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ダークサイド 第4話 「二人の侍女」
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「なっ! 本気なの、クレア!?」
「ええ、本気よ。ジュダ殿にはロゼッタ領騎士団長ならびに宰相の任を命じるわ」
昨日と変わらない領主の部屋では、昨日とは全く異なる領主が居た。
騎士団長と宰相を兼任するという事は、すなわちこの領土を支配するという事と同義だ。
現宰相はクレアの叔父に当たる人物なのだが、それを解雇してまでジュダという男を宰相の任に命じる、というのだ。
「そんなっ……それでは理由なく解雇された者に不満が出ます!」
「領主の命に背くようならば、処分すればいいでしょう」
明らかに態度の異なるクレアに、エリィは困惑する。
(魔法で思考を操られて? いや、違う……一体?)
「それともエリィ、あなたもわらわに背くとでも言うの?」
「………いいえ。そのようなことはありません」
幼い頃から、ずっと一緒に育ってきた妹のような存在。
自分の命をかけても守ると誓った存在が急変した事に、エリィの胸中に後悔が渦巻く。
「クレア様……任命式の準備には少し時間がかかります。
急がせますが、式は明日ということでよろしいでしょうか?」
「……ふん。まぁ、いいわ」
実は簡略的なものであれば、当日でも充分に行える。
だが、エリィはわざと時間をかけることにする。
(やはり、昨日何かあった!……ジュダ!!)
血の気を失った表情を必死に隠しながら、エリィは足早に部屋を出た。
クレアの表向きの立場は、『世話係兼教育係』である。
だが、彼女の役割はそれだけではない。
一見平和に見えるこの領内においても、敵は皆無ではない。
エリィは信用出来る人材を揃えてそれに備えていた。
孤児の中で才能を見出された二人の少女がエリィの補助役である。
表向きは3人のメイドであるが、実際は3人のボディーガードと言ってもよい。
クレアはその二人、シーラとマイに命じた。
『今夜の料理に毒を混ぜ、ジュダを殺せ』と。
「ジュダ様、失礼いたします」
表向きはメイドの姿をした姉のシーラがノックする。
『返事が無い事を確認して』部屋に入る。
「失礼しまぁす」
妹のマイも続いて部屋へと入る。
時間的には毒が回っている頃だ。
ここでジュダの部屋の掃除に来た二人のメイドが毒殺されている彼を見つけ、その騒ぎにエリィがやって来て、宣言するのだ。
「ジュダ殿は、その出世を妬む騎士の一人に毒殺されたのだ」と。
その為の生け贄も用意してある。
また、万が一に毒を回避したとしても、二人の暗殺術からは逃れられない。
その為の訓練もしているのだ。
二人が入って来たというのに、ベッドのジュダは動く気配すらない。
「シー姉、どうやらうまくいったみたいね」
「……気配は感じないわね」
はしゃぐように言うマイに、シーラは注意するよう促した。
はっきりとした死体を確認するまでは安心出来ない。
「けど、すこぉし、勿体ないかなぁ。ジュダ様ってかっこいいし」
「軽口はそこまでにして……ジュダ様? お掃除に参りましたが……」
何も知らないメイドのフリをして、シーラはジュダのベッドへ近づく。
「!?」
ベッドに近づきその影を確認し、シーラは息を飲んだ。
ベッドに横たわっていたのは、毛布の塊だった。
(しまった!)
