上 下
5 / 5

5(ゼオ視点)

しおりを挟む
魔帝様は口では認めてくださらないが、私はハーレムの第一夫人になった。

魔帝様の生活サイクルは把握しているので欲求不満な様子があれば、私が彼をリードしこの腕の中で眠るまで抱いている。
魔帝様は「男同士だぞ。淫魔を呼んでハーレムは取り消す」とおっしゃるが、口ばかりだ。魔帝様は過去に地位を奪われ、友だった者達すら離れてしまったこともあり、試し行為をして私の気持ちを計っている。
暴れる時もあるので少々強引だが、彼を拘束しながら愛撫をする。

「やめろっ。いくら愛を囁いても、同意なきこれは犯罪だ!」

「魔帝様は拘束がお好きでしょう?こうやって興奮されている」

スラックスを盛り上げて主張している魔帝様に優しく触ると彼の体が跳ねる。

「ひうんっ。それはやめろっ。気持ちいいから止めろ」

「この頃、魔帝様が素直に喜んでくださることが嬉しいです。もっと気持ちよくなりましょう」

布越しにも分かる熱にうっとりしてしまう。こうして魔帝様を優しく撫でるだけで、私が達してしまいそうだ。

「なんでだ!!なんで止めない!嫌だ、気持ちよくないと言ったら『気持ちよくなるまでやりましょう』と責めるからっ、逆にしたのにっ!」

「ふふふ、貴方のお考えなどお見通しですよ。嫌も気持ちよくないも私を煽って誘っていることくらい分かります。そんなことを言わずとも『気持ちが良い』と言ってくだされば幾らでもいたしますよ」

魔帝様だけに私は笑顔を見せる。するとマティ様は子どものように顔を振った。

「違うっ。違うぞ。止めろは止めろでしかない」

「また私の気持ちを量っているのですね。分かりますよ。今日はこのまま拘束プレイをしましょう」

魔帝様のスラックスを膝まで降ろす。今日は情熱的な赤のトランクスだった。今も布を押し上げている魔帝様をトランクスごと口に含むと布のしょっぱい味が口の中に広がる。

「うわああっ!変態!変態!」

魔帝様の罵倒すら心地よく感じてしまう。私を怒らせて「愛を分からせてあげましょう」と早く挿入されたいのが丸わかりだ。

「ぷはっ」

魔帝様の匂いを吸ったパンツをペニスごと口にするのは素敵なことでしたが、一度口を離した。

「魔帝様。私を怒らせて『分からせエッチ』をしたいのでしょうが、それは今度ですよ。今日はこちょこちょ快感セックスというのをしてみましょう」

「なっ?は?なに?こちょ?」

「少しお待ち下さい」

私は持ってきたカバンから筆を取り出した。新品の筆はのりで固めてあるので、あらかじめ水につけて解し乾かしてある。

「魔帝様。こちょこちょとくすぐるのも快感になるそうですよ」

魔帝様に近づくにつれ魔帝様の目が筆に釘付けになっている。

「ま、待て、ゼオ。話し合おう。今日は普通のせ、セック…‥をしよう。そういう気分だ」

「ふふふ、魔帝様。声が上擦ってますよ。期待されているのですね」

「のおおおお!!!なぜだああああああ!!!」


横たわったまま叫ぶ魔帝様の隣に座り、シャツの前をはだけさせる。私が育てた乳首がピンと立っている。だけど私はまずふっくらとした乳輪を筆先で円をかくように撫でた。


「んあ♡やめろ。くすぐったいではないか」

「筆でコチョコチョとくすぐっているのですから、当然ではないですか」


もう一方の乳首も筆で撫でる。

「んああ♡やめろと言っている。ゼオ、こんなことしてなにが楽しい」

「くすぐったさに顔を歪めるそのお顔を見ること自体が新鮮で嬉しいのです」

「変態!ドS!」

「乳輪はいまいちな反応ですね。くすぐったい場所の代表といえば腋や足裏ですね」

筆を滑らせ、腋や脇腹を撫でれば魔帝様は身をよじりながら笑い声を上げた。

「ひいぃ、バカ!ひひっ!くすぐったいぞ!」

「このくすぐったさが快感になるそうです」

それから一時間、じっくりと筆で撫で回すと魔帝様は笑い声をあげて身をよじる。そのうちに涙を流し、息も絶え絶えになっていく。

「ゆ゛る゛じでっ!ぐい゛い゛ー!わ゛る゛がっだ!!ずな゛お゛に゛な゛る゛がら゛」

「はー♡はー♡魔帝様の泣き顔でこんなに興奮するとは思いませんでした♡」

「ふでや゛め゛で!ぢんぢんのほうがい゛いっ!ぢんぢんして」

泣きながらのおねだりに、最大だと思った興奮がさらに興奮する。ペニスも脈打ち、これ以上ないほど固くなった。
私は魔帝様をうつ伏せにして、窄みに口づけをした。舌でたっぷりと唾液を塗りこむ。

