白山

巳鷹田 葛峯

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vol.1 11月

23日

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今日は町で少し騒ぎがあった。
朝に頬杖をついてぼうっとしていたら、突然馬車のベルが鳴って、自警団のものはいますかと言われた。前に疎開してきた子供である。驚いて何があったと聞くと、町の方で取っ組み合っている男がいたという。急いで隊員のものを起こし、町に向かった。人混みをかき分けて現場に向かっていき、やっとの思いで現場に着いた。すると、戦っているのはこのあたりじゃ名の知れた荒くれ者2匹。止めに行こうと中に入ると、戦いの中にはもう1匹いた。見るに、町人である。
まず、その町人を咥えて人混みに放り投げ、私は道端に寝転んだ。
「お怪我は」
と聞くと、相手は問題ないとでも言いたげにこちらを見た。安心して立ち上がろうとすると、荒くれ者のうちの1匹が私を力の限り押し倒した。グッ。咬まれた。腕。何をする気だ。すかさず、もう1匹は隊員たちを人混みの中に紛れさせる。それが終わると、今度はそいつもこっちを睨みつけた。こちらも敗けてはいられない…。なんとか隊員のドロールを見つけ、瞬きで合図を送った。
「人を避難させろ、こっちに任せて隊員を残して」
「了解」
毛に血が滲む…、そうだ、思い出した、こいつらは警察と手を組んでる。警察はこういう奴らと裏で絡んでいて、今や真面目に仕事をしてない、どころか、犯罪まがいのことをしている。
相手が四つん這いになったところで、私は相手の前足に後ろ足を絡ませた。そこで力を込めて、相手の前足を軸に抜け出そうとしたのだ。その作戦はうまく行き、私はすっかり人がいなくなった石造りの道に出る。私も四つ足になり、相手を挑発した。1匹の尻尾を足で踏み、もう1匹は口で噛んだ。私にはわかる。確か、彼の族は、尻尾に神経や血管が集まっていたはず。狙い通り奴らはよろけ、転んでしまった。
よし。私はそのまま奴らを背中に乗せ、走り出した。本都の方の警察署はまともだから、そこに引き渡すつもりだ。奴らが反撃し始める前に、急いで。走り、走り、走った。仕舞いに、警察署につき、私はいった。
「失礼します。アントロニカ自警団のものです。お時間よろしいですか」
「ええ、要件をどうぞ」
「こいつらが公道で暴れているのでね、処罰をお願いします。」
その後、いくらか警察署の手伝いをして、私は馬車へ帰った。

11/23 18:23 敬具 副団長 ニッシュ・リシック。
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