づいてきた。そうしてベッドの縁に腰掛けると、私の手を握ってくる。
「クラティラス」
「ひょわっ!?」
低い声で名前を呼ばれて、変な声が出てしまった。
「緊張しなくていい。君に乱暴なことはしないから」
「お、おお、お、おねがい、しましゅ」
噛んじゃった!恥ずかしすぎ!私のスキル、発動する前兆すらなくて全然役に立たないし! イリオスが私の肩を抱き寄せ、私の体は彼へと傾く。
そして唇が触れ合うと同時に、私は固まってしまう。
「……ん?」
イリオスが怪しむように首を捻り、一旦離れた。
「どうした?キスくらいで」
「キスくらいって、そんな、まだ数回だけなのに、今まで触れるだけのキスで、しかも今日は夫婦で子供を作るためだし」
「ああ、そういうことか」
合点がいった様子で微笑み、今度は深く口づけてきた。うわぁ、大人のチューだわ、 舌が入ってくる!……いや待って、ちょっと待って。
この人、本当におじさんなのかしら? なんか、なんか、こう、うまく言えないんだけど、慣れてる?
私と一緒に緊張してしまうイメージなんだけど?なのに私の口の中を舌で触ってきて舌を絡めてくる。
固まっている私の肩から手首までを手のひらで撫でて、背中に腕を回してまた上から下に撫でてくる。特に腰の辺りは入念に撫で回されてお尻の下に手を差し込まれた時は体が動いてしまった。
深いキスで苦しくなるから鼻で息をするんだけど鼻息が荒いってはずかしいじゃない。だからなるべく抑えたいのに、おじさんの熱い吐息も混ざってきてドキドキしすぎて呼吸の仕方を忘れそうになる。
「ふっ、ぅうん……」
やっと解放されると、私は必死に酸素を求めて喘いだ。
「可愛い」
おじさんは熱っぽい目付きで呟いて、言い終わる前に彼は私に覆い被さってきた。
「ひゃあっ!」
頬に手が添えられ、耳元に囁かれる。
「愛している。子供を作るためという前提で君を誘ったが、本当は心から君を求めてる」
その言葉を聞いた途端、体の力が抜けていった。
そっか……これが本当のイリオスの姿だったんだ。おじさんとして接している間は私に合わせて無理してくれてたのかな?それとも他の理由?わからないけど、でも私だって彼の妻になった以上は彼のことをもっと知るべきなのだ。
「私も……」
だから私も、勇気を出して素直になろう。
「私も、あなたを愛しています」
「嬉しいよ」
再び優しいキスをしてもらって、私達は体を重ねた。
私の胸は大きな手で揉まれ、指先が胸先に触れる度に体が跳ねる。
「あ……」
「気持ち良いかい?」
胸の先を触れるだけの愛撫から摘んだり揉んだりする気持ちのいい触り方に変わっていく。
「うん……あ、そこ……やっ」
「嫌か?痛いのか?」
「ちが、あ、気持ち、良過ぎて、おかしくなる、から」
「それは困ったな。ではここを可愛がるのはまた今度だな」
「やあぁ……!」
お預けを喰らった私の体は、また別の刺激を与えられて震えた。
下の敏感な芯を下着越しに触られてて
「クラティラス、好きだ」
そんな熱い告白までされてしまうともう駄目だった。
何も考えられなくなって、イリオスに溺れていく。
やがてネグリジェとショーツを脱がされ、足を広げられると、恥ずかしくて堪らないのにもっともっとと求めてしまう。
「ああ、凄いな……こんなに濡れて……とても綺麗だよ」
「そんな、こと言わないで……」
そんなとこ見ちゃダメ!と恥ずかしさに耐えられず顔を覆ってしまうと、「隠さないでくれ」と懇願されてしまった。
「君の全てが知りたい。どんな顔で感じているかも全部」
そう言ってイリオスは自分の服を全て脱ぎ捨てた。指の隙間から覗き見ると鍛えられた裸体に思わず目が釘付けになる。
「綺麗……」
「ありがとう。君も美しい。ずっと見ていたいが、大胆な君をあまり焦らすと嫌われてしまいそうだな。指を挿れるぞ?」
イリオスの指……あの大きな剣を握る長い指が、今は私の中に入ってしまうんだ。
痛みと指が入ってくる感触に震える間、ゆっくりと抜き差しされる動きが段々速くなって、ある一点を掠めた瞬間、私は体を仰け反らせて悲鳴を上げた。
