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1章「新たな出会い」

アンデッドと不思議な剣

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とある墓地にて──



土が盛り上がる音がする。


ボコッ…


さらに音は続く。


ボコボコッ…


そして、


「息苦しいですわ!」


喋るゾンビが出てきた。


「あれ?わたくし…」


それは生前エリカだったモノ。


──わたくし、死んだはずでは?


自分の手を見る。


「──!!??」


手は生気を帯びておらず、所々肉ががれ、ちている。


「なんですの、これ…?」


全身を見れば、全体的に腐敗してるのがわかった。
美しかったブロンドヘアーも、今ではくすんだ髪色になっていた。


「もしかして…わたくし不死者アンデッドになってしまいましたの…?」


──ということは、わたくしは本当に死んだのですわね…
転婆てんばだったわたくしは勝てると思って無謀にも盗賊団に向かってあえなく返り討ちにあって、それで…


わたくしは、自分の実力をおごったのですわね…」


エリカは落ち込んだ。


自分の実力を客観的に見ず、ただ私は勝てると思い込んだその結果がこれだ。


「お父様に申し訳ないことをしましたわ…」


流れない涙を流し、後悔の念に駆られる。


~~~~~~~~~~


ある程度落ち着きを取り戻して、ふと疑問に思う。


なぜわたくしは喋れるのか、なぜ不死者アンデッドとして蘇っていながら「わたくし」という人格、理性があるのか。


答えになるか分からないが少し離れたところに、と言っても1mか2m離れたところではあるが、いかにも神々こうごうしい二振りの純白の剣と、それとは相反して禍々まがまがしい漆黒の大剣が地面に突き刺さっている。


もしアレが原因なのであれば、ここは墓地、不死者アンデッドが大量に湧いているはず。


しかし、周りを見渡しても剣を除いて墓標ぼひょうのみしか見当たらない。


【ようやくわたしたちを認識しましたね?】


〈やっと、俺たちを見つけてくれたか。待ちくたびれたぜ〉


女性のような声が2つ聞こえた。


1つは慈愛に満ちたような声、


もう1つは好戦的なような声。


「な、なんですの!?」


──頭の中に声が響きましたわ!


【とりあえずわたしたちのどちらかに触れていただけませんか?】


〈なんなら、両方触れてくれていいんだぜ~?〉


周りを見渡しても誰もいない。


「だ、誰ですの!?す、姿を現しなさい!」


〈姿を現すもなにも、目の前にいるぞ?〉


【その反応も仕方ありません。

剣から声を出すことが出来ないので、念話を使ってあなたに語りかけているんです】


──剣から声を出せない?も、もしかして…


「声はこの目の前にある剣達から聞こえているんですの?」


【そうです。ようやく会話ができますね】


〈その前にどっちかに触れてくれって話だろ?〉


【そうですね。私たちのどちらかに触れていただけませんか?】


エリカのあずかり知らぬところで話が進んでいる。、
とりあえず2つある剣のどちらかに触れてほしいとのことらしい。


──頭の中がハテナでいっぱいですわ?


「触れるだけでいいんですの?」


【はい、触れるだけで結構です】


〈さぁ、どっちを選ぶ?〉


わたくしは───




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