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東亜森帝国の片隅。
どこぞのご令嬢達とご子息達が婚約破棄だ、真実の愛だと騒いで、問題を起こしたという噂を聞き「婚約破棄とか可哀想」と枕を濡らすくらい同情する俺は、人の温もりに飢えていた。
俺も付き合っていた人がいたが、ある理由で泣く泣く別れた。
それから恋人は出来ていない。
俺は顔は三の次で、第一に体臭、第二に乳首というフェチで相手を選んでいる変態な趣味の持ち主だった。
風呂に入らず、恋人の腋の匂いが漂う中で乳首を吸わせて欲しい。そんな人間である俺に付き合い、休みの前日は風呂に入らない彼は最高にいい人だった。でも「ごめん。夏も風呂入らないのは、自分で自分の匂いがきつい。それに、オレ、潔癖なんだってあんたと付き合って分かった。だから、ごめん。これ以上は付き合えない」と言われて秋に振られた。
それから俺は、落ち込んだ。向こうから告白されて、付き合ってる人もいないから付き合ってみた。すると乳首を吸うとジャストフィットする相手だった。腋の匂いは普通。でも付き合っているうちに優しさとかでカバーされてた。
その相手に振られ、俺はどうやって生きていけばいいんだ。
「久しぶりに雄っパブ行こう」
自分の口から出た言葉に驚き、そして光を見つけた。
「そうだ。雄っパブ行こう。雄っぱいパラダイスがあそこにはある」
思い立ったが行動日。俺は風呂に入って体を清め、服を着替えて家を出た。
向かったのは歓楽街。夜でも明かりは消えず、人通りが多く賑わっていた。
「雄っパブは……」
俺は元恋人と付き合うまでは行きつけにしていた店に向かった。その店はビルの地下にあり、看板には『雄っぱいパラダイス』と書かれている。
1つ目のドアを開けると薄暗く、2つ目のドアの前には案内人が立っていた。
「いらっしゃいませ。一名様?」
「一人です」
「ちょーっとお待ち下さいよ」
案内人が無線機でなにかを話す。
「はい、では、1名様ご案内」
そう言うと2つ目のドアが開き。薄暗い店の中に入ることができた。ボックス席ばかりで、男や女の客達の隣にはおっぱいを丸出しの男たちが座っている。
香水や消毒薬、ほのかに汗臭が混じった匂いで、俺は帰ってきた気分になる。
ボックス席に座ると
「はぁ…‥」
と溜息をついた。
「きゃあ、ユウヘイさ~ん、ひさしぶり~」
雄っぱいボーイのロイ君が新人を連れて席に来た。ここは指名制がない。ランダムでボーイ達が来る。
今日はたまたま俺を覚えていてくれたボーイのロイ君だった。
彼らのおっぱいにはニップレスが貼られている。ボーイ達のニップレスを外すには、チップを渡す必要がある。
「ひさしぶり。疲れたから癒やされに来たよ」
「ふふふっ、久しぶり。一ヶ月ぶりくらいだよね?」
「そうだね。まぁ、いろいろあってさ……」
俺はロイ君の胸を見る。ニップレスは白の半透明で乳首の色、ピンク色が見えた。舐めたい衝動に駆られるが、お作法というものがある。
「先にビールを頼む。ロイ君も好きな飲み物を頼んでくれ」
「ふふっ、かしこまりました」
ビールを頼むとロイ君がお尻を振って取りに行った。
他所だとこういうのは黒服がするらしいが、ビール、オレンジジュース、りんごジュースはボーイ自ら注いでくれるサービスなので人気がある。
戻ってきたロイ君はビールとサービスのナッツ。ジュースのグラス、消毒薬を浸した脱脂綿の入ったケースをお盆に乗せて戻ってきた。
