ダークサイド

タカヤス

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ダークサイド 第2話 「村娘レティシア」

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洞窟を抜けると、外は夜の闇に包まれていた。
辺りには深い森と山が広がる。

ここは?
私は一体、何なのだ?

記憶が薄くぼやける。
はっきりとした事は思い出せない。
「……………」
しかし、男に悲観するような素振りは無い。
たった一つだけだが、やらなければならない事を認識しているからだ。

『力を取り戻し、人間に裁きを下す』

彼の脳裏には、その言葉だけが強く繰り返される。
「…それで充分か」
口の端を吊り上げ、笑みを作る。
男は久方の夜気を愉しみながら、山を下り始めた。





焚火を囲み、村から略奪したばかりの食糧と酒を楽しむ。
「ガッハハハハ! 平和な世ってのはいいもんだな。仕事がやりやすいぜ」
伸び放題の無精ひげに、左頬に大きな刀傷。
一目見て『山賊』と分かるような外見は、意図的にそう見せている部分がある。
荒事が苦手な善良な村人たちに、彼らの目的を説明する手間が省けるからだ。
「油断すんじゃねえぞ。あんまり派手にやり過ぎると、正規兵が動きだす」
「わかってる、わかってるって。領主に被害届を出すか出さないかくらいのギリギリで済ませてるさ」
山賊たちは、げらげらと笑う。
「今回は、豪華なおまけも手に入れたし、ラッキーだな」
そう言う山賊の視線の先には、気を失っている若い女性がいる。
質素だが、丁寧に作られた典型的な村娘の服装は彼女にぴったりと合っていた。
長めのスカートの裾から覗く足は白い。
長めの髪は彼女をふわりと包むように広がっている。
全体的に肉付きは無いが、山賊が強奪するだけの器量はあった。
「あぁ、早くやりてえな」
「お前たちは、俺が味わった後だぞ」
「お頭、手加減してくんねぇと壊れちまったら楽しめねぇっすよ……あん?」
山賊たちが口々に騒ぐ中、場違いな影が現れた。

場違い、と表現したのにはいくつか理由がある。
山賊たちが一番警戒している討伐の兵士たちと考えるには、人影は一つだけである(伏兵として隠れている可能性はあるが)こと。
村の依頼を受けた兵士や傭兵の類でないとすれば旅人だが、夜の山間を好んで移動するのには違和感を覚える。
「おい、あんた旅人かい? その割にゃあ、ずいぶん軽装だな?」
灯りに近づいて来るにつれ姿が明らかになって来るのだが、やはり違和感は増すのみだ。
戦うにも旅をするにも、軽装過ぎる。
「悪い山賊に身ぐるみ剝がされたのかい? ねーちゃん?」
山賊の一人の軽口に、一同がどっと笑う。
「……」
そんな中、素面(しらふ)の山賊の一人だけは、ぼんやりと考えていた。
(あれ? なんでこいつ山の上から降りて来てんだ? 山の上には、なんか恐ろしい化け物がいるとかで誰も近づかないはずなのに)

「……期待に応えられず悪いが、私は男だ」
違和感の極めつけは、男とは思えないほどの中性的な美貌。
長い髪と相まって、声を聴かなければ女と思うのも無理はない。
「で、その男が何の用だ? イカれてんのか?」
山賊の一人が剣を抜き、素手の、女のような細身の男を追い払おうと近づく。
「……」
「お? その首から提げてるのはなかなか高そう……」
山賊の手が、男の首から提げる宝石に伸びる。
と、
「ぐえっ」
鈍い音と共に山賊が吹っ飛ぶ。
細身の男の突然の攻撃に、油断していた男は蛙のような声を上げた。
予備動作の無い、何気ないような一撃で男は白目をむいている。
「おいおい、飲み過ぎじゃねえか? そんな優男に……なっ!?」
仲間の不幸も酒の肴にしていた山賊の言葉は、驚愕に変わった。
細身の男は何気ない動作で落ちた剣を拾い、そのまま倒れた山賊の胸に突き立てる。
そのまま剣をひねり、引き抜く。
わずかに遅れて、びしゃびしゃと音を立て、血とその匂いが広がる。
「なっ、て、てめっ…」
山賊たちに動揺が走る。
これだけの人数の中たった一人で、その顔に微笑さえ浮かべながら仲間を殺した存在に。
何かの冗談のような光景の中、細身の男の穏やかな声が響く。
「病み上がりのリハビリだ。全員でかかって来い」
「て、てめえら! やっちまえ!」
山賊たちにとっての極めて不幸な、一方的な殺戮が始まった。



