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19.謎の変化

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***翌日***

チビリムルはブカブカだが制服の裾を引きずって歩くよりマシだから体育着の半袖体操服とハーフパンツで登校していった。カバンには元のサイズに戻った時用の制服も入れてある。心配で登校も付き添ったら心配して校門で待ってくれたマリア先生がいたので少し話をした。主に戻らなかった場合の対処法を聞いたんだが、イタズラグッズ専門店のものでちゃんと一日で戻るので大丈夫だと言われた。戻らない場合は店で解除してくれるし、この町にもその店があるのでどうしてもの時は学校が対応してくれるらしい。

授業は普通に受けられるとのことで安心した。
学校のことは先生に任せ、俺も今日の日雇い仕事に向かった。

***
仕事が終わり、リムルも授業が終わっただろうと思って学校へ迎えに行くと制服姿のリムルが校門からでてきた。

「リムル、戻ったんだな」

「まあな」

「良かった。戻らない時はどうするか先生に聞いといたんだが心配なかったな」

「うん」

「どうした? 元気ないな」

「いや、別に……」

なんか変だな。いつもならもっと威張り散らすのに。

「ところで、昨日の約束覚えているか?」

「おお。覚えてる」

まさかここで裸踊りしろとか言わないよな?

「じゃあ家に帰ったらボクの言うこと聞けよ」

「分かってる」

で、家に帰ってから手を洗ってうがいもちゃんとしたお利口さんなリムルと寝室に行くと真っ先にタンスの奥から袋を取り出した。

「さあ、これを着ろ」

投げつけられた袋を受け取り、中をみたらそれは見慣れたものだった。

「これって、リムルの学校の制服だよな。お前のならサイズが全く合わないぞ」

「ばか。ちゃんとクラウスに合うサイズだ。さっさと着替えるんだ」

「ちょっと待ってろ」

リムルの命令に逆らえない俺は仕方なく学生服を着た。ちょっと裾が短い気もするが俺が着れるサイズだ。どこで買ったんだとか聞きたいが、この前の勇者の装備のほうが売ってなさそうだし、そういう店があるんだろうなと勝手に答えを見つけて納得した。

「ほら、ベッドに座れ。髪をセットしてやる」

ベッドに座るとリムルがワックスで俺の髪の毛を弄りだした。

「リムル、お前、こんなもの持ってたのか?」

「持っていたら悪いのか?友達からの貰い物だ。買って試したが使わないからとくれたんだ。ボクも使わないがクラウスの髪を弄って遊ぼうと思って貰ったんだ」

俺の髪をいじりながら話すリムル。楽しそうにしているから黙っているけど、俺の髪で遊ぶのは止めてくれ。

「よし、できた。なかなかカッコいいぞ」

鏡を見せられたが、短髪なのに無理やり七三分けみたいになっていた。しかもワックスでべったりしている。リムルが不器用なのを忘れていた。

「似合ってるぞ」

嬉しくない。恥ずかしい。

「じゃあ、リビングで待ってろ。ボクも準備をする」

「リムルも?」

そのまま制服同士でするのかと思ったが違うのか?リムルが考えることは分かるようでよく分からないものだ。
言われた通りリビングで突っ立ち待っていると、学生カバンを持ったリムルが俺の目の前に姿を現した。

「ど、どうだ。ボクの麗しい格好を見て喜べ」

俺の視線はリムルの顔よりも下を見ていた。そこにあったものはリムルのスーツ姿だがズボンではなくスカートだったのだ。
しかもリムルの胸は大きく膨らんでいる。

「その胸どうしたんだ?変なエロ魔法を覚えたのか?」

「ちがっ……そんなところだ。喜べ。今日のボクは女教師だぞ。今日はボクの言うことをなんでも聞くんだ」

「ほう、じゃあ俺が生徒か。でもなんで女教師なんだ?」

格好いい男を目指しているのに女装、しかも女教師なんて何の心境の変化だ。

「なんでも良いだろ。あっ!ボクの服は絶対に脱がせるな。いいな。絶対だ」

「分かった」

服を着たままは何回もあるが、ミニスカや短パンを履いたことで可愛い系だけじゃなく美人系の格好もしたくなったのか……?

「よし、じゃあ、始めるか」

「何をだ、ですか?」

「決まってるだろ。勉強だ」

リムルは手にしていたカバンから教科書を取り出しテーブルの上に置いた。

「学生は勉強に決まってるだろ。クラウスはいつも赤点だからな。今日はぼく、じゃなかった。えっと私が勉強を教えてやる」

「ノートとペンがないのに勉強できるんですか?」

やりたいことは一つなのは知っているが、とりあえず生徒っぽそうなツッコミをいれてみる。
先をちゃんと考えていなかったみたいであいつの目線がウロウロと左右にうごく。

「そ、そうだ。できる。 私の言うことは全部正しいんだぞ。ちゃんと授業を受ければ成績も上がるし、就職にも有利になる。どうだ、受けてみないか?」

「はい、受けてみたいです。先生」

「うむ。良い返事だ。では始めよう」

リムル先生は椅子に座り、俺に隣に座るように言った。隣に座るといい匂いがする。いつものリムルの香りだ。

「まず、ちょっと待て」

そう言ってまたカバンから本を取り出しページを開いて俺の前に置いた。

「この数式を解くんだ」

リムルの参考書についていた練習問題集だ。リムル先生は俺の前に紙を置き、そこに練習問題を書き写していく。

「先生、分かりません」

「どこがわからないんだ?言ってみろ」

「全部です。俺。赤点なので」

「ばか者!! 問題を解く前から何を言っている。私に恥をかかせないでくれ」

「すいません」

「謝るくらいなら最初から言わないでくれ」

「はい」

って返事はしたが、本当に分からないんだよな。ちゃんと学校に通えた時期に読み書き程度と簡単な計算とか覚えられたが、どんどんと授業どころじゃなくなって兵隊になるための訓練ばっかりで歳ばっか食っちまった。リムルの実家にいた時に執事の爺さんからリムルの世話をするために必要な知識は教えてもらったりもしたが、難しい計算問題はさっぱりだ。

「もういい。仕方ないな。どこが分からない」

「それが全部です」

「それは聞いた。同じ返事を二回してどうするんだ」

「そう言われてもなぁ。こんなに魅力的な先生が目の前にいたら授業なんて集中できないでしょ」

勉強ができない本当の理由を言っても暗くなるだけだから、俺はちょっと欲に忠実になってスカートの上から細い太ももを撫でる。

「ひゃっ!」

リムルがびっくりして声をあげた。

「いきなり触るな」

「だって、俺、勉強できない悪い子だし」

「そういう意味じゃない。こんなところで……んっ……」

撫で回すとどんどんと甘い声を上げ、俺の手を掴んでくるが俺は構わず続ける。
体が跳ねると胸もぷるぷると揺れる。魔法で作った胸ってこんなにリアルなのか。
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