「じゃあ、カンパーイ」
「乾杯」
ビールを飲むと苦みと炭酸で喉がスッキリする。
「はぁ……、ビールが美味い」
「ユウヘイさんが来ない間、ビールを注ぐ練習頑張ったから、美味しいって言ってもらえて嬉しい」
きゃっとロイ君が笑う。
「なるほどなあ。ロイ君の練習成果が出たからビールが特に美味いのか」
俺はもう一口ビールを飲む。
「これ、ロイ君の頑張りにお小遣いをあげるよ。次も美味しいビールを飲ませてくれ」
この雄っぱいパラダイスは紳士淑女の社交場。雄っぱいを味わうように、ボーイ達との交流を楽しむ。いきなり「吸わせろ。乳出しやがれ」は追い出される。
「ありがとー♡褒めてくれたお礼に、はい、僕の雄っぱいシールを剥がしていいよ」
ニップレス付き雄っぱいを突き出すロイ君。俺は無意識で舌なめずりしながら、ニップレスの端からゆっくりと剥がしていく。
ニップレスが外れると、可愛いピンクの乳首が顔を出した。俺はその乳首にしゃぶりつきたい衝動を我慢する。
「んふふー、ちょっと待ってねー」
ロイ君が消毒薬を含んだ脱脂綿で乳首を拭いて消毒する。終わった後にも消毒するとはいえ、最初の拭き拭きが待てないと「飢えてダサい奴」認定される。ここで焦らされることも楽しむのが紳士淑女の楽しみ方だ。
「はーい、おまたせ~。チューチュータイムだよ♪」
ロイ君が胸を突き出す。俺は遠慮なくしゃぶりつく。
ちゅぱっ……れろれろ…….ちゅうううっ……
「あっ、ユウヘイさん、がっつきすぎだよお……」
乳首を吸いながら舌で優しく舐めていくと甘い声が漏れた。
「だってさ……久しぶりなんだし」
「んっ♡もう……しょうがないなあ♡」
ロイ君は俺の頭を抱き抱えるようにして撫でてくれる。雄っぱいパラダイスはボーイの愛で溢れている。
どんなに下手でも、強すぎる吸いでも耐えてくれる(俺はちゃんと加減してるぞ)。
「んふ♡」
ロイ君の乳首を吸ったり、甘噛みしたりすると可愛い声をあげてくれるので好きである。
ちゅううううっっ……ちゅぽんっ..じゅるるるる……はあ、はあ、ちゅうちゅうちゅうちゅう……
「ああっ……ユウヘイさん……♡そろそろ……」
「んっ……」
チューチュータイムはボーイの乳首に負担が強い。だから時間制限がある。
チップを追加すれば延長できるし、他の子と話したいと言えばチェンジもできる。
ここには癒やしと優しさを求めてきた。俺の一番は体臭で乳首は二番目だ。清潔感を大切にする雄っぱぶでは、体臭ムンムンな子がいない。
久しぶりに吸った乳首への名残惜しさはもちろんあるが、ボーイが嫌がることをしないのが紳士淑女の(以下略)なので口を離す。ロイ君が消毒薬を浸した脱脂綿で拭いた後、さっき剥がしたニップレスを再び貼り付けた。
「ロイ君の胸、美味しかった」
「えへへ~。喜んで貰えて嬉しいな」
あとは雄っぱいに顔を埋めさせて貰うスキンシップや、会話と酒を楽しんだ。
「ロイ君、また来るよ」
「うん。待ってるね♡」
ロイ君に別れを告げて店を出た。久しぶりのスキンシップは癒やしになり、明日からも頑張ろうという気力が湧いてきた。
良い気持ちになって帰っていたら、後ろからついてくる足音が響く。
最初は同じ道を通る人がいるんだ。くらいだったが、酔っ払った俺の足はふらつき、バランスを取るためにその場で足踏みをしたり、壁に手をついた。
それに合わせて後ろの足音が遅くなったり、止まったりする。
酔った頭では警戒心なんてほとんどなく、俺は普通のスピードで振り返った。
俺をつけていた男は意外とすぐ後ろにいた。
どこぞのご令嬢達とご子息達が婚約破棄だ、真実の愛だと騒いで、問題を起こしたという噂を聞き「婚約破棄とか可哀想」と枕を濡らすくらい同情する俺は、人の温もりに飢えていた。
俺も付き合っていた人がいたが、ある理由で泣く泣く別れた。
それから恋人は出来ていない。
俺は顔は三の次で、第一に体臭、第二に乳首というフェチで相手を選んでいる変態な趣味の持ち主だった。
風呂に入らず、恋人の腋の匂いが漂う中で乳首を吸わせて欲しい。そんな人間である俺に付き合い、休みの前日は風呂に入らない彼は最高にいい人だった。でも「ごめん。夏も風呂入らないのは、自分で自分の匂いがきつい。それに、オレ、潔癖なんだってあんたと付き合って分かった。だから、ごめん。これ以上は付き合えない」と言われて秋に振られた。
それから俺は、落ち込んだ。向こうから告白されて、付き合ってる人もいないから付き合ってみた。すると乳首を吸うとジャストフィットする相手だった。腋の匂いは普通。でも付き合っているうちに優しさとかでカバーされてた。
その相手に振られ、俺はどうやって生きていけばいいんだ。
「久しぶりに雄っパブ行こう」
自分の口から出た言葉に驚き、そして光を見つけた。
「そうだ。雄っパブ行こう。雄っぱいパラダイスがあそこにはある」
思い立ったが行動日。俺は風呂に入って体を清め、服を着替えて家を出た。
向かったのは歓楽街。夜でも明かりは消えず、人通りが多く賑わっていた。
「雄っパブは……」
俺は元恋人と付き合うまでは行きつけにしていた店に向かった。その店はビルの地下にあり、看板には『雄っぱいパラダイス』と書かれている。
1つ目のドアを開けると薄暗く、2つ目のドアの前には案内人が立っていた。
「いらっしゃいませ。一名様?」
「一人です」
「ちょーっとお待ち下さいよ」
案内人が無線機でなにかを話す。
「はい、では、1名様ご案内」
そう言うと2つ目のドアが開き。薄暗い店の中に入ることができた。ボックス席ばかりで、男や女の客達の隣にはおっぱいを丸出しの男たちが座っている。
香水や消毒薬、ほのかに汗臭が混じった匂いで、俺は帰ってきた気分になる。
ボックス席に座ると
「はぁ…‥」
と溜息をついた。
「きゃあ、ユウヘイさ~ん、ひさしぶり~」
雄っぱいボーイのロイ君が新人を連れて席に来た。ここは指名制がない。ランダムでボーイ達が来る。
今日はたまたま俺を覚えていてくれたボーイのロイ君だった。
彼らのおっぱいにはニップレスが貼られている。ボーイ達のニップレスを外すには、チップを渡す必要がある。
「ひさしぶり。疲れたから癒やされに来たよ」
「ふふふっ、久しぶり。一ヶ月ぶりくらいだよね?」
「そうだね。まぁ、いろいろあってさ……」
俺はロイ君の胸を見る。ニップレスは白の半透明で乳首の色、ピンク色が見えた。舐めたい衝動に駆られるが、お作法というものがある。
「先にビールを頼む。ロイ君も好きな飲み物を頼んでくれ」
「ふふっ、かしこまりました」
ビールを頼むとロイ君がお尻を振って取りに行った。
他所だとこういうのは黒服がするらしいが、ビール、オレンジジュース、りんごジュースはボーイ自ら注いでくれるサービスなので人気がある。
戻ってきたロイ君はビールとサービスのナッツ。ジュースのグラス、消毒薬を浸した脱脂綿の入ったケースをお盆に乗せて戻ってきた。
「じゃあ、カンパーイ」
「乾杯」
ビールを飲むと苦みと炭酸で喉がスッキリする。
「はぁ……、ビールが美味い」