― ◇ ― ◇ ― ◇ ―



「浅く斬られたのが2箇所………病み上がりとしてはこんなものか」
わずかに山賊たちの返り血を受けているにも関わらず、その男は美麗であった。
助けられた村娘が、思わず我を忘れて呆けるほどに。
「怪我は無いか?」
男の問いかけに娘は、こくこくと頷く。
「そうか。それは良かった。怪我などされると良くないからな」
(……私の贄としてな)
男は心の中でだけ付け加える。

「あ……あの、あなたは傭兵さんですか? 村は貧しくてそんなにお金はなかったはずで……あれ、でも攫われてすぐに来てくれて? え?」
混乱からか、あるいは自分を助けてくれた白馬の美しい王子様に感激しているのか、村娘の顔は真っ赤だ。
「私は傭兵ではない。ただ通りかかっただけだ」
柔らかな微笑を浮かべると、腰を抜かし座り込んだままの村娘に近づく。
「ただ報酬が貰えるのならば、このかすり傷の手当と君の名を聞かせて欲しいな」
村娘は、その時になって初めて自分の名前すら名乗っていない事に気が付いた。
「あ、ご、ごめんなさい。私、レティシアっていいます」
恥ずかしさから、レティシアの顔が下を向いてしまう。
「そんなにかしこまることは無い。私とて名乗っていないのだから」
男は、レティシアに手を差し出す。
「あ、剣士様のお名前も聞かせて頂いてよろしいですか?」
おずおずと、剣士としては似つかわしくない細い手を取りながらレティシアは尋ねる。
「私の名は………覚えていないのだ」
男はそう答えた。



村は歓声に包まれた。
脅威であった山賊から、さらわれた村娘レティシアが戻ってきたから。
山賊に襲われた暗い雰囲気を吹き飛ばすために、余計に明るく振る舞ったというのもあるかもしれない。
「みなさん、ご心配をかけました」
レティシアは深々とお辞儀をする。
「でも、この剣士様に助けて頂いたのです」
村が再び歓声に包まれる。
「……私は、今日のこの日を神に感謝します」
三度、村人たちは歓声を上げ盛り上がった。
(くくくっ………『神に感謝する』だと?)
何故か男に笑いが溢れる。
「おお、剣士様。どうも有り難うございます。
何も無い村ですが、どうぞごゆるりとお過ごし下さい」
村長と名乗った老人が、こびへつらって言う。

強い剣士がいれば、村はボディーガードを手に入れたのと同じなのだ。
無論、感謝の意もあったろうが、山賊たちの復讐を恐れた(村人たちは山賊を全滅させたとは思っていない)というのもあるだろう。
全てを知りながら男は笑って答える。
まるで人々に語られる英雄『勇者』のように、晴れやかな笑顔で。
「では、傷を癒してまた旅立つまで、お世話になりましょう」
村に今日一番の歓声が上がった。