「ひゃんっ!?」
「見つけた」
「え、やっ、何これ、怖いっ、やだっ」
「怖くなんてない。これは気持ちいいんだよ」
「やだっ、だめっ、変な声出ちゃうっ」
「我慢しなくていい。聞かせてくれ。君の声だけが今の俺には必要なんだ」
イリオスの言葉は魔法みたいに不安を安心に変えてくれて、私は痛みが減っていき与えられる快楽に身を委ねることにした。
「あっ、あん、んん、イリオス、イリオス、好きぃ」
「クラティラス、俺の可愛い人。俺の宝だ」
慣れてきたころに指が増やされて中が広げられるせいで痛いのに、それでもイリオスに求められることが嬉しくて仕方なかった。
「もう大丈夫だな?……ああ、やはり緊張するな。この先に進んでもいいか?」
「うん……きて……」
イリオスの指が抜けていく感触でまた軽く達してしまった私のそこは、彼が入ってきたことで自分でも分かるくらい強く締め付けた。
「んぅ……!ふぁ……やぁ、おっきくて、くるひ……!」
「すまない。だが、あと少しで全て入るから……」
イリオスは申し訳なさそうな声で謝りながら、腰を押し進めてきた。
そしてとうとう、奥まで届いた。
「わかるか?ここまで入ってるの」
お腹を撫でられ、彼のモノの形を確かめさせられる。
「うん……おなかいっぱい……うれしい」
「俺も幸せだよ」
「ごめんね。イリオス様」
いろんな記憶が浮かんでは胸に溜まっていく。苦しかったこともケンカしたことも、嬉しくて幸せなことも全部イリオス様が傍にいた。
「こういうときは『愛してる』と言ってくれ。君の声で呼ばれる名前が一番好きなんだ」
「あい、してる」
「もう一度」
「愛しています」
想いを込めて口にするとなぜか私の体は彼を求めて締め付けてしまう。
「もっと」
「愛しているわ、イリオス。私ももっと貴方が欲しいのっ」
「クラティラス、愛してる。愛しているよ」
お互いに愛の言葉を囁き合い、唇を重ねて舌を絡ませ合う。
腰をしっかりと掴まれ、それに応えたくて私も腰を突き上げていた。
何度も彼が奥まで入ってきて、私はあられもない声を上げる。
「クラティラス、そろそろ」
「出して。中にたくさん注いで。あなたの赤ちゃん産むから!」
その言葉を聞いた途端、彼は歯を食い縛り、私の中で果てた。
同時に私も絶頂を迎え、そのまま意識を失った。
翌朝。
目を覚ますと、隣には真剣な眼差しで私の顔を見ているイリオス様が横たわっていた。大きな手が私のお腹を撫でていて、まるでそこに命があるかのように優しく触れてくる。
「おはようクラティラス」
「お、はよう、ご、ございます」
寝起きで声がうまく出ない。喉もカラカラだ。
「昨日はとても良かった」
「私も……その、すごく気持ちよかった、です」
「初めてなのに無理をさせてしまったな。すまなかった」
「いえ、イリオス様に、求められて、嬉しかったです」
恥ずかしさで敬語になっている私をイリオス様はニンマリ笑って見つめる。
「君は本当に可愛らしいな。愛しさが募って困る」
ちゅっとキスをして、またお腹に手を当てられる。
「君が愛しい、クラティラス。お腹の中にいる俺とクラティラスの子、どうか元気に生まれておいで。俺を父にしてくれる君を愛している」
そう言って、彼はまたキスをした。
あー……これ、初日の一回で子供ができたと思ってるなぁ…………できている可能性はあるけど数ヶ月経たなきゃまだ分からないのに。でもできていると嬉しい。だってイリオス様との子供ならきっと可愛いもの。
それに、こんなに幸せそうにしてくれるなら嬉しいもん。
「イリオス、わたしも貴方が大好き。私達の子供に早く会いたいね」
「ああ」
急に真顔になったイリオス。
「どうしたの?」
「食事の後、もう一度してもいいだろうか。君にその気がないときや子供ができた時は君と子供のために絶対必ず我慢する。浮気など不埒なことをしないと二人に誓う。だから、その、今日だけは義務とは関係なくさせて欲しい!」
「えええええええ!?」
まさかの第二ラウンド希望!?しかも本気だこの人!