突然、横のマイがベッドへと倒れ込む。
「っ!!」
シーラが背後を見る前に、一瞬気配が膨れあがり、彼女の身体も妹と同様にベッドへと崩れる。
(………そん…な………気配は……)
途絶える意識の中、ジュダの薄ら笑いが見えた気がした。
「……ん……………」
どれくらい気を失っていたのか、シーラは目を覚ました。
「なっ……!!」
動こうとして、両手が身体の後ろで拘束されている事に気が付く。
さらに彼女は下着姿にされており、見覚えのあるベッドが目に映った。
目の前で優雅にワイングラスを傾ける男の姿も。
「これは一体……何のおつもりなのです!? ジュダ様!」
精一杯、何も知らないメイドを演じる。
だが、その迫真の演技も男には通用しなかった。
「君たちが何をしようとして、これから何をされるかは予想出来るのではないかな?」
「……私たちはただのお世話係でして」
シーラの言葉にジュダはやれやれといった様子で首をすくめる。
「先に言っておくが、舌を噛んで死ぬだなど考えるなよ。
そうなった時に一番疑われるのはエリィだ。……なぁ、マイ?」
「はぁい、ジュダさまぁ」
「!?」
シーラと同じように下着姿のマイは、とろんとした目で答えた。
「くっ………」
シーラは歯ぎしりする。
『魅了』(チャーム)に類するものをかけられたに違いなかった。
「なぜ……」
「毒入りの料理を食べて、平気でいられるか、か?」
ジュダは胸元のネックレスを指で弄(もてあそ)ぶ。
「呪い、毒、病、攻撃魔法に対する耐性を上げるマジックアイテムが有ることは知っているだろう?」
ジュダが優しげにも聞こえる口調で答えた。
「気配が………」
シーラが呻く。
「にわか仕込みの暗殺者(アサシン)と一緒にしてもらっては困る。
これでも戦闘には自信がある。……マイ」
「はぁい」
名前を呼ばれて、マイはグラスのワインを口に含む。
そのままジュダへと口移しでワインを飲ませる。
マイの口内のワインを飲んだ後も、二人の顔は離れずマイの吐息が洩れる音がする。
「やめて! 私の事は好きにして貰って構いません。
ですが、エリィ様と妹には手を出さないで!」
シーラが必死に叫ぶ。
ジュダとマイの顔が離れる。
「勘違いされて貰っては困る。これは彼女の意志なのだから」
「やめて! 嘘つかないで!」
「嘘ではない。なぁ、マイ?」
「はぁい、そうですよぉ。シー姉は勘違いしてるよぉ」
あっけらかんとマイが答える。
「魔法を少しでもかじった者ならば分かるはずだ。
『魅了』のように、彼女の意志を強制的にコントロールしているわけでは無いことが」
「じゃあ、何を!」
シーラは、きっ、とジュダを睨みつける。
「彼女の心の奥底に眠る欲望のほんの少しを表面化しただけだ。女にも性欲はある」
「『魅了』と同じようなものじゃない! 卑怯者!!」
ジュダは、喉の奥で笑う。
「毒殺やら暗殺やらを企てる輩(やから)に卑怯者呼ばわりされるとはな」
「くっ………!」
シーラは悔しさから、唇を強く噛む。
唇から血が流れるくらいに。
「マイ。お前の姉が唇を切ってしまったようだ。傷は舐めると良いというぞ」
「はぁい」
マイが嬉しそうに答えた。
「なっ!……や、やめなさい! 正気に戻りなさい! マイ! ……ん…むうっ!」
マイはシーラの言葉を意に介さないように、シーラの唇に自分の唇を重ねてくる。
妹の舌が、姉の口内に侵入してくる。
「んんっ………むぅ……んん……」
シーラは逃れようとするが、マイはそれを許さない。
唇の傷を舐められ、かすかな痛みが走る。
ジュダの舌ならば噛み切る事も出来るが、今彼女の口をはい回っているのは、妹の舌なのだ。
先ほどマイが口にしたワインの味が、うっすらとシーラの口にも広がる。
「んむっ………はっ…ん………ぷはぁ」
長い接吻が終わり、マイは名残惜しそうにゆるゆると口を離した。
「はぁ、はぁ、……マ、マイっ!!」
息を整える暇すら与えず、マイがシーラの身体に触れる。
「綺麗な身体。シー姉さんの事、ずうっと羨ましく思ってたんだよぉ」
「や、やめなさい!」
熱にうなされたように言うと、マイはシーラの胸に触れる。
