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第二章
第六十五話 抜け殻
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私は氷河期世代の弱者男性である。
私は若い頃を振り返っている。
私は友人の新田の死を受け止めきれず、頭が正常に働かなかった。
いや、正常に働くことを拒絶していたのかもしれない。
理解したら絶望が広がっているからだ。
光りの射さない未来。
何時間経過したかわからない。
私はふと担当編集者の前田さんに連絡を入れないといけないと思った。
私は電話で前田さんに新田の死を伝えた。
忙しいだろうに前田さんはすぐに家に来てくれた。
前田さんは私の顔を見るなり少し泣いてくれた。
そう言えば私は泣けなかった。
友里子の時はあんなに泣けたのに今回はなぜだか涙が出ない。
「それで正田君はどうする?」と聞かれた。
どうするとはマンガをこのまま描くかどうかである。
新田の原作なしで私のマンガが通用するとは到底思えなかった。
「少し考えさせてください」と私は答えた。
これは答えを先延ばしにしただけだった。
私は前田さんが帰った後はまた何もすることが出来ず、時間が過ぎていった。
輝かしい未来と一番の親友を私は同時に失ったのだ。
このまま私も死んでしまいたいと思った。
私は若い頃を振り返っている。
私は友人の新田の死を受け止めきれず、頭が正常に働かなかった。
いや、正常に働くことを拒絶していたのかもしれない。
理解したら絶望が広がっているからだ。
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何時間経過したかわからない。
私はふと担当編集者の前田さんに連絡を入れないといけないと思った。
私は電話で前田さんに新田の死を伝えた。
忙しいだろうに前田さんはすぐに家に来てくれた。
前田さんは私の顔を見るなり少し泣いてくれた。
そう言えば私は泣けなかった。
友里子の時はあんなに泣けたのに今回はなぜだか涙が出ない。
「それで正田君はどうする?」と聞かれた。
どうするとはマンガをこのまま描くかどうかである。
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「少し考えさせてください」と私は答えた。
これは答えを先延ばしにしただけだった。
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このまま私も死んでしまいたいと思った。
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