「嫌か、そうだよな。お腹には子供が……」
イリオスがガクッと肩を落として項垂れる。いろいろと気が早すぎる彼に私は慌てて首を横に振った。
「ち、違うの! 嫌じゃないわ! イリオスがしたいならいつでも何回でもいいわよ!義務とか関係なくイリオスと愛し合いたいから」
「いいのか!?」
「う、うん……」
イリオスの表情がみるみる明るくなっていく。
「クラティラス!ありがとう!」
「ひゃっ!?」
感極まったイリオスにぎゅううううって抱きしめられるとすごく幸せになる。
「愛してるクラティラス。俺は世界一の幸せ者だ」
「私もよイリオス……んっ」
再び彼の大きな体が私に覆いかぶさってきて、深く口付けられる。朝食を食べてからって話だったのになぁと思いつつも、この甘い快感に抗えなくて私はイリオスを受け入れて自分からも舌を絡めた。
それからいろいろあって二年と数ヶ月。とうとう子供を作る日が訪れてしまった。本当の、二人っきりでの初夜を迎えるにあたって、私はおじさ……じゃなくてイリオスの寝室にてネグリジェなの?なスケスケな衣装を着て待機していた。
緊張する。吐き気がする。逃げ出したい。そんな気持ちを抑え込みながらベッドの上で待つこと数分――扉が開き、イリオスが現れた。
いつもと違う雰囲気に、私の心臓は激しく跳ね上がる。
髪は仕事へ行くときみたいに綺麗に整えられていて、寝間着のシャツとズボンはシンプルなデザインだけど素材が良いから高級感が漂っている。
そして何よりも顔つきが違う。
眉間のシワがなく、穏やかな眼差しでこちらを見つめる姿は堂々としてる。なんか、仕事モードとくつろぎモードのいいとこ取りみたいになってる。
「…………」
おじさんがいつもと違う男の「イリオス」だから私があんぐり口を開けている間に、イリオスはゆっくりと近づいてきた。そうしてベッドの縁に腰掛けると、私の手を握ってくる。
「クラティラス」
「ひょわっ!?」
低い声で名前を呼ばれて、変な声が出てしまった。
「緊張しなくていい。君に乱暴なことはしないから」
「お、おお、お、おねがい、しましゅ」
噛んじゃった!恥ずかしすぎ!私のスキル、発動する前兆すらなくて全然役に立たないし! イリオスが私の肩を抱き寄せ、私の体は彼へと傾く。
そして唇が触れ合うと同時に、私は固まってしまう。
「……ん?」
イリオスが怪しむように首を捻り、一旦離れた。
「どうした?キスくらいで」
「キスくらいって、そんな、まだ数回だけなのに、今まで触れるだけのキスで、しかも今日は夫婦で子供を作るためだし」
「ああ、そういうことか」
合点がいった様子で微笑み、今度は深く口づけてきた。うわぁ、大人のチューだわ、 舌が入ってくる!……いや待って、ちょっと待って。
この人、本当におじさんなのかしら? なんか、なんか、こう、うまく言えないんだけど、慣れてる?