男があてがわれた部屋は、村でも高級な部類に入る部屋だった。
「し、失礼します」
ドアがノックされ、少女が入って来る。
レティシアと名乗った少女だ。
「あの、剣士様はお酒は飲まれますか?」
今の村では最高級と言っても良い、酒を手におずおずと女は尋ねる。
「嫌いでは無い……と思う」
一瞬の間が、男に記憶の欠落が有ることを思い出させる。
「あ、いつまでも『剣士様』じゃあ、呼びにくいですね。
……では『ジュダ』様と呼んでよろしいですか?」
レティシアはつとめて明るく言った。
「『ジュダ』? 何故だ?」
男は不思議そうに尋ねる。
「あ、いえ、お嫌なら……その…私の兄の名前なんです……」
レティシアは、叱られた子犬のように縮こまってしまった。
(ころころと表情が変わる。くくくっ……いい贄になりそうだ)
心の内の言葉を表には出さず、男は優しげに答える。
「何も責めているわけではない。よいのか? 兄の名前なのだろう?」
「ええ……。私が小さい頃、村を助ける為に亡くなっていますから」
レティシアは一瞬悲しげな表情を浮かべるが、すぐに明るく振る舞う。
「えへっ、やっぱり駄目ですね。死んでしまった人の名前なんて……」
「そんな事は無い。シア、君がよければ喜んで使わせて貰う」
さりげなく愛称で呼ばれ、レティシアの顔が明るくなる。
「シアにとっての英雄が『ジュダ』であるならば、私は今日から『ジュダ』と名乗らせて貰うよ。ありがとう」
「そんな、御礼を言うのはこちらの方ですよ……」
顔を真っ赤にして、レティシアはしきりに照れていた。
(くくくくくっ……)
そんな様を眺めながら、男は表に出している微笑とは異なる笑みを浮かべていた。




















