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本当は近くにいたかった
しおりを挟むまたね!
それはあの子が俺についた初めての嘘
俺たちは小さい頃からずっと一緒にいた、あの子に関しては分からないことがないと言っても過言ではないほどあの子に詳しくずっと一緒だった
あの子が小学生3年生の夏、俺達はいつものように遊んでいた、そんな時あの子が言った
「オレ今度から旅行に行くことになったから暫く会えない」
ニッコリといつもと同じ可愛く愛らしい笑顔であの子は嘘をついた
゛旅行で暫く会えない゛そんなことが嘘だってことなんかすぐに分かる
なぜ、そんな嘘をつくの、何を隠してるの、どこに行くの、居なくならないで
置いていかないで、1人にしないで、そばにいて、俺は要らなくなったのか
色んな言葉が浮かび上がり思いのままに問い詰め叫びたかった
引き止めたかった、俺に縛り付けておきたかった
けど俺は子供だから何も出来ない、大人が何かを言えば子供の俺はそれに従わなくてはならない
それでも俺は縋り付くようにあの子に聞いた
「次はいつ会えるの」
それでもあの子は泣きそうな目をして笑顔で俺に嘘をつく
「家族で旅行だから暫く会えないけど、夏休みが明ければ学校で会えるよ!だから
またね!
きっと訪れないだろう゛また゛を笑顔で言うあの子は俺と同じように、傷つき泣きそうな顔をした
だから俺は何も言えなかった、きっと言ってしまえばあの子はもっと傷ついてしまうから
そして俺はその嘘に気づいてないふりをして別れることとなった
────────────────
あの日から俺はまるで人形のような日常を送っていた
夏休みが終わっても学校へは行かずに家でぼーっとしてるだけ
周りはそんな俺を痛々しい目で見ていたが、ある時両親はあの子に関しての事を定期的に報告してくるようになった
恐らくあの子に関することに反応してることに気づいたからだろう
報告を聞きあの子が本当は俺と離れたくなかったこと、俺の前からいなくなった理由を知った
理由を知った俺は今までの事が嘘のように動き出した
株を初めお金を貯めた、その後ほかより頭のよかった俺は勉強をしまくった
そして海外の世界一の難関大学と呼ばれるところを最年少で卒業した、もちろん高校も海外で卒業資格は取ってある
大学卒業と同時に色々な資格や免許をとり薬の研究などができるようになった
俺はあの子が離れていく原因になったユゲイルオレランベル症候群 (通称YOS)の治療薬の開発や治療法の研究を始めた
あの子がいなくなって3年、俺は国立フェルト学園中等部に進学した
そこでは俺は色々と有名だった最年少で最難関とされる大学を飛び級で卒業したり、新たな薬を開発したと噂されて大変だった
俺は人脈や手足となるような人間を作っていった、学園の生徒会は人気投票みたいなもので決まっている
そのせいで俺は入学してすぐに生徒会長になるはめになった。
本当は辞退したかったが生徒会に入れば授業が免除になると言うので入ることにした
生徒会の仕事は1ヶ月で半年分をやり終え、残った時間を薬の研究に費やすことが出来た
おかげで中学一年の夏休みには少量だが1粒飲めば完治できる薬の開発に成功することが出来た
あの子のために作った薬だから量産つもりはなかったが周りが騒がしくうるさかったので、作り方だけ渡して俺は別の研究に取り組み始めた
別の研究それは、男でも妊娠できるようになる薬だ
父さんたちに頼み裏から政治に口を出してもらい極秘だが近々同性婚が可能になる
だけどそれだけじゃあの子は傍においても逃げてしまう可能性がある
だから俺は男でも妊娠できる薬の開発を始めた
______________________________
あれからまた長い月日が流れ、高校2年になりもうすぐ入学式が始まる
あの子が日本に帰ってくると聞き、この学園に入ってくるように仕向けた
生徒会に入ってからは本当に色々と大変だった、学校へ行けば他の奴らは媚びを売り擦り寄ってくる
ある意味うざくて邪魔でしか無かった、その中でも格段にウザかったのが
猫と呼ばれる奴らが抱いて欲しいと擦り寄ってきたり、媚薬を使ってきたり研究の徹夜に疲れて寝ているところを襲われそうになったり
俺はあの子以外に興味はないしヤるつもりもない
周りは童貞であることを気にして好きでもない適当なやつとしたり、性欲処理に適当なやつを使ってる
周りも俺は色んなやつとヤリまくってるやつだと思ってるみたいだが、実際はまだ童貞だ俺の初めては全てあの子に捧げると決めている
俺は昔からあの子にしか勃たないし、欲情もしない
たとえどんな絶世の巨乳美女と呼ばれる女が裸で誘惑してこようと、気持ち悪いとしか思わない
あの子以外とそんなことをすると考えただけで吐き気がする
実際このまま放置してたらどうなるかと想像した際にあの子以外とヤる事を想像してしまい、思いっきり吐いた
他の奴らに触られたところをはぎ取りたいぐらいに気持ち悪くて吐き続け、吐き気が止まらない俺は親によって精神病院に連れて行かれた
まぁこの話は置いて置くとして、そんなこんなで色々あった薬の新薬開発に気持ち悪い奴らの擦り寄りや媚びをかわしたり
病院に連れてかれたりと色々ありはしたが、ついに今日あの子がこの学園に入学する
俺は嬉しくてあの子の姿を見ようと校舎内を探し回った
探してる時に後ろに軽い衝撃があり、振り返ればあの子が俺にぶつかって倒れる所だった
「うわっ!」
「えっ?⋯⋯⋯と、大丈夫か?」
慌てて腕を引っ張り立たせたあの子は倒れそうになった反動で俯いていたが
「はっはい、ありがとうございます!」
お礼を言いながら顔を上げたあとビックリしたような顔になり、慌てたように頭を下げて走って逃げていった
俺はその姿が可愛くて口元が緩みニヤけるのが止まらなくなって、暫く後ろ姿を見送っていた
これが俺 龍宮雷高虎と篠崎 千景が再会した入学式の春のことである────
──────────────
すみません
昨日更新するはずがすっかり忘れてて更新出来てませんでした!
わずか数日でたくさんの方に見ていただけて嬉しいですヾ(*>∀<)ノ゙
これからももっとたくさんの人に見ていただけるように精進致します( * ॑꒳ ॑*)
これからも何卒よろしくお願いします(*≧∀≦)
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