形の良い膨らみがマイの手により、その形を変える。
「くっ……いたっ…………ん……!!」
シーラは身をよじって逃げようとするが、マイはそれに覆い被さった。
「シー姉さんの胸、大きくて柔らかい。
男なんかに触らせるのは、もったいないくらいだわぁ」
時に強く、時に優しくうごめくマイの手がシーラを感じさせる。
「くっ……や、やめて! 私たち、姉妹なのよ!」
そう言いながらも、シーラは抵抗できないような疼きを感じさせられていた。
「大丈夫よぉ、血が繋がってるわけじゃないしぃ。シー姉さんの……直に見せてぇ」
「だ、駄目! マイ! 正気に戻って!」
シーラの声が届かないのか、無視しているのか、マイは構わずブラを上にずらす。
「うわぁ……。やっぱり綺麗」
白い乳房が露わになった。
その膨らみの先端の桃色の乳首も。
「くっ………!!」
目の前の妹だけなら、まだ我慢も出来る。
だが、この場にはジュダもいるのだ。
「シー姉さん。だぁい好き」
「や、やめ……てっ…」
胸の先端をマイが舐める。
空いている方は、マイの指が摘み上げ、刺激を与えている。
痛みと暖かさと羞恥……全てが混ざりあって、シーラに欲情が広がる。
このまま状況に流されてしまっても良いか、などと一瞬考え、すぐに否定する。
(駄目! こんな………くっ……)
「あぁ、シー姉の起ってきたぁ。嬉しい」
否定しているのに、彼女の身体は情欲に飲まれていく。
マイは、尖り始めた乳首をさらに強く吸う。
「………ぐっ……ふっ……………ん……」
シーラは耐えようとする。
「どうせ溺れる事になるのだ。何を我慢する必要がある?」
「だ、黙りなさいっ!!」
シーラは、必死に抵抗する。
「くくくっ………マイ、下も触って欲しいそうだ」
「はぁい、ジュダ様ぁ」
マイの手が、シーラの下着にかかる。
「や、やめて! 目を覚まして、マイ!」
必死に抵抗するが、後ろ手に縛られている彼女はもぞもぞと動くことしか出来ない。
「大丈夫よぉ。姉さん」
マイの手が布地の上から触れられ、そして中へと潜り込む。
「やっ………やあああっ!!」
くちゅり、という湿った音が聞こえる。
マイとジュダの笑い声が聞こえ、シーラの顔にさらに赤みが差した。
「良かったぁ。シー姉さんったら嫌がってばっかりだから、本当に嫌なのかと思っちゃったぁ」
マイが意地悪く言う。
「うっ………くっ……」
悔しさからシーラが呻く。
「くくくっ………マイ、続けて欲しいそうだ」
「だ、誰がそんなことっ……んんっ………!!」
マイの手がシーラの恥部をまさぐり、乳首を口に含む。
ぴちゃぴちゃという音が両方から聞こえる。
「あ……はぁ…………んくっ……」
執拗な責めに、シーラの口から喘ぎ声に近いものが洩れ始めた。
その隙に、マイはシーラの最後の下着を脱がせる。
「くっ……くぅ………」
せめてジュダには見られないよう、身体を丸める。
「シー姉さん。あたし、もう我慢出来ないよぉ」
マイも自らの下着を降ろす。
すでに濡れそぼっていたそこは、ショーツとの間に糸を引くほどだった。
「や、いやっ…………はぁ……ん……」
僅かながら抵抗するシーラの両脚を開き、密を生み出す秘所を露わにする。
「シー姉さぁん」
鼻にかかった甘い声とともに、マイが自らの秘所を擦り寄せる。
少し粘り気のある密と密とが混ざり合う音がする。
「ふあっ………くっ……マイ………や、やめ……あっ…く……」
「シー姉さん……いいっ……んっ………はぁ……ああああん…………んっ…」
二人の敏感な部分同士が擦れる。
その都度、甘い喘ぎ声が二人から洩れる。
「ううっ………だ、駄目よっ………ま、マイ………んんっ……くっ……」
「んあっ……うっ…ふっ………くっ……んんっ………ジュ、ジュダ様ぁ」
上に被さるマイが、腰を少し上げ、ジュダの方へ振り向いた。
シーラとマイの腰は繋がり合うように、愛液の糸が伸びている。
ジュダは自分の服を脱ぐと、姉妹の結合部分へと自らの腰を突き入れた。
「ひっ……くっ………や、やだ………やめて……………くあああっ……んんっ……」
「んっ…ジュ、ジュダ様ぁ………か、固くって……あ、熱ぅい……んはっ!」
