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ロードリック様との新婚旅行は、夏、海のある町になった。一緒に花火をみたり、これから海で遊ぶんだ。
「わー!海だー!!」
「アレックス、あまり走ると危ないぞ」
更衣室で水着に着替えた僕は砂浜まで走り、ロードリック様はゆっくり歩いて来た。
広い砂浜には、人々が思い思いにレジャーシートを広げて、日傘を立てたりしている。
僕達もレジャーシートを広げて遊ぶ準備をする。
「アレックス。すぐに遊びたい所をすまないが、日焼け止めを塗ってくれ」
ロードリック様から日焼け止めクリームを受け取る。僕の前で背中を向けて座る彼に日焼け止めを塗る。
「ロードリック様は日焼けしないの?」
「俺は日焼けをしようとすると肌が真っ赤になって痛くなるんだ。普段は日焼け止めはいらないが、旅行中に痛みがあると楽しめないから、念のために塗っておきたい」
「そっか」
日焼けで肌が痛い時、布に擦れるだけで痛いって聞いたことがある。そんなことになったらベッドでいちゃいちゃができなくなっちゃう!
僕は念入りにロードリック様の背中や肩など日焼け止めを塗った。
「アレックス、あとは自分で塗るから」
ロードリック様は僕から日焼け止めを受け取り、腕や上半身、足に塗り始めた。
その様子をじーっと見つめる。なんだか体にローションを塗っているようでエッチだ。
だから、他の人が彼を見ているんじゃないかって周囲を見回したけど、他の人は自分たちが遊ぶことに忙しくてこっちなんて気にしてない。
一人で嫉妬して、なんだかちょっと気まずいなあ……。でも海で遊ぶの楽しみだな。
「アレックス、どうした?」
「ん、ん?なんでもないよ」
「そうか?アレックスのことだから、海の家のアイスクリームが気になったんじゃないか」
「えへへへ」
エッチなことを考えていたとは言えず、笑ってごまかした。
「海で泳いで、休憩の時に買って食べようか」
「うん!」
あ!そうだ!僕は鞄からカメラを取り出した。
僕がカメラを向けるとロードリック様は驚いた顔をした。ほんとはさっきの笑った顔を撮りたかったのに!
「あー、残念。笑顔が撮れなかったよ」
「こら、アレックス。俺は写真が苦手……」
僕が目をうるうるさせて見上げるとロードリック様はすぐに陥落しちゃう。
「だ、だが……今日くらいは撮ってもいい」
ほら!やっぱり!ロードリック様は僕に弱い。だから僕は調子にのって抱きついちゃう。
「ありがとう!!大好き!」
「アレックスは……ほんとうに小悪魔だ」
抱きついた体温が少し上がっていくのを感じる。
「えへへ。ロードリック様、大好き!」
「アレックス」
ロードリック様が顔を赤くして僕を見つめている。
あ!その顔も大好き!欲しい!!絶対誰にもあげない!カメラで撮っちゃおう!!
ぴょんと離れてカメラで激写できた!
するとロードリック様は口元を手で覆ってしまう。
「そんなに連続で撮るものなのか?」
「うん!たくさん撮るよ」
「……そうか。なら俺もアレックスを沢山撮りたい」
「はい、じゃあこれ」
僕は手にしたカメラを渡す。ロードリック様は僕にカメラを向けるとパシャッと撮ってくれた。
楽しい!
この調子でいっぱい写真を撮って印刷したらアルバムができるかな?楽しみだなあ。ロードリック様と一緒ならなんでも楽しい!!
「浮き輪を用意しよう」
「うん。僕、先に海に行っていい?」
「ああ、溺れないように気をつけるんだぞ」
鞄にカメラを片付けて海に向かう。
「わー!海だー!!」
「アレックス、あまり走ると危ないぞ」
更衣室で水着に着替えた僕は砂浜まで走り、ロードリック様はゆっくり歩いて来た。
広い砂浜には、人々が思い思いにレジャーシートを広げて、日傘を立てたりしている。
僕達もレジャーシートを広げて遊ぶ準備をする。
「アレックス。すぐに遊びたい所をすまないが、日焼け止めを塗ってくれ」
ロードリック様から日焼け止めクリームを受け取る。僕の前で背中を向けて座る彼に日焼け止めを塗る。
「ロードリック様は日焼けしないの?」
「俺は日焼けをしようとすると肌が真っ赤になって痛くなるんだ。普段は日焼け止めはいらないが、旅行中に痛みがあると楽しめないから、念のために塗っておきたい」
「そっか」
日焼けで肌が痛い時、布に擦れるだけで痛いって聞いたことがある。そんなことになったらベッドでいちゃいちゃができなくなっちゃう!
僕は念入りにロードリック様の背中や肩など日焼け止めを塗った。
「アレックス、あとは自分で塗るから」
ロードリック様は僕から日焼け止めを受け取り、腕や上半身、足に塗り始めた。
その様子をじーっと見つめる。なんだか体にローションを塗っているようでエッチだ。
だから、他の人が彼を見ているんじゃないかって周囲を見回したけど、他の人は自分たちが遊ぶことに忙しくてこっちなんて気にしてない。
一人で嫉妬して、なんだかちょっと気まずいなあ……。でも海で遊ぶの楽しみだな。
「アレックス、どうした?」
「ん、ん?なんでもないよ」
「そうか?アレックスのことだから、海の家のアイスクリームが気になったんじゃないか」
「えへへへ」
エッチなことを考えていたとは言えず、笑ってごまかした。
「海で泳いで、休憩の時に買って食べようか」
「うん!」
あ!そうだ!僕は鞄からカメラを取り出した。
僕がカメラを向けるとロードリック様は驚いた顔をした。ほんとはさっきの笑った顔を撮りたかったのに!
「あー、残念。笑顔が撮れなかったよ」
「こら、アレックス。俺は写真が苦手……」
僕が目をうるうるさせて見上げるとロードリック様はすぐに陥落しちゃう。
「だ、だが……今日くらいは撮ってもいい」
ほら!やっぱり!ロードリック様は僕に弱い。だから僕は調子にのって抱きついちゃう。
「ありがとう!!大好き!」
「アレックスは……ほんとうに小悪魔だ」
抱きついた体温が少し上がっていくのを感じる。
「えへへ。ロードリック様、大好き!」
「アレックス」
ロードリック様が顔を赤くして僕を見つめている。
あ!その顔も大好き!欲しい!!絶対誰にもあげない!カメラで撮っちゃおう!!
ぴょんと離れてカメラで激写できた!
するとロードリック様は口元を手で覆ってしまう。
「そんなに連続で撮るものなのか?」
「うん!たくさん撮るよ」
「……そうか。なら俺もアレックスを沢山撮りたい」
「はい、じゃあこれ」
僕は手にしたカメラを渡す。ロードリック様は僕にカメラを向けるとパシャッと撮ってくれた。
楽しい!
この調子でいっぱい写真を撮って印刷したらアルバムができるかな?楽しみだなあ。ロードリック様と一緒ならなんでも楽しい!!
「浮き輪を用意しよう」
「うん。僕、先に海に行っていい?」
「ああ、溺れないように気をつけるんだぞ」
鞄にカメラを片付けて海に向かう。
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