「ユウヘイさんが来ない間、ビールを注ぐ練習頑張ったから、美味しいって言ってもらえて嬉しい」
きゃっとロイ君が笑う。
「なるほどなあ。ロイ君の練習成果が出たからビールが特に美味いのか」
俺はもう一口ビールを飲む。
「これ、ロイ君の頑張りにお小遣いをあげるよ。次も美味しいビールを飲ませてくれ」
この雄っぱいパラダイスは紳士淑女の社交場。雄っぱいを味わうように、ボーイ達との交流を楽しむ。いきなり「吸わせろ。乳出しやがれ」は追い出される。
「ありがとー♡褒めてくれたお礼に、はい、僕の雄っぱいシールを剥がしていいよ」
ニップレス付き雄っぱいを突き出すロイ君。俺は無意識で舌なめずりしながら、ニップレスの端からゆっくりと剥がしていく。
ニップレスが外れると、可愛いピンクの乳首が顔を出した。俺はその乳首にしゃぶりつきたい衝動を我慢する。
「んふふー、ちょっと待ってねー」
ロイ君が消毒薬を含んだ脱脂綿で乳首を拭いて消毒する。終わった後にも消毒するとはいえ、最初の拭き拭きが待てないと「飢えてダサい奴」認定される。ここで焦らされることも楽しむのが紳士淑女の楽しみ方だ。
「はーい、おまたせ~。チューチュータイムだよ♪」
ロイ君が胸を突き出す。俺は遠慮なくしゃぶりつく。
ちゅぱっ……れろれろ…….ちゅうううっ……
「あっ、ユウヘイさん、がっつきすぎだよお……」
乳首を吸いながら舌で優しく舐めていくと甘い声が漏れた。
「だってさ……久しぶりなんだし」
「んっ♡もう……しょうがないなあ♡」
ロイ君は俺の頭を抱き抱えるようにして撫でてくれる。雄っぱいパラダイスはボーイの愛で溢れている。
どんなに下手でも、強すぎる吸いでも耐えてくれる(俺はちゃんと加減してるぞ)。
「んふ♡」
ロイ君の乳首を吸ったり、甘噛みしたりすると可愛い声をあげてくれるので好きである。
ちゅううううっっ……ちゅぽんっ..じゅるるるる……はあ、はあ、ちゅうちゅうちゅうちゅう……
「ああっ……ユウヘイさん……♡そろそろ……」
「んっ……」
チューチュータイムはボーイの乳首に負担が強い。だから時間制限がある。
チップを追加すれば延長できるし、他の子と話したいと言えばチェンジもできる。
ここには癒やしと優しさを求めてきた。俺の一番は体臭で乳首は二番目だ。清潔感を大切にする雄っぱぶでは、体臭ムンムンな子がいない。
久しぶりに吸った乳首への名残惜しさはもちろんあるが、ボーイが嫌がることをしないのが紳士淑女の(以下略)なので口を離す。ロイ君が消毒薬を浸した脱脂綿で拭いた後、さっき剥がしたニップレスを再び貼り付けた。
「ロイ君の胸、美味しかった」
「えへへ~。喜んで貰えて嬉しいな」
あとは雄っぱいに顔を埋めさせて貰うスキンシップや、会話と酒を楽しんだ。
「ロイ君、また来るよ」
「うん。待ってるね♡」
ロイ君に別れを告げて店を出た。久しぶりのスキンシップは癒やしになり、明日からも頑張ろうという気力が湧いてきた。
良い気持ちになって帰っていたら、後ろからついてくる足音が響く。
最初は同じ道を通る人がいるんだ。くらいだったが、酔っ払った俺の足はふらつき、バランスを取るためにその場で足踏みをしたり、壁に手をついた。
それに合わせて後ろの足音が遅くなったり、止まったりする。
酔った頭では警戒心なんてほとんどなく、俺は普通のスピードで振り返った。
俺をつけていた男は意外とすぐ後ろにいた。
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