現代乙女ゲー世界に転生したら主人公のモブな社会人な姉でしたがゲームに出ない陰気な先生に溺愛されました。

からどり

文字の大きさ
上 下
16 / 105

噂 :ミサキ視点:

しおりを挟む
仕事用に買ってある手帳をながめては顔がにやける私のお姉ちゃんトモヨ。その姿を見るのは、私ミサキはそろそろうんざりとしてきている。

「お姉ちゃん、さすがに5日連続で毎日思い出し笑いはやばいって」
「だって告白したら、はいっ!て返事にワインだよ~。もう素敵でしょ~」
「お姉ちゃん、恋愛脳で脳内変換しすぎ。ワインはマスターの計らいだし、副担先生、めちゃくちゃキョドってたって言ってたじゃない」
「ん?お姉ちゃん、みさきにそこまで詳しく話してたっけ?」
「ゲホッ!ゴホッ!んっ!何回もデートの話を言ってたじゃん!忘れた!?もうっ、惚気聞きすぎて耳にタコよ」
「あ~、ごめんね~。えへへ~」

良かった。お姉ちゃんの頭が幸せ状態で。お姉ちゃんが騙されてないかオシャレした日はミールに頼んで見に行ってもらったなんて言えないし。
妖精のミール。この世界ではおとぎ話の生き物とされているけど実際は違う。本当は私達のそばにいる。
昔から色々と人に見えないものが見える私は怪我をしたミールを見つけて看病をしたら懐かれて今に至る。ミールは試験で人間界に来たけど人間界が初めてだから私が色々と教えてあげている。
お姉ちゃんがトイレに行ったので私はこっそりミールにお礼を言う。

『ミーくん、ありがとうね』
『気にすんなよ。俺様の社会勉強になるからよ」

最初はボク、~だよ。って口調だったのに色々と教えているうちに俺様と言うようになり、態度も偉そうになってしまった。まぁ、見た目は小さくて可愛いから別にいいんだけどさ。

「それじゃ、今日も行くわよ」
「うん!」

元気いっぱいのお姉ちゃんと一緒に家を出る。私は途中まで一緒に行って別れた。お姉ちゃんと別れたら学校に行く前に近所の公園まで散歩するのが習慣だ。

「ん?」
「げっ、ワンコ!俺様、先に学校に行ってるからな」
いつものように歩いていると、毎日同じ時間に会う犬の散歩をするおばさんが前方からやってきた。このワンコが名前の犬、ミールをみては吠えるんだよね。動物の方が妖精とかに敏感みたい。ミールは犬が苦手だからさっさと空高く登って学校の方向に向かった。

「こんにちは」
「あら、おはよう。今日も学校?」
「はい!」
「ミサキちゃんは本当にいい子ねえ。うちの娘もミサキちゃんくらい素直でいい子だといいんだけど」
「学校がありますのでまた今度ゆっくり話しましょう!ワンコ君、またね~」

犬に向かって手を振りつつ定番化してしまった挨拶を交わしておばさんから離れる。あの人に捕まると長いのよね。ここはさっと退散っと。

「あ、そうだ。ミサキちゃん」
「はーい?」
「最近、不審者が出るらしいから気をつけるのよ」
「はーい!行ってきます!」

不審者かあ。通学路は人が多いしそんなの会わないわよ。私も学校に行かなきゃ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!

Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。 転生前も寝たきりだったのに。 次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。 でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。 何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。 病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。 過去を克服し、二人の行く末は? ハッピーエンド、結婚へ!

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。 なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。 普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。 それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。 そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

ある王国の王室の物語

朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。 顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。 それから 「承知しました」とだけ言った。 ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。 それからバウンドケーキに手を伸ばした。 カクヨムで公開したものに手を入れたものです。

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

悪役令息、拾いました~捨てられた公爵令嬢の薬屋経営~

山夜みい
恋愛
「僕が病気で苦しんでいる時に君は呑気に魔法薬の研究か。良いご身分だな、ラピス。ここに居るシルルは僕のために毎日聖水を浴びて神に祈りを捧げてくれたというのに、君にはがっかりだ。もう別れよう」 婚約者のために薬を作っていたラピスはようやく完治した婚約者に毒を盛っていた濡れ衣を着せられ、婚約破棄を告げられる。公爵家の力でどうにか断罪を回避したラピスは男に愛想を尽かし、家を出ることにした。 「もううんざり! 私、自由にさせてもらうわ」 ラピスはかねてからの夢だった薬屋を開くが、毒を盛った噂が広まったラピスの薬など誰も買おうとしない。 そんな時、彼女は店の前で倒れていた男を拾う。 それは『毒花の君』と呼ばれる、凶暴で女好きと噂のジャック・バランだった。 バラン家はラピスの生家であるツァーリ家とは犬猿の仲。 治療だけして出て行ってもらおうと思っていたのだが、ジャックはなぜか店の前に居着いてしまって……。 「お前、私の犬になりなさいよ」 「誰がなるかボケェ……おい、風呂入ったのか。服を脱ぎ散らかすな馬鹿!」 「お腹空いた。ご飯作って」 これは、私生活ダメダメだけど気が強い公爵令嬢と、 凶暴で不良の世話焼きなヤンデレ令息が二人で幸せになる話。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

処理中です...