ジュダという名を得た男は、照れるレティシアの手を軽く引き寄せる。
「あっ……」
シアは、びっくりした声を上げる。
「何か礼がしたいのだが……な」
シアの手の甲に、王宮騎士のように軽く口づけをする。
「はっ、はわわわわわ……」
慣れない王宮の挨拶に、シアは頭からつま先まで真っ赤になる。
「こういうのは嫌いか? 嫌いならば止めるが」
シアは慌てて、ぶんぶんと首を左右に振る。
「いえ、嫌いじゃ……ないです。ただいきなりだったし、私なんかに……」
「『なんか』なんて自分を卑下する事は無い。君の手はこんなにも綺麗だし、髪だってこんなに美しい」
ジュダはシアの髪を撫でる。
「はぅ………」
シアは慣れない恥ずかしさを感じ、うつむき、顔を朱に染める事しか出来ない。
彼女の目の前には、いつの間にか女のものとは違う、胸板があった。
いかに女性的な顔立ちや体つきだろうと、やはりそれは男のものである。
「わ、わわわわわ……」
シアはじたばたと手を振るわせる。
ジュダはそれ以上何もしない。
そのまま優しく抱きしめたままだ。
「…………はぅ……」
シアが落ち着くのを待って、髪を優しく撫でる。
絹のような柔らかな手触りに、ほんのりと花の香りがする。
(案外こうなることを望んでいたのかもしれんな。村長あたりの差し金か?)
ふっ、と短く静かに笑い、思考を終了させると、ジュダは少女に優しく囁く。
「嫌だったら、遠慮せず言ってくれていい」
「………はい。いえ、嫌じゃ…ないです」
おずおずと、ジュダの腰に手が回される。
シアの身体からいくぶん力が抜けはじめた。
ふんわりとした柔らかい二つのふくらみがジュダの胸に当たる。
「ジュダさん………あったかい……」
安心したように、シアが吐息と共に呟く。
「………(暖かい? この私を? お前を食らう、この私を? こいつはお笑いだ)」
「…あ、何か変な事言いましたか? 私?」
何も言わないジュダにシアが不安げに尋ねて来る。
「いや。……今までそんなことを言われた事が無かったものだからな」
内心の暗い笑顔とは正反対な笑みのまま、ジュダは答える。
ふと、シアの潤んだ瞳と目が合う。
ジュダは身長差を補う為に、顔を下へずらす。
「こういう時は目を閉じるのが礼儀なのだぞ」
「はぅ…す、すいませ……んんっ………」
男の唇がシアの唇に触れた。
そのまま唇同士が触れ続ける。
「ふぅ……うんんんっ………」
一度離れたかと思うと、再び唇が近づいた。
今度は一度目よりもより深いキス。
ジュダはシアの口内に舌を進入させていく。
「…ん……ふっ………んんっ………」
最初は動かなかったシアの舌が、おずおずとジュダの舌に絡まる。
「ぷあっ……」
唇は離れたが、ジュダの舌とシアの舌の間は糸で結ばれていた。
その糸をこぼさないようにと、再びシアの唇を舐める。
「はぅ……ん……は、恥ずかしい……」
シアはまた下を向いてしまう。
「そうか、恥ずかしいか。それなら……」
「きゃ!」
ジュダはシアを抱えるとベッドの自分の膝の上に座らせた。
「こうすれば、私の姿を気にすることはない」
柔らかい肉の感触がジュダの下半身を覆う。
「はうぅ……で、でも私重いから……」
ジュダの膝から逃れようとするシアの身体を、後ろから抱き止める。
「気にするな。重くなどないし、仮に重かったとしてもそれはシアの重さだ。私には嬉しい」
「は、はうぅぅぅぅ……」
どくどくと早鐘のように脈打つシアの心臓に手を当てる。
「こんなに鼓動が早いと、おかしくなってしまうぞ」
言いながら服の上から、やや小ぶりの胸のふくらみを愛撫する。
「はっ……んんっ………そんな、おかしくしてるのは…きゃん!! そ、そこは………」
男の右手は、スカートの上からシアの秘所を撫でていた。
「やっ……はっ……恥ずかし……ぃ…」
ジュダの手が服の下に侵入してくると、シアの身体がわずかにこわばった。
かすかに汗ばんだ胸を揉む。
あまり大きさは無いものの、手に返ってくる感触は心地よいものだった。
「ご、ごめんなさい……私…あんまり大きくなくって……」
ジュダは、ふっ、と笑うと耳元で囁いた。
「気にするな、と言っているだろ? シアの全て、まとめてシアなのだから」
「ま、またそんな……恥ずかっ…あんんっ……はぁ……」
シアが身体をくねらせるポイントを掴むと、そこを重点的に責める。
ぴんと立った乳首を軽くつまむ。
「はぁぁぁ……うんんっ……はぁ、はぁ…はぁ………」
ジュダの手はスカートの下にも入って行った。
中心部へと手が触れると、思わずシアは足を閉じる。
柔らかいふとももの感触がジュダの手を包む。
「あっ……あん………うんん…」
かすかにシアのふとももが緩む。
すかさず、下着の上からスリット部分を撫でる。
「はぁん…あん……あああっ……ふぅん…」
下着の上からでも分かるほどに、そこは濡れていた。
布をわずかにずらし、直接シアに触れる。
「いやっ…そ、そこは……汚ぃ…はぁぁあん」
薄い茂みをかき分け、ジュダの指が上下する。
くちゅくちゅと水の音がする。
未だ男を知らないシアの初めての反応を楽しみながら、スリットをなぞる。
「あっ…ああっ……あん……あっ…はあっ………んん……」
やがてジュダの指は、肉の突起物に触れた。
突起物を軽くつまむ。
「ああっ!!」
シアのあごが上がり、身体がぴくりと震える。
「なっ…なにこれ……こんなの……そっ…そこは…はぁ……あん……ああっ…」
完全に身体を預ける形となったシアの身体を、ジュダは弄ぶ。
「ふぁ……あっ…あ、あっ…ああっ……あん…あぁん」
身体中の敏感に反応する所を重点的に責められ、シアの身体はジュダの上で痙攣しているかのようにはねる。
「あっ……ああっ…い、いやっ…はっ…ん……お…おかしくなっちゃう……」
「よいのだ。そのまま身を任せるがいい」
耳元で囁くジュダの言葉と、胸を這う指、シアのスリットを時々強く、時々優しく触る指とがシアに声を上げさせる。
「だっ、駄目……だめです…いっ……あん……はっ…うん……ああっ……」
シアの耳を舐める。
くすぐったいような、もどかしい感覚がさらにシアに加わる。
「はっ…ああん…そんな……そんなにされたら……私………いっ……いやっ…」
強めにシアの突起がつままれた。
「んっーーーーー!!」
大きな声を出すのがためらわれたのか、口を結んだままシアは軽く達したようだった。
「はぁ…はぁ……はぁ………はぁ…」
シアは身体をジュダに預けながら、熱っぽい息を吐いている。
シアの下着から手を離したジュダの手は、彼女の愛液で濡れていた。
その濡れた指を、シアにわざと見せるように舐める。
「……はぁ…はっ………ご、ごめんなさい……わっ、私……」
恥ずかしさと何となくの罪悪感から、シアは真っ赤になってジュダから離れた。