「んひゃああっ♡」

まな板に置かれた魚のように跳ねる魔帝様。足首を縛っているが、膝は固定していないので蹴られないよう足を抑えた。

「次はここも筆で愛撫しますからね。今日はもう限界なので……」

語るのももどかしく、私は熱り立った自分を魔帝様の中に沈めた。

「あああああー♡♡」

「はぁ……はぁ……」

最初から欲のままに腰を動かす。私の先走りと唾液のおかげで、ぐちゅぐちゅと卑猥な音がした。

「マティさま、マティさま、マティさま」

腰を打ち付けながら愛しい方の名を呼ぶ。魔帝様は言葉にならない喘ぎ声を上げ続けている。
肉のぶつかり合う音を数え切れないくらい立て、やがて魔帝様の中に私の愛をたっぷりと注いだ。

「マティ様、いつか私の名を呼びながら愛していると言ってくださいね」

表に向けたマティ様は気を失っている。それでも私は本心を言える。無意識にも意識にも私を刻み、私の愛を常に感じて欲しいからだ。
魔帝様を拘束していた紐を切る。これから湯をわかし、湯にくぐらせた濡れタオルでお互いの体液で濡れた愛しいお方の体を清めるのも私の幸せだ。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

AV男優の生活 (完結)

まこ
BL
AV男優として活躍する4人の話(メインは2人) ※全ての話に裏描写があります。冒頭にざっくりとしたプレイ内容を記載しているので読めるものだけ読んでもらえれば幸いです。 含まれるプレイ内容 拘束/くすぐり/羞恥/焦らし/寸止/玩具/脳イキ/オナニー/3P/SMプレイ/鞭/首絞/小スカ/言葉責/射精管理/リバetc. ※完結にしていますが、書きたくなったら突然番外編を書く可能性があります。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

普通のRPGだと思ったらなんか違うんだが!?

黒弧 追兎
BL
自分が入り込んで遊ぶタイプのゲームを買って早速やってみたら地獄なんですが!? 「ちょっ!いひひひっ!にゃめぇ!ハハハっ!」 「申し訳ありません!!ただいま怜様の防具はバグで効果は出ていなく……。」 「いいかりゃっ!ひひひひっ!コイツ止めてぇへへへっ!」 「申し訳ありません!私はモンスターを攻撃、触る事すらも……。」 攻撃が全部くすぐりなんて聞いてないんだけど!?誰か助けてっ!!

【完結】撮影

まこ
BL
AV男優・真白くんの撮影風景。共演する相手はみんなドS。 ※全ての話に裏描写があります。冒頭にざっくりとしたプレイ内容を記載しているので読めるものだけ読んでもらえれば幸いです。 含まれるプレイ内容 AV男優/撮影/拘束/くすぐり/耳責/羞恥/フェラ/寸止/焦らし/玩具/連続絶頂/前立腺責/声我慢/鼠蹊部責/目隠/3P/二輪挿/強気受etc. ※完結にしていますが、書きたくなったら突然番外編を書く可能性があります。

嫌がらせされているバスケ部青年がお漏らししちゃう話

こじらせた処女
BL
バスケ部に入部した嶋朝陽は、入部早々嫌がらせを受けていた。無視を決め込むも、どんどんそれは過激なものになり、彼の心は疲弊していった。 ある日、トイレで主犯格と思しき人と鉢合わせてしまう。精神的に参っていた朝陽はやめてくれと言うが、証拠がないのに一方的に犯人扱いされた、とさらに目をつけられてしまい、トイレを済ませることができないまま外周が始まってしまい…?

検品作業はしっかりと

まこ
BL
アダルトグッズを製造する会社に勤める未南と篠田。検品作業と称して、篠田が未南をめちゃくちゃにいじめる話。 ※全ての話に裏描写があります。冒頭にざっくりとしたプレイ内容を記載しているので読めるものだけ読んでもらえれば幸いです。 含まれるプレイ内容 拘束/くすぐり/機械姦/玩具/連続絶頂/焦らし/放置/強気受けetc. ※別シリーズ・リクエスト作品etc.のSpecial②CROSS OVERにて、訓練・任務シリーズと世界線が交わりました。篠田×未南の番外編は今後「リクエスト作品」の「リクエスト(訓練編)」にて投稿します。

珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話

ききふわいん
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。 立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。

処理中です...