50 / 110
第二章
第四十九話 田中友里子と恋心
しおりを挟む
私は氷河期世代の弱者男性である。
今は小学校6年生の頃を振り返っている。
田中友里子も新田の家に遊びに来るようになったが暗黙の了解で私も新田も友里子もその事は誰にも言わなかった。
この頃はまだ携快電話などない時代である。
正確に言えばあったが一流のビジネスマンが肩にかけるバッグのような大きさで、当然子供が持つようなものではない。
私は新田の家に行かない方がまれであり、だから行けない日は友里子に聞こえるように新田に話しかけた。
すると友里子も新田の家に行かないと言うのがルールであった。
子供とはいえ小学校六年にもなると男女が二人で部屋にいるのはまずいと思っていたのだ。
要するにみんな男女を意識するほど性には目覚めていたのである。
私と友里子は初めの頃はほとんど口を聞かなかった。
私としては新田と二人でいる方が気が楽だったし、どちらかと言えば友里子は邪魔だったからだ。
しかし、友里子が書いている絵を見せてもらうと明らかに私より才能があった。
「どうやったらそんなにうまく描けるん?」と私が話しかけたのだ。
絵を褒められたのが嬉しかったのか友里子はとても可愛らしい笑顔になった。
その時、私は友里子に惚れてしまった。
私は単純な男なのだ。女性の笑顔に簡単に落ちる。
でも私はその恋心は隠すことにした。
新田と友里子は付き合ってはいないが、友里子は新田の事が好きなのだろうとわかっていたからだ。
そしてこっちは証拠はまるでないのだが、新田もおそらく友里子の事が好きだろうと思っていたからである。
今は小学校6年生の頃を振り返っている。
田中友里子も新田の家に遊びに来るようになったが暗黙の了解で私も新田も友里子もその事は誰にも言わなかった。
この頃はまだ携快電話などない時代である。
正確に言えばあったが一流のビジネスマンが肩にかけるバッグのような大きさで、当然子供が持つようなものではない。
私は新田の家に行かない方がまれであり、だから行けない日は友里子に聞こえるように新田に話しかけた。
すると友里子も新田の家に行かないと言うのがルールであった。
子供とはいえ小学校六年にもなると男女が二人で部屋にいるのはまずいと思っていたのだ。
要するにみんな男女を意識するほど性には目覚めていたのである。
私と友里子は初めの頃はほとんど口を聞かなかった。
私としては新田と二人でいる方が気が楽だったし、どちらかと言えば友里子は邪魔だったからだ。
しかし、友里子が書いている絵を見せてもらうと明らかに私より才能があった。
「どうやったらそんなにうまく描けるん?」と私が話しかけたのだ。
絵を褒められたのが嬉しかったのか友里子はとても可愛らしい笑顔になった。
その時、私は友里子に惚れてしまった。
私は単純な男なのだ。女性の笑顔に簡単に落ちる。
でも私はその恋心は隠すことにした。
新田と友里子は付き合ってはいないが、友里子は新田の事が好きなのだろうとわかっていたからだ。
そしてこっちは証拠はまるでないのだが、新田もおそらく友里子の事が好きだろうと思っていたからである。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる