弱者男性は幸せになれるのか！？ 一発逆転を夢見た末路の物語

第二章

第五十話 密かな三角関係

私は氷河期世代の弱者男性である。

今は小学校６年生の頃を振り返っている。

私は親友の新田の家に毎日のように遊びに行っていた。

そして田中友里子を交えて三人で遊ぶのが私の日常だった。

大体、私はテレビゲームをやっている。ファイナルファンタジーⅢをこの頃はプレイしていた。

新田はベッドで横になりながらマンガか小説を読んでいる。

友里子は勉強机で漫画を読むか絵を描いている。

新田が読書に飽きると映画を観ようと言うので三人で映画を観る。

この頃は『インディーズ』『スターウォーズ』などが印象に残っている。

新田とゲームをやるときは二人で『クインティ』をやることが多かった。

アクションパズルゲームで協力プレイが出来るのが面白かったのだ。

この頃に協力プレイできるゲームはまだ少ないのである。

私たちがゲームをやっている時、友里子は後ろで見て歓声を上げていた。

「すごい、すごい。クリアできたやん」と友里子が笑顔で言う。

その友里子の笑顔を見て私の心は少し熱くなる。

新田の部屋は平和で心地の良い楽園のような世界であった。

少なくても私と友里子にとってはそうだったと思う。

だから私たちは毎日のように新田の家に遊びに来ていたのだ。

しかし、それは私の勝手な勘違いで友里子は少し違ったかもしれない。

友里子は新田に会いたくて遊びに来ていたのかもしれない。

もう少し私たちが成長していたら、このような関係はなかっただろう。

新田は友里子と付き合い三人で遊びことも少なかったはずだ。

私が密かに友里子に恋心を抱いていたため、二人が付き合っていたら私は三人で遊びたくはなかったと思う。

子供だから成立していた密かな三角関係。

しかし、その関係も長くは続かなかった。