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挨拶3
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私達の間で早く子供を作りなさいと言われて眉間にシワを寄せている龍一さんとは対象的にケラケラと笑っている彼のお母さん。
「あら残念。うちの息子で初孫を見せてくれるのは誰かしら?お父さんも孫を見るまで死なないでほしいわ。って、龍ちゃん、お父さんには会ってきたの?」
「いや、先に面倒な母さんの方に来た」
「あっらー、そんなにママが好きだなんて~。この子ったら~」
龍一さんがうんざりって顔で母親を見ている。親子でこんなに性格が違うものなのかしら。
「でもママとしては本当にパパが生きているうちに孫を見せてあげたいのよ?ガンのことでいろいろあってお父さんの体の防御力が下がってるし、気も弱くなっちゃってるし。だからね、孫ができたら生きようって思ってくれるかなって」
「……防御力……なら上げられる、気がする」
そう呟きながら龍一さんが席を立って仏間を出ていった。入れ違いに百合子さんが戻ってきた。
「あら、お坊ちゃまはどちらに?」
「さあ?なんか出て行っちゃった。あ、トモヨさん。おまんじゅう好き?」
「はい、好きです」
「じゃあ、一緒に食べましょう。百合子さんも座って。一緒に休憩しましょ」
私達が3人でお茶をしていると龍一さんが小さな箱を持って戻ってきた。
「母さん、これ。つけて」
箱の蓋をあけて取り出したのは指輪だった。龍一さんのお母様がぶふぅっとお茶を吹いた。
「龍一!普通指輪は彼女に贈るもんでしょ!お母さんに渡してどうするの!」
「トモヨさんには俺が買った指輪を渡す。これは、その、知り合いに押し付けられた夫婦がつけると防御力があがる指輪だ」
「え、防御力が上がるんですか?」
思わず私が口を挟んでしまった。ガンって防御力の問題だったけ?あれ、それをいうなら免疫力よ。免疫力が落ちて大変なのよ。
「そうらしい」
お母様も百合子さんもぽかんと口をあけて驚いている。
「龍一……あんた、まさか……宗きょ」
「そういう効果があるって話ってだけで、お節介な奴から親切の押し売りで押し付けられただけだ。変な契約もしてない。俺だっていつまでも子供じゃないんだ。気休めにすらならないことは分かってる」
龍一さんのお母様が私をジッと見つめる。
「息子のプレゼントとはいえ、私がトモヨさんより先に指輪、もらっていいものなのかしら?」
「まあ、坊ちゃま、先にお嫁になる方へ渡すべきなのでは……」
きっとこれって私の左手の薬指になにもついてないから確認されているのよね。
「龍一さんが、決めたことですし、お守りみたいなものと思ってつけてもらえれば」
本当は私だって龍一さんから指輪をもらいたいけど、病気が治って欲しいって願いがこもっているものをねだるなんてできないし。今はその時じゃないくらい分かっている。
「まー、トモヨさんが良いのならつけるわよ。これから入院してる病院に行ってお父さんにも渡すの?」
お母様が龍一さんから指輪を受け取って自分の指にはめた。
「ああ。しばらく指輪はつけといて」
そう返事をして立ち上がった龍一さん。病院へお父さんに挨拶のために行くんだと察して私も立ち上がった。
「あら残念。うちの息子で初孫を見せてくれるのは誰かしら?お父さんも孫を見るまで死なないでほしいわ。って、龍ちゃん、お父さんには会ってきたの?」
「いや、先に面倒な母さんの方に来た」
「あっらー、そんなにママが好きだなんて~。この子ったら~」
龍一さんがうんざりって顔で母親を見ている。親子でこんなに性格が違うものなのかしら。
「でもママとしては本当にパパが生きているうちに孫を見せてあげたいのよ?ガンのことでいろいろあってお父さんの体の防御力が下がってるし、気も弱くなっちゃってるし。だからね、孫ができたら生きようって思ってくれるかなって」
「……防御力……なら上げられる、気がする」
そう呟きながら龍一さんが席を立って仏間を出ていった。入れ違いに百合子さんが戻ってきた。
「あら、お坊ちゃまはどちらに?」
「さあ?なんか出て行っちゃった。あ、トモヨさん。おまんじゅう好き?」
「はい、好きです」
「じゃあ、一緒に食べましょう。百合子さんも座って。一緒に休憩しましょ」
私達が3人でお茶をしていると龍一さんが小さな箱を持って戻ってきた。
「母さん、これ。つけて」
箱の蓋をあけて取り出したのは指輪だった。龍一さんのお母様がぶふぅっとお茶を吹いた。
「龍一!普通指輪は彼女に贈るもんでしょ!お母さんに渡してどうするの!」
「トモヨさんには俺が買った指輪を渡す。これは、その、知り合いに押し付けられた夫婦がつけると防御力があがる指輪だ」
「え、防御力が上がるんですか?」
思わず私が口を挟んでしまった。ガンって防御力の問題だったけ?あれ、それをいうなら免疫力よ。免疫力が落ちて大変なのよ。
「そうらしい」
お母様も百合子さんもぽかんと口をあけて驚いている。
「龍一……あんた、まさか……宗きょ」
「そういう効果があるって話ってだけで、お節介な奴から親切の押し売りで押し付けられただけだ。変な契約もしてない。俺だっていつまでも子供じゃないんだ。気休めにすらならないことは分かってる」
龍一さんのお母様が私をジッと見つめる。
「息子のプレゼントとはいえ、私がトモヨさんより先に指輪、もらっていいものなのかしら?」
「まあ、坊ちゃま、先にお嫁になる方へ渡すべきなのでは……」
きっとこれって私の左手の薬指になにもついてないから確認されているのよね。
「龍一さんが、決めたことですし、お守りみたいなものと思ってつけてもらえれば」
本当は私だって龍一さんから指輪をもらいたいけど、病気が治って欲しいって願いがこもっているものをねだるなんてできないし。今はその時じゃないくらい分かっている。
「まー、トモヨさんが良いのならつけるわよ。これから入院してる病院に行ってお父さんにも渡すの?」
お母様が龍一さんから指輪を受け取って自分の指にはめた。
「ああ。しばらく指輪はつけといて」
そう返事をして立ち上がった龍一さん。病院へお父さんに挨拶のために行くんだと察して私も立ち上がった。
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