弱者男性は幸せになれるのか!? 一発逆転を夢見た末路の物語

幻霧雲開

文字の大きさ
上 下
109 / 110
第四章

第百八話 フィリピンで初めての食事

しおりを挟む
私は氷河期時代、41歳の弱者男性である。

私はマッチングアプリで知り合ったビアンカ姉妹とモールに来ていた。

モールに入るときにまず日本との違いを感じる。

手荷物検査があるのだ。

空港ほど厳しいものではないが軽くリュックの中を確認されて、金属探知機で体を調べられて終わった。

映画の知識ではモールで持ち物検査をしていた国に覚えがない。

セキュリティ意識がしっかりしているというべきか、そこまでしないと危険だと思うべきか。

モールの中に入ると田舎のイオンのような感じだった。

電気屋も服屋も飲食店もある。

日本との違いは日本の場合は飲食店が一画に集中しているのと違い、フィリピンは多少散らばっているところだろうか。

とは言えそこまでの違いは感じない。

子供を連れた家族やカップルが多い気がする。みんな楽しそうだ。

ビアンカたちは私が日本人だからだろうかラーメン屋に行こうとしていた。

フィリピンでの初めての食事に『日本の味』と書かれたラーメン屋はさすがにないなと思い、フィリピン料理が出る店にしてくれと頼んだ。

フィリピン料理を出してくれる店は食べ放題で人気だったからか満席で断られ、何となく目についたチキン屋に入ることにした。

「ここに入ろう」と私が言うとビアンカたちは『え? ここにするの?』という感じのリアクションだったが、もう閉店時間も近づいているので「ここにする」と私は決断した。

適当に選んだ料理は4人分合わせたら1羽ぐらいになりそうな量の鶏の丸焼きとミートスパゲティとガーリックトーストだった。

ドンと鶏肉の焼かれたものが置かれるがナイフがなくまた切ってもいない。

私の手元にはフォークしかないため食べようと思うとかぶりつくしかない。

フィリピンのマナーはよくわからなかったがビアンカに頼むと店からナイフを借りて良い具合に切ってくれた。

チキンはかなり美味しかった。

スパゲティも美味しいのだが、フィリピンのスパゲティは伸びているように感じるほどかっつりとゆでられていて柔らかかった。

私はそのままで十分美味しかったが、ビアンカたちはチキンにソースをつけて食べている。

私もそのソースを使ってみたが、どうも口には合わなかった。

ルビーはガーリックトーストをとても美味しそうに食べていた。

どうやらガーリックトーストを初めて食べたらしい。

というかビアンカたちはこの店に初めて来たようだった。

モールの中のチェーン店のようなのだが支払いは4000ペソほどかかった。

支払いは当然私がすべて払ったが4人で1万円である。

あれ? 物価やすいんじゃないの? と疑問に思った。

どうやらここは見た目は安そうなチェーン店なのだが彼女たちには高級店で入ったことがなかったらしい。

もう8000ペソほどしか残っていない。

いざとなればクレジットカードも持っているが予想よりお金がかかっている。

さすが海外旅行、思ってたんと違うことが多く起こるものだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

処理中です...