「そんなに恥ずかしがらずとも良い」
「はぁう……で、でも……」
先ほどの乱れた様を気にしているのか、シアは泣きそうな顔さえしている。
「わ、私……ジュダ様に失礼を……」
かしこまるシアに、ジュダは笑いかけた。
「失礼では無い。だから、そう不安な顔をするな」
「で、でも……うっ……ぐすっ……」
シアの両目にはじわりと涙が浮かんでいた。
「問題は無いが、シアが責任を感じているのならば……」
ベッドに腰掛けたまま、ジュダは足を開いた。
「触ってくれるか?」
「は……はい。でも、どうやって……」
困惑する彼女の髪を撫でる。
「そんなに気にしなくていい。シアがやりたいようにやってくれ。それとも私の身体は汚くて嫌いか?」
答えの決まっている質問をする。
案の定、
「い、いえ! そんなことないです!」
と彼女は男の思惑通りに、強く否定する。
「…ぅ………」
やがて意を決したのか、おずおずとぎこちない手が男根を触る。
「はぁ………」
初めて目の当たりにする男の象徴に、感嘆とも喜びとも取れる声を上げる。
柔らかい手が、ぎこちなく男根を上下する。
「………はぅ」
シアは、一瞬男と目が合い、慌てて目線を下に下げた。
ぴくぴくと反応する男のそれを恥ずかしそうに、だが興味ありげに見る。
シアの吐息が男根にかかったと思うと、暖かくねっとりとした感触が男根を包んだ。
「んっ……はむっ……むぐっ…ん…」
シアの小さい口が精一杯開き、ジュダの一物を口に含んだ。
恐らく初めての行為であろうが、知識だけは得ていたようだった。
「ふっ……んっ…んむん…んんっ……」
ぎこちなく、ときおり歯が当たる感触もしたが、それはそれでジュダを高まらせる。
「んっ…ぱっ…んむ…ぷあっ……」
その行為に不安を感じたのか、ジュダを上目遣いに見上げた。
「心配するな。心地よい………だが、私のものはシアの口には少し大きいようだ」
ジュダは立ち上がり、シアの背後に立つ。
後ろから胸に手を回して、揉みしだきながら立たせる。
「はぅ……まっ、また……恥ずかっ……ううん…」
一度達しているからか、シアの身体は敏感に反応した。
「そろそろ良いな?」
シアの尻のスカートをめくり、下着をずらす。
シアは、かすかにこくりと頷いた。

ずれた下着と秘所とが彼女の液体で糸を引いている。
恐る恐るといった様子で、シアが尻を少し突き出す。
ジュダは己の一物をシアにあてがい、ゆっくりと突き入れた。
「あっ……たっ……んんっ……」
膜を突き破る感覚に、痛みから無意識に彼女の腰が逃げる。
二人の結合部分には、彼女の愛液と破瓜の血が混じっている。
「気持ち良いぞ。シアの中はとても暖かい」
ゆっくりと突き入れながら、ジュダが囁いた。
「んくっ……あっ…ジュ、ジュダ様だって……暖かい…はんっ……」
彼女の逃げた腰が、再びジュダに寄る。
「あっ……つっ……んんっ…あっ……」
より深く挿入されたジュダの一物が、シアの中で締め上げられる。
痛みを我慢して力が入っている為、これ以上無いほど締め付けているのだ。
(これではよく動けんな)
ジュダが結合部分へと手を伸ばし、なにやら呟く。
「あんっ!……かはっ…んんっ………あああっ!?」
ぴくりとシアの身体が反応して、新たな密を流し始める。
「あんっ…あっ…はっ……んんんっ……ああっ…」
痛みは薄れ、せり上がってくる快感だけが、シアを支配しようとしていた。
ぱんぱん、という柔らかい肉同士がぶつかる音がする。
その音に合わせるかのように、女の声もあがった。
「はんっ…ああん……あっ…あっ…ああっ……」
「痛覚を和らげた。初めからそうする事も出来たが、一生に一度の感覚だ。体験しないのも不憫だからな」
(そして、短い一生を終えるのだ。せいぜい体験しておけ)
ジュダの言葉は、シアの耳には入っていない。
すでにジュダの虜となっているのだ。
ただひたすらに、ジュダの動きに合わせて腰を前後させる。
「うっ…あっ…あ……ああっ………はぁあっ……あ…」
ぱんぱんというリズミカルな音が響く。
「はぁ…あああっ…変、変になっちゃう……んっ……あああっ……」
彼女の上気した体温に比例するように、その中もかなりの熱が男根を包みこんでいる。
ただ挿入しているだけでも心地よいその中を、男はゆっくりと前後して味わう。
「あぐっ…あっ………くっ……ぅうんっ………あっ…はっ……あっ……」
やがて男の身体に、射精感がせり上がる。
最後にと、激しい腰使いでシアの中をかき混ぜる。
「いっ……あはっ…くう…ん……あっ…あっ……ああああああ!!」
既に達する直前だったのか、彼女の身体は一際大きく震えた。

