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三人の朝

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話が終わってから夜食といっていい時間に食事をとるため眠っている龍一さんを起こそうかと思うとミサキが「寝かしてあげようよ」というのでそのままそっとしておいた。
龍一さんのことは信じているけどもミサキを安心させる意味で寝室には鍵をかけて私達も休んだ。

朝、私が彼を揺すぶって起こすまで彼はソファの上で眠り続けていた。彼が起きると私の顔をみて嬉しそうに笑って頬に触れてきた。私も嬉しくて頬が緩むのだけどそんな私達をミサキがニヤニヤしながら見ていた。その視線に気づいて龍一さんが慌てて体を起こした。

「すいませんっ、少し休んだら帰るつもりだったのにっ」

そう言って起き上がった龍一さんはオロオロとしている。私はそんな彼をみていつもの彼に戻ってくれたのが嬉しくて笑った。

「いえ、私達は全然構わないですよ。朝食の準備もできていますから食べていきますか?パンと簡単なサラダとジュースしかないですけど」
「はい。いただきます」

生徒でもあるミサキのことを意識してか表情を固くして返事をした龍一さんにミサキが意地悪っぽく笑いかけた。

「先生、おはようございます。今日からまたお願いします」

ミサキが龍一さんに丁寧に挨拶をする。

「はい。よろしくお願いいたします」

龍一さんが姿勢を正してミサキに挨拶を返す。

「お姉ちゃん、先生もこの際だからハッキリ言うよ。お姉ちゃんがプロポーズも受けたんだし、先生とすぐに結婚したらいいよ。先生のお兄さんも二人が結婚したら義姉さんに何もおきないって安心するでしょ。私だって高校生だしお姉ちゃんの結婚に反対なんてしないよ。周りからの私の評判を気にしてるなら意味ないんだし」
「それは……ミサキのことがなくても仕事があるし、結婚して落ち着くためには準備がいるかなって思うのよ」
「俺はトモヨさんの気持ちを待ちます」
「えー、なんでよぉ。お姉ちゃんが大好きなくせに先生もそんなこと言ってないで早く結婚しようって言えばいいじゃない」

ミサキはあからさまに頬を膨らませてブーイングした。

「龍一さん、食事にしましょう」

私は話題を変えようと努めて明るく彼に話しかけた。

「ごちそうになります」

そう言って龍一さんも話しを合わせてくれたのでミサキは頬を膨らませたまま朝食の席についた。

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