弱者男性は幸せになれるのか！？ 一発逆転を夢見た末路の物語

第四章

第百五話 続・ビアンカとフィリピンで

私は氷河期時代、４1歳の弱者男性である。

私はビアンカ姉妹と車で移動している。

私は車に揺られながらフィリピンの街並みを眺めていた。

フィリピンに着いたのが夕方だったため少し日が暮れかけている。

街並みはやや薄汚れているが、マクドナルドやケンタッキーなど日本でもお馴染みの店も見える。

木々が日本とは違い南国の木が不規則に道沿いに生えている。

隙間のない鉄の門と鉄格子の付いた窓が治安を連想させた。

ここがビアンカの暮らしている国なのだなあと私は笑顔になった。

暗くなっても道沿いの屋台街のような場所は活気が溢れていた。

日本人の平均年齢は４８歳。

私でさえまだ平均より低い。

フィリピン人の平均年齢は２４歳。

日本の平均年齢が半分だ。

そりゃ町の活気が違うわけである。

しかし異国の町を眺めながら車に揺られていると、どうも今が現実かどうか曖昧に感じてしまう。

我ながら婚活で海外まで飛ぶのは客観的に見たらなかなかの行動力だよな。

部下の佐々木君にこの事を言ったら
「すごいですね。上手くいくことを祈ってます」と言われた。

しかし同僚の大林に言ったら
「向こうに付いて身ぐるみ剝がされたりしてね」と嫌な冗談を言われた。

ともかくほとんど話をできていないがビアンカに会えたのだ。

私の婚活は一歩前進したのだろう。たぶん。