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第一章
第四十三話 おひらき
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私は40歳、婚活難民の弱者男性である。
ライブの打ち上げに参加していたが、おひらきになり帰ることになった。
駅までは帰り道が一緒のため宇美さんと歩いている。
「今日はどうでしたか? 楽しかったですか?」
その宇美さんの言葉に「あなたと出会えたからとても楽しかったです」と私は言いたかった。
連絡先の交換をしたかった。
私は大きく息を吐いて「ええ、ライブなんて久しぶりだったので楽しかったです」と当たり障りのない返事をした。
宇美さんとは路線が違うため、駅の構内で別れる。
歩いていく宇美さんには気づかれないようにそっと彼女の後ろ姿を眺めた。
どうか素敵な男性と幸せになってくださいと私は祈った。
私は何もせず、しかし確実に失恋したのだ。
私は心が沈んでいくのを止めることは出来なかった。
わかっていたことだが、やはり悲しくて仕方がない。
電車から見える街の明かりはいつもより暗く見えた。
私はコンビニで酎ハイ三本とポテトチップスを買って家に帰った。
いつも通り私以外誰もいない小さな部屋だ。
私は適当なテレビの電源を入れ、その音で寂しさを紛らわしながら酒を煽った。
ああ、人生とは何て虚しいのだろうか。
ライブの打ち上げに参加していたが、おひらきになり帰ることになった。
駅までは帰り道が一緒のため宇美さんと歩いている。
「今日はどうでしたか? 楽しかったですか?」
その宇美さんの言葉に「あなたと出会えたからとても楽しかったです」と私は言いたかった。
連絡先の交換をしたかった。
私は大きく息を吐いて「ええ、ライブなんて久しぶりだったので楽しかったです」と当たり障りのない返事をした。
宇美さんとは路線が違うため、駅の構内で別れる。
歩いていく宇美さんには気づかれないようにそっと彼女の後ろ姿を眺めた。
どうか素敵な男性と幸せになってくださいと私は祈った。
私は何もせず、しかし確実に失恋したのだ。
私は心が沈んでいくのを止めることは出来なかった。
わかっていたことだが、やはり悲しくて仕方がない。
電車から見える街の明かりはいつもより暗く見えた。
私はコンビニで酎ハイ三本とポテトチップスを買って家に帰った。
いつも通り私以外誰もいない小さな部屋だ。
私は適当なテレビの電源を入れ、その音で寂しさを紛らわしながら酒を煽った。
ああ、人生とは何て虚しいのだろうか。
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