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結婚してもイチャイチャ編
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オレとティオは新婚。だから二人で旅行でも行こうっていう話で盛り上がっていた新婚夫夫を邪魔する原因は一つ。王命というやつで狩猟祭りイベントにティオが出なきゃいけないからだ。本番は先なんだけど王様やすごい貴族が参加するから本番までに危ない場所や狙われそうなスポットとかチェックするためにティオや護衛達が集まって現場会議をするんだ。
じゃあ新婚旅行は今度になったけども新婚イベントはまだまだある!そして新婚といえば愛妻弁当!仕事に行くティオのために弁当を作らなきゃってなった。
本当なら結婚前から作るべきだったんだろうけども元の世界にいたときは作ってもらうんだと思ってたもんだし、ティオがマメに食事に連れていってくれるから弁当の存在自体を忘れていた。
だから、今日が初めて愛妻、じゃなかった愛夫弁当を渡す日だ。
「じゃあ、行ってきます♡」
「うん、いってらっしゃい」
チュッと軽くキスして見送るティオの寂しそうな笑顔は可愛すぎる。眉尻がちょっと下がって格好いい顔が少し幼くなってる感じが凄い良い! ずっと見ていたいけどオレは手にしてた弁当箱をティオに差し出した。
「これ、お弁当。凝ったものはできなかったけど味は大丈夫だと思う。食べてくれよ」
「お弁当?」
ティオが不思議そうな顔をした。あれ、ティオのことだからすごく感動してくれると思ったのに……。
「ああ、オレが元いた世界では嫁さんが旦那にお弁当を作る習慣があったんだよ。新婚だけど仕事のときは流石に一緒にいけないからさ。せめてオレが作った弁当を食べて仕事を乗り切って欲しくてさ」
「ギスケの世界の風習。弁当というものを食べる。つまりこれはギスケの手作り携帯食!何日くらい持つんですか?食べるのがもったいないのでずっと手元に置いておきたいんですが」
ティオが目を輝かせてお弁当箱を見つめている。見つめているというか凝視だ。いや、それより昼には食べて欲しい。傷んだら困るから。
「ほんとうに普通のサンドイッチだよ。具は色々入れたけど野菜とハムチーズがメインのやつ。そんなすごいものじゃないからさ。気負わずに食べてくれよ」
「ギスケが心を込めて作ってくれたものです。しっかりと感謝の気持ちを抱いていただきます。そしてギスケの世界の文化、お弁当、覚えましたよ。夫が私に特別なものを作ってくれたと皆に自慢しますね」
「店の方が美味しいし、自慢しなくていいよ。それにティオのためだけど弁当を作るのは当たり前だろ?」
「ギスケ……♡あなたにとって当たり前かもしれませんが私はお弁当が初めてですよ。ああ、このままずっとギスケといたいのですが仕事に行かないと。ああ、やっぱり王を」
それ以上の発言は反逆罪になるから慌ててティオに抱き着いてキスして口を塞いだ。オレだってティオと一緒にいたいし、こんなんじゃ足りないけど今は我慢だ。早く行ってもらわないとティオが遅刻してしまう。
「ほら、もう時間が無いから。帰ってきたらさ、他にもオレの元の世界の文化を紹介するから楽しみにしててくれよ」
「はい♡できるだけ早く帰ってきますからね」
名残惜しそうにしてるティオの背中を押して玄関から送り出して鍵をかけた。ふぅ、なんとか無事に渡せた。ちゃんと昼に弁当を食べてくれたらいいんだけど、ティオって「もったいなくて食べれないので保存の魔法をかけました!」とか言って持って帰りそうなんだよな。保存の魔法があるのかは知らないけども。
*******
夕食の準備はできてる。風呂もばっちり。そして新婚の定番、白いエプロン。朝はティオにオレの世界の新婚生活を教えるぜ!って言ったけどいざコレを身に着けて料理するとなると恥ずかしいな。
「ただいま帰りましたー。ああ、良い匂いですね」
ティオが帰ってくるなり玄関でお迎えしたオレに抱き着いた。
「おかえり。ティオ、あのさ……」
いざ、あのセリフを言うとなると恥ずかしい。恥ずかしいしド定番すぎて笑われたらどうしようとか思うけども白いエプロンもつけてるしここは勇気を出して言うしかない。
「ご飯にする?それとも先にお風呂入る?それともオ・レ?」
自分で言いながら顔から火が出るほど熱くなった。こんなの異世界の古いノリだしコッチのやつは知らないよな。ティオの反応が怖くて彼の表情を見ることができなかったけども……。
「ギスケ、もちろん一番は貴方です♡」
「へっ!?」
まさかの答えに驚いてティオの顔を見ると頬を赤らめながらも嬉しそうな顔をしていた。
「今日、一緒になった仲間が教えてくれたんです。新婚なら言われるかもなって。異世界人の新婚のお決まりの台詞で、新婚限定の最大の愛情表現だから言われたらそう返すと相手は嬉しいって聞いたんですけど。間違っていましたか?」
「ううん、合ってる。オレもティオを愛してるよ。だから、さ。その、えーと、とりあえずご飯とお風呂は後回しで」
予想外ってほどじゃないけどもまさかの真剣な返しに照れてしまった。エプロンがあっても分かるくらい興奮しているオレはティオの手を引いて寝室へと向かった。
「ギスケ、こういうときは台所やリビングなんでしょ?」
「ん?あ、やっぱりお腹すいてる、よな。疲れもあるし。やっぱり飯と風呂を先に」
「え?白いエプロンを着ているときは台所で新婚の営みをするんですよね?異世界ではそれが普通だと……」
どうやらティオの仲間がふざけてなのか、からかってか変なことを吹き込んだらしい。いやまぁオレも新婚だしせっかくだから裸エプロンとか考えたさ。恥ずかしくて服を着てるけども。
「ごめんなさい、間違えていましたか?ギスケに教えてもらうはずだったのに、向こうが勝手に言ってくるものですし周りに他の仲間もいて無視するわけにもいかなかったので……」
「いや、いいんだ。間違いじゃない。むしろ正解がないっていうか……」
申し訳なさそうな顔をしているティオに「大丈夫、気にしないで」と言って抱きしめた。
台所でのエッチかー。初めてだけどやっぱ憧れはあるよな。シチュエーションとしては悪くないけどもそうなるとやっぱり裸エプロンだよな……。
「まずさ、ご飯と風呂を済まそう。その後で、そしたらゆっくりできるだろ?それに、まだオレの方が実は完璧じゃないんだ」
「どう見てもギスケは完璧に見えますが、そう言うのでしたらギスケのことを待ちますから。先にご飯とお風呂にしましょう。」
ちらりと見られた下半身。ズボンもエプロンも抑えきれないソコを見られると恥ずかしいけど嬉しい。飯の後、先にティオには風呂を済ませてもらい俺が風呂に入っている間、リビングで待ってもらう。風呂上がりの俺は新婚の定番「裸エプロン」を装着した。
じゃあ新婚旅行は今度になったけども新婚イベントはまだまだある!そして新婚といえば愛妻弁当!仕事に行くティオのために弁当を作らなきゃってなった。
本当なら結婚前から作るべきだったんだろうけども元の世界にいたときは作ってもらうんだと思ってたもんだし、ティオがマメに食事に連れていってくれるから弁当の存在自体を忘れていた。
だから、今日が初めて愛妻、じゃなかった愛夫弁当を渡す日だ。
「じゃあ、行ってきます♡」
「うん、いってらっしゃい」
チュッと軽くキスして見送るティオの寂しそうな笑顔は可愛すぎる。眉尻がちょっと下がって格好いい顔が少し幼くなってる感じが凄い良い! ずっと見ていたいけどオレは手にしてた弁当箱をティオに差し出した。
「これ、お弁当。凝ったものはできなかったけど味は大丈夫だと思う。食べてくれよ」
「お弁当?」
ティオが不思議そうな顔をした。あれ、ティオのことだからすごく感動してくれると思ったのに……。
「ああ、オレが元いた世界では嫁さんが旦那にお弁当を作る習慣があったんだよ。新婚だけど仕事のときは流石に一緒にいけないからさ。せめてオレが作った弁当を食べて仕事を乗り切って欲しくてさ」
「ギスケの世界の風習。弁当というものを食べる。つまりこれはギスケの手作り携帯食!何日くらい持つんですか?食べるのがもったいないのでずっと手元に置いておきたいんですが」
ティオが目を輝かせてお弁当箱を見つめている。見つめているというか凝視だ。いや、それより昼には食べて欲しい。傷んだら困るから。
「ほんとうに普通のサンドイッチだよ。具は色々入れたけど野菜とハムチーズがメインのやつ。そんなすごいものじゃないからさ。気負わずに食べてくれよ」
「ギスケが心を込めて作ってくれたものです。しっかりと感謝の気持ちを抱いていただきます。そしてギスケの世界の文化、お弁当、覚えましたよ。夫が私に特別なものを作ってくれたと皆に自慢しますね」