ジュダの男根を挟み込むようにして、二人が腰を合わせる。
マイが自分の快感を得る為に、より強く腰を下げると、それがシーラの腰へと強く当たる。
「ひああっ……くっ………んんっ………はっ…あっ……あ………あっ…」
「んくっ……いいっ……気持ちいいよぉ…あっ………ああああっ………んんんっ」
シーラが快楽から逃れようとする理性と嫌悪感とで、腰を逃がそうとする。
それが左右へと腰を動かし、逆に快感を生む。
「んんっ…………あっ……熱い……やめっ…くっ………ふあああっ……んんっ」
「ジュダ様のもシー姉のも……あああっ……はっ……ふぅうんっ…………んんっ」
マイがシーラへと口付けする。
ぴちゃぴちゃと音を立て、二人の舌が絡まり合う。
先ほどは拒んだシーラも、マイの舌を受け入れていた。
「ぷはっ……んんっ…あっ……んむっ………はぁあっ………ま、マイ……」
「んんむっ…………はっ……んんっ………ああんっ……シー姉さぁん」
さらにジュダの腰が前後され、新たな熱と密とを生み出す。
「い、いやぁ……だ、だめぇ………え、エリィ様ぁ………お、お許しを………ああっ!!」
「姉さん……ああっん…姉さん………も、もう…マイ……い、イクぅ……!!」
二人の身体がぴん、と伸びる。
「あっ、あああっ!!」
「うくっ………い、あああああっ!」
小刻みに痙攣するような動きの後、二人は達した。
「エリィ殿。昨夜は豪勢なもてなし、感謝いたします」
「……おっしゃる意味がよく分かりませんが、私たち世話係はお世話をするだけです」
その日は、二人の白々しい会話から始まった。
エリィとしてみれば、ジュダの世話係としての二人のメイドが居なくなった事を理由にジュダを更迭したかった。
だが、先手を取られた形となった。
朝一番にクレアがエリィを呼び出し、二人のメイドに休暇を与えたと伝えたのだ。
他ならぬクレアが言うのであれば、従わざるを得ない。
(覚えていなさい。クレアは必ず守るんだから!)
厳かな雰囲気の中、任命式が行われている。
領主クレアに傅(かしづ)く騎士団長ジュダの誕生に、領内は沸き上がっていた。
ただ一人、エリィを除いて……。
To Be Continued・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
姉妹だから「シーラ」と「マイ」………に、人間これくらいが丁度良いんですよ!!
さすが、いきあたりばったり!
前回のあとがきで、「次はエリィさんです」とか宣言しておきながら、メイド二人という有様!!
好き勝手に書いてる割に、無駄な設定が大きくなってきてるし……もう駄目。
パソコンのハードディスクが壊れたし……もう駄目。
仕事が忙しい………かゆ、うま
ではでは!(オチが某ゾンビゲームというのはどうかと思うが、そんな事気にしない顔で)
バイオハザード1……もう20年以上前なんですねぇ
「ええ、本気よ。ジュダ殿にはロゼッタ領騎士団長ならびに宰相の任を命じるわ」
昨日と変わらない領主の部屋では、昨日とは全く異なる領主が居た。
騎士団長と宰相を兼任するという事は、すなわちこの領土を支配するという事と同義だ。
現宰相はクレアの叔父に当たる人物なのだが、それを解雇してまでジュダという男を宰相の任に命じる、というのだ。
「そんなっ……それでは理由なく解雇された者に不満が出ます!」
「領主の命に背くようならば、処分すればいいでしょう」
明らかに態度の異なるクレアに、エリィは困惑する。
(魔法で思考を操られて? いや、違う……一体?)
「それともエリィ、あなたもわらわに背くとでも言うの?」
「………いいえ。そのようなことはありません」
幼い頃から、ずっと一緒に育ってきた妹のような存在。
自分の命をかけても守ると誓った存在が急変した事に、エリィの胸中に後悔が渦巻く。
「クレア様……任命式の準備には少し時間がかかります。
急がせますが、式は明日ということでよろしいでしょうか?」
「……ふん。まぁ、いいわ」
実は簡略的なものであれば、当日でも充分に行える。
だが、エリィはわざと時間をかけることにする。
(やはり、昨日何かあった!……ジュダ!!)
