弱者男性は幸せになれるのか！？ 一発逆転を夢見た末路の物語

第一章

第二十三話 こんな社会人がいるのか

私は清掃会社で働いている４０歳弱者男性である。

今日も変わらず現場で指揮を取りながら清掃をしている。

ポリッシャーを動かす者が床を洗浄する。

そのあとバキュームで汚水を回収し、モップで水拭きをする。

この作業を大体は三人のチームで行う。

私はコンセントの入れ替えやポリッシャーの洗剤の補充。

そしてモップを手伝ったりする。

四人目がいる場合は、床が乾いた場所からワックスを塗っていく。

現場によって違うが大体ワックスは２回塗っていた。

１回目のワックスが乾くまで次が塗れないため、ワックスの作業をうまくやると大幅な時短になるのだ。

ワックス作業はミスが目立つため新人には任せられない。

そのため慣れた者が行うのだが、この日は私がワックスを塗っていた。

すると髪の毛を染めた若者たちが作業服をだらしなく着て、話しながらこちらに歩いて来た。

脇道にワックスを塗っていたため若者たちの通行の邪魔にはならないが、私は手を止めて通り過ぎるのを待った。

すると若者の一人が「ワックスを塗ってやがる」と言い、わざわざ床を踏み荒らして去って行ったのである。

私はあまりの事に唖然として文句を言う気にもならなかった。

あれで社会人なのか。会社はどういう教育をしているのだろうと不思議に思った。

関わってはいけないやつらだと私は判断した。

当然、その業者にはクレームの電話を入れて、それ以降はその若者たちは見ていない。

世の中にはいろいろな人がいる。

戦争もなくならないわけだ。