女の腹の中へ白濁する液体を流し込むと同時に、眠りにつくかのような心地よさを感じる。
やがてその心地よさが全身へと広がり、力を満たす。
二人はベッドへと倒れ込んだ。






















「はぁはぁ、はぁはぁはぁ……」
(な、何で? 動悸が治まらない!?)
事を終え、ベッドに倒れたシアを待っていたのは快楽の余韻では無く、激しい動悸と身体の不調だった。
「う……あぁ…はぁ……、はぁ…」
苦しげに呻く。
だが、男の表情は変わらない。
「すぐにその苦しみも終わる。礼を言う。また力を得た」
「はぁはぁ……はぁ……」
シアは男の言葉に答えられない。
ただ、荒い息を吐くだけだった。

やがて彼女の姿が水に溶けるように薄れて、そして消えた。
男はまた力を得た。



今夜は月も隠れているため、周囲は黒一色に塗りつぶされている。
「与えよう……平等の闇と絶望と恐怖。
 与えよう……すべからく平等な死を。
 誰にでも平等に。
 誰にでも分け隔て無く。
 くくくくっ…………あーはっはっはっは!!」
男はそう言うと、村人たちの血に濡れた剣をかざす。
木造りの民家が炎に包まれ、やがてその炎は他の家へと波及する。
それでも逃げまどう人影は見られない。
まともに動ける人間は、この村には誰も居なかったから……
赤い炎が、黒い闇を染めていく。

男に感情は無い。
否、あったとしてもそれは普通の人間のものではない。
ただ、溢れんばかりの憎悪と狂気とが渦巻いている。
村が焼けるのを確認すると、男は山を下りた。



To Be Continued・・・


















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき

一軒一軒回って、ちまちまと村人惨殺する、ある意味マメな男ジュダ


日本全国の、ネット小説好きの、かつエロ好き(多分男)かつ、このページに来られた方の中には一人くらい楽しみにしてくれている人がいるかもしれないので、いちお「お待たせしました」と言っておきます。

仕事が忙しくなると、反動でネタが頭の中を駆けめぐります。
で、実際休みとか時間が取れると、急速にネタがしぼむ罠です。
なわけで、あまり進みません。
ま、いいですけどね。

けど、エロ文章って書いてみて分かったけど、難しいですね。
台詞だけで状況を説明するのも高まらないし、状況説明するだけでもつまらないし。
何より、自分の語彙力の無さを感じます。

『そう言って、ジュダは自分のち◆ちんを入れた・・・』とか萎えますよね(笑)


それにしても、よくこの文章が消えないもんです。
自分の中で素に戻って、何回「消そう」と思ったことか。
そのたびに、「めんどくせー」って思ってほったらかし。
気が付けば2話が終わってるし。
あはははは。
マイペース、マイペース。
では、消えてなければ第3話のあとがきでお会いしましょう。
















20年前の俺の、ジュダの台詞に歯が浮きそうです。
……よく書いたな、昔の俺(笑)
シアでなくとも恥ずかしいです……マジで。
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