血の気を失った表情を必死に隠しながら、エリィは足早に部屋を出た。
クレアの表向きの立場は、『世話係兼教育係』である。
だが、彼女の役割はそれだけではない。
一見平和に見えるこの領内においても、敵は皆無ではない。
エリィは信用出来る人材を揃えてそれに備えていた。
孤児の中で才能を見出された二人の少女がエリィの補助役である。
表向きは3人のメイドであるが、実際は3人のボディーガードと言ってもよい。
クレアはその二人、シーラとマイに命じた。
『今夜の料理に毒を混ぜ、ジュダを殺せ』と。
「ジュダ様、失礼いたします」
表向きはメイドの姿をした姉のシーラがノックする。
『返事が無い事を確認して』部屋に入る。
「失礼しまぁす」
妹のマイも続いて部屋へと入る。
時間的には毒が回っている頃だ。
ここでジュダの部屋の掃除に来た二人のメイドが毒殺されている彼を見つけ、その騒ぎにエリィがやって来て、宣言するのだ。
「ジュダ殿は、その出世を妬む騎士の一人に毒殺されたのだ」と。
その為の生け贄も用意してある。
また、万が一に毒を回避したとしても、二人の暗殺術からは逃れられない。
その為の訓練もしているのだ。
二人が入って来たというのに、ベッドのジュダは動く気配すらない。
「シー姉、どうやらうまくいったみたいね」
「……気配は感じないわね」
はしゃぐように言うマイに、シーラは注意するよう促した。
はっきりとした死体を確認するまでは安心出来ない。
「けど、すこぉし、勿体ないかなぁ。ジュダ様ってかっこいいし」
「軽口はそこまでにして……ジュダ様? お掃除に参りましたが……」
何も知らないメイドのフリをして、シーラはジュダのベッドへ近づく。
「!?」
ベッドに近づきその影を確認し、シーラは息を飲んだ。
ベッドに横たわっていたのは、毛布の塊だった。
(しまった!)
突然、横のマイがベッドへと倒れ込む。
「っ!!」
シーラが背後を見る前に、一瞬気配が膨れあがり、彼女の身体も妹と同様にベッドへと崩れる。
(………そん…な………気配は……)
途絶える意識の中、ジュダの薄ら笑いが見えた気がした。
「……ん……………」
どれくらい気を失っていたのか、シーラは目を覚ました。
「なっ……!!」
動こうとして、両手が身体の後ろで拘束されている事に気が付く。
さらに彼女は下着姿にされており、見覚えのあるベッドが目に映った。
目の前で優雅にワイングラスを傾ける男の姿も。
「これは一体……何のおつもりなのです!? ジュダ様!」
精一杯、何も知らないメイドを演じる。
だが、その迫真の演技も男には通用しなかった。
「君たちが何をしようとして、これから何をされるかは予想出来るのではないかな?」
「……私たちはただのお世話係でして」
シーラの言葉にジュダはやれやれといった様子で首をすくめる。
「先に言っておくが、舌を噛んで死ぬだなど考えるなよ。
そうなった時に一番疑われるのはエリィだ。……なぁ、マイ?」
「はぁい、ジュダさまぁ」
「!?」
シーラと同じように下着姿のマイは、とろんとした目で答えた。
「くっ………」
シーラは歯ぎしりする。
『魅了』(チャーム)に類するものをかけられたに違いなかった。
「なぜ……」
「毒入りの料理を食べて、平気でいられるか、か?」
ジュダは胸元のネックレスを指で弄(もてあそ)ぶ。
「呪い、毒、病、攻撃魔法に対する耐性を上げるマジックアイテムが有ることは知っているだろう?」
ジュダが優しげにも聞こえる口調で答えた。
「気配が………」
シーラが呻く。
「にわか仕込みの暗殺者(アサシン)と一緒にしてもらっては困る。
これでも戦闘には自信がある。……マイ」
「はぁい」
名前を呼ばれて、マイはグラスのワインを口に含む。
そのままジュダへと口移しでワインを飲ませる。
マイの口内のワインを飲んだ後も、二人の顔は離れずマイの吐息が洩れる音がする。
「やめて! 私の事は好きにして貰って構いません。
ですが、エリィ様と妹には手を出さないで!」
シーラが必死に叫ぶ。
ジュダとマイの顔が離れる。
「勘違いされて貰っては困る。これは彼女の意志なのだから」
「やめて! 嘘つかないで!」
「嘘ではない。なぁ、マイ?」
「はぁい、そうですよぉ。シー姉は勘違いしてるよぉ」
あっけらかんとマイが答える。
「魔法を少しでもかじった者ならば分かるはずだ。