私と一緒に緊張してしまうイメージなんだけど?なのに私の口の中を舌で触ってきて舌を絡めてくる。
固まっている私の肩から手首までを手のひらで撫でて、背中に腕を回してまた上から下に撫でてくる。特に腰の辺りは入念に撫で回されてお尻の下に手を差し込まれた時は体が動いてしまった。
深いキスで苦しくなるから鼻で息をするんだけど鼻息が荒いってはずかしいじゃない。だからなるべく抑えたいのに、おじさんの熱い吐息も混ざってきてドキドキしすぎて呼吸の仕方を忘れそうになる。
「ふっ、ぅうん……」
やっと解放されると、私は必死に酸素を求めて喘いだ。
「可愛い」
おじさんは熱っぽい目付きで呟いて、言い終わる前に彼は私に覆い被さってきた。
「ひゃあっ!」
頬に手が添えられ、耳元に囁かれる。
「愛している。子供を作るためという前提で君を誘ったが、本当は心から君を求めてる」
その言葉を聞いた途端、体の力が抜けていった。
そっか……これが本当のイリオスの姿だったんだ。おじさんとして接している間は私に合わせて無理してくれてたのかな?それとも他の理由?わからないけど、でも私だって彼の妻になった以上は彼のことをもっと知るべきなのだ。
「私も……」
だから私も、勇気を出して素直になろう。
「私も、あなたを愛しています」
「嬉しいよ」
再び優しいキスをしてもらって、私達は体を重ねた。
私の胸は大きな手で揉まれ、指先が胸先に触れる度に体が跳ねる。
「あ……」
「気持ち良いかい?」
胸の先を触れるだけの愛撫から摘んだり揉んだりする気持ちのいい触り方に変わっていく。
「うん……あ、そこ……やっ」
「嫌か?痛いのか?」
「ちが、あ、気持ち、良過ぎて、おかしくなる、から」
「それは困ったな。ではここを可愛がるのはまた今度だな」
「やあぁ……!」
お預けを喰らった私の体は、また別の刺激を与えられて震えた。
下の敏感な芯を下着越しに触られてて
「クラティラス、好きだ」
そんな熱い告白までされてしまうともう駄目だった。
何も考えられなくなって、イリオスに溺れていく。
やがてネグリジェとショーツを脱がされ、足を広げられると、恥ずかしくて堪らないのにもっともっとと求めてしまう。
「ああ、凄いな……こんなに濡れて……とても綺麗だよ」
「そんな、こと言わないで……」
そんなとこ見ちゃダメ!と恥ずかしさに耐えられず顔を覆ってしまうと、「隠さないでくれ」と懇願されてしまった。
「君の全てが知りたい。どんな顔で感じているかも全部」
そう言ってイリオスは自分の服を全て脱ぎ捨てた。指の隙間から覗き見ると鍛えられた裸体に思わず目が釘付けになる。
「綺麗……」
「ありがとう。君も美しい。ずっと見ていたいが、大胆な君をあまり焦らすと嫌われてしまいそうだな。指を挿れるぞ?」
イリオスの指……あの大きな剣を握る長い指が、今は私の中に入ってしまうんだ。
痛みと指が入ってくる感触に震える間、ゆっくりと抜き差しされる動きが段々速くなって、ある一点を掠めた瞬間、私は体を仰け反らせて悲鳴を上げた。
「ひゃんっ!?」
「見つけた」
「え、やっ、何これ、怖いっ、やだっ」
「怖くなんてない。これは気持ちいいんだよ」
「やだっ、だめっ、変な声出ちゃうっ」
「我慢しなくていい。聞かせてくれ。君の声だけが今の俺には必要なんだ」
イリオスの言葉は魔法みたいに不安を安心に変えてくれて、私は痛みが減っていき与えられる快楽に身を委ねることにした。
「あっ、あん、んん、イリオス、イリオス、好きぃ」
「クラティラス、俺の可愛い人。俺の宝だ」
慣れてきたころに指が増やされて中が広げられるせいで痛いのに、それでもイリオスに求められることが嬉しくて仕方なかった。
「もう大丈夫だな?……ああ、やはり緊張するな。この先に進んでもいいか?」
「うん……きて……」
イリオスの指が抜けていく感触でまた軽く達してしまった私のそこは、彼が入ってきたことで自分でも分かるくらい強く締め付けた。
「んぅ……!ふぁ……やぁ、おっきくて、くるひ……!」