「店の方が美味しいし、自慢しなくていいよ。それにティオのためだけど弁当を作るのは当たり前だろ?」
「ギスケ……♡あなたにとって当たり前かもしれませんが私はお弁当が初めてですよ。ああ、このままずっとギスケといたいのですが仕事に行かないと。ああ、やっぱり王を」
それ以上の発言は反逆罪になるから慌ててティオに抱き着いてキスして口を塞いだ。オレだってティオと一緒にいたいし、こんなんじゃ足りないけど今は我慢だ。早く行ってもらわないとティオが遅刻してしまう。
「ほら、もう時間が無いから。帰ってきたらさ、他にもオレの元の世界の文化を紹介するから楽しみにしててくれよ」
「はい♡できるだけ早く帰ってきますからね」
名残惜しそうにしてるティオの背中を押して玄関から送り出して鍵をかけた。ふぅ、なんとか無事に渡せた。ちゃんと昼に弁当を食べてくれたらいいんだけど、ティオって「もったいなくて食べれないので保存の魔法をかけました!」とか言って持って帰りそうなんだよな。保存の魔法があるのかは知らないけども。
*******
夕食の準備はできてる。風呂もばっちり。そして新婚の定番、白いエプロン。朝はティオにオレの世界の新婚生活を教えるぜ!って言ったけどいざコレを身に着けて料理するとなると恥ずかしいな。
「ただいま帰りましたー。ああ、良い匂いですね」
ティオが帰ってくるなり玄関でお迎えしたオレに抱き着いた。
「おかえり。ティオ、あのさ……」
いざ、あのセリフを言うとなると恥ずかしい。恥ずかしいしド定番すぎて笑われたらどうしようとか思うけども白いエプロンもつけてるしここは勇気を出して言うしかない。
「ご飯にする?それとも先にお風呂入る?それともオ・レ?」
自分で言いながら顔から火が出るほど熱くなった。こんなの異世界の古いノリだしコッチのやつは知らないよな。ティオの反応が怖くて彼の表情を見ることができなかったけども……。
「ギスケ、もちろん一番は貴方です♡」
「へっ!?」
まさかの答えに驚いてティオの顔を見ると頬を赤らめながらも嬉しそうな顔をしていた。
「今日、一緒になった仲間が教えてくれたんです。新婚なら言われるかもなって。異世界人の新婚のお決まりの台詞で、新婚限定の最大の愛情表現だから言われたらそう返すと相手は嬉しいって聞いたんですけど。間違っていましたか?」
「ううん、合ってる。オレもティオを愛してるよ。だから、さ。その、えーと、とりあえずご飯とお風呂は後回しで」
予想外ってほどじゃないけどもまさかの真剣な返しに照れてしまった。エプロンがあっても分かるくらい興奮しているオレはティオの手を引いて寝室へと向かった。
「ギスケ、こういうときは台所やリビングなんでしょ?」
「ん?あ、やっぱりお腹すいてる、よな。疲れもあるし。やっぱり飯と風呂を先に」
「え?白いエプロンを着ているときは台所で新婚の営みをするんですよね?異世界ではそれが普通だと……」
どうやらティオの仲間がふざけてなのか、からかってか変なことを吹き込んだらしい。いやまぁオレも新婚だしせっかくだから裸エプロンとか考えたさ。恥ずかしくて服を着てるけども。
「ごめんなさい、間違えていましたか?ギスケに教えてもらうはずだったのに、向こうが勝手に言ってくるものですし周りに他の仲間もいて無視するわけにもいかなかったので……」
「いや、いいんだ。間違いじゃない。むしろ正解がないっていうか……」
申し訳なさそうな顔をしているティオに「大丈夫、気にしないで」と言って抱きしめた。
台所でのエッチかー。初めてだけどやっぱ憧れはあるよな。シチュエーションとしては悪くないけどもそうなるとやっぱり裸エプロンだよな……。
「まずさ、ご飯と風呂を済まそう。その後で、そしたらゆっくりできるだろ?それに、まだオレの方が実は完璧じゃないんだ」
「どう見てもギスケは完璧に見えますが、そう言うのでしたらギスケのことを待ちますから。先にご飯とお風呂にしましょう。」
ちらりと見られた下半身。ズボンもエプロンも抑えきれないソコを見られると恥ずかしいけど嬉しい。飯の後、先にティオには風呂を済ませてもらい俺が風呂に入っている間、リビングで待ってもらう。風呂上がりの俺は新婚の定番「裸エプロン」を装着した。
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