『魅了』のように、彼女の意志を強制的にコントロールしているわけでは無いことが」
「じゃあ、何を!」
シーラは、きっ、とジュダを睨みつける。
「彼女の心の奥底に眠る欲望のほんの少しを表面化しただけだ。女にも性欲はある」
「『魅了』と同じようなものじゃない! 卑怯者!!」
ジュダは、喉の奥で笑う。
「毒殺やら暗殺やらを企てる輩(やから)に卑怯者呼ばわりされるとはな」
「くっ………!」
シーラは悔しさから、唇を強く噛む。
唇から血が流れるくらいに。
「マイ。お前の姉が唇を切ってしまったようだ。傷は舐めると良いというぞ」
「はぁい」
マイが嬉しそうに答えた。
「なっ!……や、やめなさい! 正気に戻りなさい! マイ! ……ん…むうっ!」
マイはシーラの言葉を意に介さないように、シーラの唇に自分の唇を重ねてくる。
妹の舌が、姉の口内に侵入してくる。
「んんっ………むぅ……んん……」
シーラは逃れようとするが、マイはそれを許さない。
唇の傷を舐められ、かすかな痛みが走る。
ジュダの舌ならば噛み切る事も出来るが、今彼女の口をはい回っているのは、妹の舌なのだ。
先ほどマイが口にしたワインの味が、うっすらとシーラの口にも広がる。
「んむっ………はっ…ん………ぷはぁ」
長い接吻が終わり、マイは名残惜しそうにゆるゆると口を離した。
「はぁ、はぁ、……マ、マイっ!!」
息を整える暇すら与えず、マイがシーラの身体に触れる。
「綺麗な身体。シー姉さんの事、ずうっと羨ましく思ってたんだよぉ」
「や、やめなさい!」
熱にうなされたように言うと、マイはシーラの胸に触れる。
形の良い膨らみがマイの手により、その形を変える。
「くっ……いたっ…………ん……!!」
シーラは身をよじって逃げようとするが、マイはそれに覆い被さった。
「シー姉さんの胸、大きくて柔らかい。
男なんかに触らせるのは、もったいないくらいだわぁ」
時に強く、時に優しくうごめくマイの手がシーラを感じさせる。
「くっ……や、やめて! 私たち、姉妹なのよ!」
そう言いながらも、シーラは抵抗できないような疼きを感じさせられていた。
「大丈夫よぉ、血が繋がってるわけじゃないしぃ。シー姉さんの……直に見せてぇ」
「だ、駄目! マイ! 正気に戻って!」
シーラの声が届かないのか、無視しているのか、マイは構わずブラを上にずらす。
「うわぁ……。やっぱり綺麗」
白い乳房が露わになった。
その膨らみの先端の桃色の乳首も。
「くっ………!!」
目の前の妹だけなら、まだ我慢も出来る。
だが、この場にはジュダもいるのだ。
「シー姉さん。だぁい好き」
「や、やめ……てっ…」
胸の先端をマイが舐める。
空いている方は、マイの指が摘み上げ、刺激を与えている。
痛みと暖かさと羞恥……全てが混ざりあって、シーラに欲情が広がる。
このまま状況に流されてしまっても良いか、などと一瞬考え、すぐに否定する。
(駄目! こんな………くっ……)
「あぁ、シー姉の起ってきたぁ。嬉しい」
否定しているのに、彼女の身体は情欲に飲まれていく。
マイは、尖り始めた乳首をさらに強く吸う。
「………ぐっ……ふっ……………ん……」
シーラは耐えようとする。
「どうせ溺れる事になるのだ。何を我慢する必要がある?」
「だ、黙りなさいっ!!」
シーラは、必死に抵抗する。
「くくくっ………マイ、下も触って欲しいそうだ」
「はぁい、ジュダ様ぁ」
マイの手が、シーラの下着にかかる。
「や、やめて! 目を覚まして、マイ!」
必死に抵抗するが、後ろ手に縛られている彼女はもぞもぞと動くことしか出来ない。
「大丈夫よぉ。姉さん」
マイの手が布地の上から触れられ、そして中へと潜り込む。
「やっ………やあああっ!!」
くちゅり、という湿った音が聞こえる。
マイとジュダの笑い声が聞こえ、シーラの顔にさらに赤みが差した。
「良かったぁ。シー姉さんったら嫌がってばっかりだから、本当に嫌なのかと思っちゃったぁ」
マイが意地悪く言う。
「うっ………くっ……」
悔しさからシーラが呻く。
「くくくっ………マイ、続けて欲しいそうだ」
「だ、誰がそんなことっ……んんっ………!!」
マイの手がシーラの恥部をまさぐり、乳首を口に含む。
ぴちゃぴちゃという音が両方から聞こえる。
「あ……はぁ…………んくっ……」
執拗な責めに、シーラの口から喘ぎ声に近いものが洩れ始めた。
その隙に、マイはシーラの最後の下着を脱がせる。