「すまない。だが、あと少しで全て入るから……」
イリオスは申し訳なさそうな声で謝りながら、腰を押し進めてきた。
そしてとうとう、奥まで届いた。
「わかるか?ここまで入ってるの」
お腹を撫でられ、彼のモノの形を確かめさせられる。
「うん……おなかいっぱい……うれしい」
「俺も幸せだよ」
「ごめんね。イリオス様」
いろんな記憶が浮かんでは胸に溜まっていく。苦しかったこともケンカしたことも、嬉しくて幸せなことも全部イリオス様が傍にいた。
「こういうときは『愛してる』と言ってくれ。君の声で呼ばれる名前が一番好きなんだ」
「あい、してる」
「もう一度」
「愛しています」
想いを込めて口にするとなぜか私の体は彼を求めて締め付けてしまう。
「もっと」
「愛しているわ、イリオス。私ももっと貴方が欲しいのっ」
「クラティラス、愛してる。愛しているよ」
お互いに愛の言葉を囁き合い、唇を重ねて舌を絡ませ合う。
腰をしっかりと掴まれ、それに応えたくて私も腰を突き上げていた。
何度も彼が奥まで入ってきて、私はあられもない声を上げる。
「クラティラス、そろそろ」
「出して。中にたくさん注いで。あなたの赤ちゃん産むから!」
その言葉を聞いた途端、彼は歯を食い縛り、私の中で果てた。
同時に私も絶頂を迎え、そのまま意識を失った。
翌朝。
目を覚ますと、隣には真剣な眼差しで私の顔を見ているイリオス様が横たわっていた。大きな手が私のお腹を撫でていて、まるでそこに命があるかのように優しく触れてくる。
「おはようクラティラス」
「お、はよう、ご、ございます」
寝起きで声がうまく出ない。喉もカラカラだ。
「昨日はとても良かった」
「私も……その、すごく気持ちよかった、です」
「初めてなのに無理をさせてしまったな。すまなかった」
「いえ、イリオス様に、求められて、嬉しかったです」
恥ずかしさで敬語になっている私をイリオス様はニンマリ笑って見つめる。
「君は本当に可愛らしいな。愛しさが募って困る」
ちゅっとキスをして、またお腹に手を当てられる。
「君が愛しい、クラティラス。お腹の中にいる俺とクラティラスの子、どうか元気に生まれておいで。俺を父にしてくれる君を愛している」
そう言って、彼はまたキスをした。
あー……これ、初日の一回で子供ができたと思ってるなぁ…………できている可能性はあるけど数ヶ月経たなきゃまだ分からないのに。でもできていると嬉しい。だってイリオス様との子供ならきっと可愛いもの。
それに、こんなに幸せそうにしてくれるなら嬉しいもん。
「イリオス、わたしも貴方が大好き。私達の子供に早く会いたいね」
「ああ」
急に真顔になったイリオス。
「どうしたの?」
「食事の後、もう一度してもいいだろうか。君にその気がないときや子供ができた時は君と子供のために絶対必ず我慢する。浮気など不埒なことをしないと二人に誓う。だから、その、今日だけは義務とは関係なくさせて欲しい!」
「えええええええ!?」
まさかの第二ラウンド希望!?しかも本気だこの人!
「嫌か、そうだよな。お腹には子供が……」
イリオスがガクッと肩を落として項垂れる。いろいろと気が早すぎる彼に私は慌てて首を横に振った。
「ち、違うの! 嫌じゃないわ! イリオスがしたいならいつでも何回でもいいわよ!義務とか関係なくイリオスと愛し合いたいから」
「いいのか!?」
「う、うん……」
イリオスの表情がみるみる明るくなっていく。
「クラティラス!ありがとう!」
「ひゃっ!?」
感極まったイリオスにぎゅううううって抱きしめられるとすごく幸せになる。
「愛してるクラティラス。俺は世界一の幸せ者だ」
「私もよイリオス……んっ」
再び彼の大きな体が私に覆いかぶさってきて、深く口付けられる。朝食を食べてからって話だったのになぁと思いつつも、この甘い快感に抗えなくて私はイリオスを受け入れて自分からも舌を絡めた。
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