白山

vol.1 11月

25日

今日は見回りをしに少し町に出た。
この辺りは治安がいいわけでないし、戦争で不満が溜まっている。公的な機関が機能していないので、なおさらだ。大体三時間ほど、つまり210分ほどパトロールをした。そろそろ冷え込んでくる頃だが、こちらは西の方の地方なので、そこまで寒いわけではない。まあ、南ほど暖かいというわけでもないが。湿度が低いのか、空気はからっとしていて、温度も10数度くらいだろう。過ごしやすい気候だ。なので、その三時間は大した苦痛ではなかった。今は、馬車に乗り、隊員のドロール、アイニオ・リシック、アンジャル・アイシュ、そして医者と共に見回りをしている。馬車を簡易的な事務所にし始めたばかりの頃は、アイニオを馬車に置いて、歩いて見回りをしていたが、それでは効率が悪いだろうということで、今はそうなった。不便なことも増えたが、普段と違う生活形態というのは新鮮で楽しいものである。いつも首にかけている懐中時計のアラームを三時間後にかけて、町に出る。そこからアラームの針を見ながら馬車を運転するというのがいつもの流れだ。今日は特に危ない事件もなかったし、依頼も頼まれなかったわけで、忙しくはなかった。しかし、子供が馬車の前に飛び出すと、驚いて怯んでしまうな。
11/25 14:35 敬具 副団長 ニッシュ・リシック。