「くっ……くぅ………」
せめてジュダには見られないよう、身体を丸める。
「シー姉さん。あたし、もう我慢出来ないよぉ」
マイも自らの下着を降ろす。
すでに濡れそぼっていたそこは、ショーツとの間に糸を引くほどだった。
「や、いやっ…………はぁ……ん……」
僅かながら抵抗するシーラの両脚を開き、密を生み出す秘所を露わにする。
「シー姉さぁん」
鼻にかかった甘い声とともに、マイが自らの秘所を擦り寄せる。
少し粘り気のある密と密とが混ざり合う音がする。
「ふあっ………くっ……マイ………や、やめ……あっ…く……」
「シー姉さん……いいっ……んっ………はぁ……ああああん…………んっ…」
二人の敏感な部分同士が擦れる。
その都度、甘い喘ぎ声が二人から洩れる。
「ううっ………だ、駄目よっ………ま、マイ………んんっ……くっ……」
「んあっ……うっ…ふっ………くっ……んんっ………ジュ、ジュダ様ぁ」
上に被さるマイが、腰を少し上げ、ジュダの方へ振り向いた。
シーラとマイの腰は繋がり合うように、愛液の糸が伸びている。
ジュダは自分の服を脱ぐと、姉妹の結合部分へと自らの腰を突き入れた。
「ひっ……くっ………や、やだ………やめて……………くあああっ……んんっ……」
「んっ…ジュ、ジュダ様ぁ………か、固くって……あ、熱ぅい……んはっ!」
ジュダの男根を挟み込むようにして、二人が腰を合わせる。
マイが自分の快感を得る為に、より強く腰を下げると、それがシーラの腰へと強く当たる。
「ひああっ……くっ………んんっ………はっ…あっ……あ………あっ…」
「んくっ……いいっ……気持ちいいよぉ…あっ………ああああっ………んんんっ」
シーラが快楽から逃れようとする理性と嫌悪感とで、腰を逃がそうとする。
それが左右へと腰を動かし、逆に快感を生む。
「んんっ…………あっ……熱い……やめっ…くっ………ふあああっ……んんっ」
「ジュダ様のもシー姉のも……あああっ……はっ……ふぅうんっ…………んんっ」
マイがシーラへと口付けする。
ぴちゃぴちゃと音を立て、二人の舌が絡まり合う。
先ほどは拒んだシーラも、マイの舌を受け入れていた。
「ぷはっ……んんっ…あっ……んむっ………はぁあっ………ま、マイ……」
「んんむっ…………はっ……んんっ………ああんっ……シー姉さぁん」
さらにジュダの腰が前後され、新たな熱と密とを生み出す。
「い、いやぁ……だ、だめぇ………え、エリィ様ぁ………お、お許しを………ああっ!!」
「姉さん……ああっん…姉さん………も、もう…マイ……い、イクぅ……!!」
二人の身体がぴん、と伸びる。
「あっ、あああっ!!」
「うくっ………い、あああああっ!」
小刻みに痙攣するような動きの後、二人は達した。
「エリィ殿。昨夜は豪勢なもてなし、感謝いたします」
「……おっしゃる意味がよく分かりませんが、私たち世話係はお世話をするだけです」
その日は、二人の白々しい会話から始まった。
エリィとしてみれば、ジュダの世話係としての二人のメイドが居なくなった事を理由にジュダを更迭したかった。
だが、先手を取られた形となった。
朝一番にクレアがエリィを呼び出し、二人のメイドに休暇を与えたと伝えたのだ。
他ならぬクレアが言うのであれば、従わざるを得ない。
(覚えていなさい。クレアは必ず守るんだから!)
厳かな雰囲気の中、任命式が行われている。
領主クレアに傅(かしづ)く騎士団長ジュダの誕生に、領内は沸き上がっていた。
ただ一人、エリィを除いて……。
To Be Continued・・・
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あとがき
姉妹だから「シーラ」と「マイ」………に、人間これくらいが丁度良いんですよ!!
さすが、いきあたりばったり!
前回のあとがきで、「次はエリィさんです」とか宣言しておきながら、メイド二人という有様!!
好き勝手に書いてる割に、無駄な設定が大きくなってきてるし……もう駄目。
パソコンのハードディスクが壊れたし……もう駄目。
仕事が忙しい………かゆ、うま
ではでは!(オチが某ゾンビゲームというのはどうかと思うが、そんな事気にしない顔で)
バイオハザード1……もう20年以上前なんですねぇ
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