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電話タイム
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家に帰ってミサキから長山先生が倒れたけどすぐに元気になったと報告された。だけど前半の話だけで私は取り乱してミサキがいる前なのに長山さんに電話をしていた。。
数回のコールで長山さんが出ていつもの『もしもし』が聞こえた。元気そうな声に私は少し落ち着きを取り戻す。
「こんばんは。長山さん、電話しちゃいましたが大丈夫ですか?あの、ミサキから学校で倒れたと聞いて・・・」
いつも夜に電話やメッセージのやり取りは負担でしたかと聞きたかったけど喉が張りついて言葉が出ない。
『あっ』
子供が悪いことしていたら見つかった、みたいな声の後に少し沈黙する長山さん。
「長山さん?」
『大したことじゃないんですけど・・・・・・髪が急に切りたくなって遅くまでしてる理髪店に行ったら、いっそイメージチェンジしてやろうと慣れない事をしたせいですか・・・・・・熱が一時的に出たみたいで保健室の世話になりました』
イメージチェンジ?チラッとミサキを見て小声で「先生、今日はイメチェンしてたの?」と聞くとミサキは頷いた。
『昨日、風呂から出たらなぜかテンションが上がったせいか学校でも勢いがついてたんですけど、昨日の夜は風呂上がりで理髪店に出たし、はしゃいでしっかり寝れなかったのもあって倒れてしまいました』
私の不安に気がついたのか長山さんが語りだした。イメチェンのきっかけは本人も分からないらしいけど倒れた理由は分かった。
「そうだったんですね。仕事もあるんですからあまり無理しないでくださいね」
『はい、ありがとうございます。心配させてしまったようですみません』
「いえいえ、私こそしんどいときに電話で連絡をしてしまってごめんなさい」
『いえいえ、全然気にしていないです。声が聞けてむしろ嬉しかったです』
あぁぁ!そんなこと言われたら今絶対私の顔赤くなってる!!
「お姉ちゃん、顔赤くなってる~!」
わざと長山さんに聞こえるように大きな声で指摘するミサキ。恥ずかしさで悶えているとスマホ越しからクツクツと笑い声が聞こえる。
『その……相変わらず可愛いですね』
「うぅ…………」
長山さんの言葉でさらに顔を真っ赤にする私。かわいいって言われて嬉しいのに、電話で何を言われているかミサキには聞こえないと分かっていても恥ずかしい。
『吉永さんの声を聞いたら安心しました。今日はよく眠れそうです』
「無理しないでくださいね。今日はちゃんとゆっくり休んでくださいね。また明日電話しますから」
『ええ、今日はしっかり寝ます。吉永さんもゆっくり休んでください。おやすみなさい。また明日』
そう言って通話を切られたあとも私はしばらく余韻に浸ってスマホを耳に当てていた。
数回のコールで長山さんが出ていつもの『もしもし』が聞こえた。元気そうな声に私は少し落ち着きを取り戻す。
「こんばんは。長山さん、電話しちゃいましたが大丈夫ですか?あの、ミサキから学校で倒れたと聞いて・・・」
いつも夜に電話やメッセージのやり取りは負担でしたかと聞きたかったけど喉が張りついて言葉が出ない。
『あっ』
子供が悪いことしていたら見つかった、みたいな声の後に少し沈黙する長山さん。
「長山さん?」
『大したことじゃないんですけど・・・・・・髪が急に切りたくなって遅くまでしてる理髪店に行ったら、いっそイメージチェンジしてやろうと慣れない事をしたせいですか・・・・・・熱が一時的に出たみたいで保健室の世話になりました』
イメージチェンジ?チラッとミサキを見て小声で「先生、今日はイメチェンしてたの?」と聞くとミサキは頷いた。
『昨日、風呂から出たらなぜかテンションが上がったせいか学校でも勢いがついてたんですけど、昨日の夜は風呂上がりで理髪店に出たし、はしゃいでしっかり寝れなかったのもあって倒れてしまいました』
私の不安に気がついたのか長山さんが語りだした。イメチェンのきっかけは本人も分からないらしいけど倒れた理由は分かった。
「そうだったんですね。仕事もあるんですからあまり無理しないでくださいね」
『はい、ありがとうございます。心配させてしまったようですみません』
「いえいえ、私こそしんどいときに電話で連絡をしてしまってごめんなさい」
『いえいえ、全然気にしていないです。声が聞けてむしろ嬉しかったです』
あぁぁ!そんなこと言われたら今絶対私の顔赤くなってる!!
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わざと長山さんに聞こえるように大きな声で指摘するミサキ。恥ずかしさで悶えているとスマホ越しからクツクツと笑い声が聞こえる。
『その……相変わらず可愛いですね』
「うぅ…………」
長山さんの言葉でさらに顔を真っ赤にする私。かわいいって言われて嬉しいのに、電話で何を言われているかミサキには聞こえないと分かっていても恥ずかしい。
『吉永さんの声を聞いたら安心しました。今日はよく眠れそうです』
「無理しないでくださいね。今日はちゃんとゆっくり休んでくださいね。また明日電話しますから」
『ええ、今日はしっかり寝ます。吉永さんもゆっくり休んでください。おやすみなさい。また明日』
そう言って通話を切られたあとも私はしばらく余韻に浸ってスマホを耳に当てていた。
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