弱者男性は幸せになれるのか！？ 一発逆転を夢見た末路の物語

第一章

第二話 パチンコでもするか

私は夜の０時から朝の９時まで働いている夜間清掃員だ。

そのためパチンコ屋の開店に並ぶことが出来る。

こんなに期待と不安が入り混じった気持ちは久しぶりだ。

ワクワクドキドキってやつである。

お目当ての台に座ると1万円をサンドに投入する。

しかし、1万円である。

私で言うと日当が吸い込まれていく。

そう考えると一日分がなくなっただけのように思えるがそうではない。

家賃や光熱費などもろもろのお金を抜くと自由に使えるのは月に５万円である。

さすがに弱者男性とは言え、ちゃんと働いていれば月に５万円はお小遣いがあるのだ。

そこら辺はもしかしたら結婚男子よりはゆとりがあるかもしれない。

だがしかしその分社会的にさげすまれ孤独に震える毎日だ。

まあ、それは良い。

要するに一か月で使えるお金の５分の１のお金が、ものの一時間せず消えてしまったのである。

そのことを考えると、ちょっと胸がむかむかとした。

２万円目を入れる。

どっちみち死んでも一緒な弱者男性だ。

死ぬ気でやってやる！

３マン目。

吐き気がしてくる。

もうこれ以上使うと今月は赤字が確定だ。

少しある貯えを崩さないといけない。

４万円。

胃が痛い。

５万円。

強烈なストレスで頭がクラクラする。

そんな時に当たった。

あれよあれよと球が増えていき、何と終わってみれば４万円の勝ちである。

パチンコ屋の帰り、まだ日が高い。

今日の深夜も仕事である。寝なければ。

私は満足して帰路に着いたのであった。