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第二章
第六十四話 急転
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私は氷河期世代の弱者男性である。
私は若い頃を振り返っている。
私が新田の死を知ったのは亡くなった次の日だった。
東京では私たちは一緒に住んでいた。
しかし、新田はマンガ喫茶に入り浸って帰ってこない日もたまにあったし、私はマンガを描くのに必死だったので、その日は何も気が付かなかった。
私の携帯電話に知らない番号から着信があった。
取ると新田の母からであった。
私は病院に駆け付けたが、もう新田は安置所に移されていた。
新田の遺体はシーツに包まれてみる事が出来なかった。
トラックに轢かれて即死だったらしい。
私は泣くことも出来ず呆然とした。
新田の母親のすすり泣く声はよく覚えている。
そのあとに私はいつ家に帰ったか覚えていない。
すべてが終わった気がした。
新田とともに私も死んだように思えた。
小学校六年生の頃。
私は幸せであった。新田と友里子とともに遊ぶ日々。
あの頃が私の人生の一番平和で幸せな日々だったのかも知れない。
三人での幸せな日々。
もう私しかいない。
私は書きかけの原稿を眺めていた。
ずっと、ただ眺めた。
私は若い頃を振り返っている。
私が新田の死を知ったのは亡くなった次の日だった。
東京では私たちは一緒に住んでいた。
しかし、新田はマンガ喫茶に入り浸って帰ってこない日もたまにあったし、私はマンガを描くのに必死だったので、その日は何も気が付かなかった。
私の携帯電話に知らない番号から着信があった。
取ると新田の母からであった。
私は病院に駆け付けたが、もう新田は安置所に移されていた。
新田の遺体はシーツに包まれてみる事が出来なかった。
トラックに轢かれて即死だったらしい。
私は泣くことも出来ず呆然とした。
新田の母親のすすり泣く声はよく覚えている。
そのあとに私はいつ家に帰ったか覚えていない。
すべてが終わった気がした。
新田とともに私も死んだように思えた。
小学校六年生の頃。
私は幸せであった。新田と友里子とともに遊ぶ日々。
あの頃が私の人生の一番平和で幸せな日々だったのかも知れない。
三人での幸せな日々。
もう私しかいない。
私は書きかけの原稿を眺めていた。
ずっと、ただ眺めた。
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