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十九話 ~憧れの二人乗り~
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前回に引き続き、細莉はまたしても何やら青春をしたいようだった。
理由は何となく察することも出来る。
ようは手っ取り早く響との間にある思い出の差を埋めたいのだろう。
そのためにはテンプレに従ったほうが効率が良いと思ったに違いない。
思い出の補強とでも言えばいいのだろうか。
「あ、なんかこれ漫画みたい!」的な意識付けをさせたほうが確かに後々思い出しやすい気はするが、幼少の頃の思い出の対抗策が偽りの青春なのは果たして良いのだろうかと疑問は残る。
だが、なりふり構っていられるほど細莉の精神状態は穏やかではない。
だから、とりあえず不安を無視できるだけの安心材料が揃うまではこれまで以上の細莉プロデュース青春ストーリーが展開されることはもはや決定事項と言って差し支えなかったりする。
「ごめ~ん、お待たせ~」
学校から出てきた細莉を蓮は校門前で出迎えた。
これまでも夢の世界は唐突に始まったし、事前の説明がないことも日常茶飯事ではあった。
だが、今までは何となく状況を見れば何がしたいのかくらいは察することが出来たのだが、今回に限っては細莉の意図が全く読めない。
互いに制服姿。学校から出てきた細莉が「お待たせ」なんて言葉を言ったということは多分学校にはもう用がないのだろう。
つまり状況的には下校を始めるシチュエーションなのだろうが、目的地が全く分からない。
というのも、普段歩きで登下校をしている二人のはずだが、蓮の横には見覚えのないクロスバイクが置かれていた。
電車などを使うほどではないが、歩きで行くには距離がある場所を目指すことになるからこその用意なのだろうが、それでも意味がわからないのは肝心のクロスバイクが一台しかないからである。
「待った?」
「体感としては待ってないが、さっきお待たせって自分で言ってただろ」
「なら、そこは待ってないって言うところでしょ~」
「気を遣ってもらえると思うのはお前のエゴだからな」
ぷくりと頬を膨らませる細莉は明らかにご不満の様子であったが、毎度毎度意図をくみ取れと言われてよくわからない世界に放り込まれている身としては反骨精神を忘れたくないというのが蓮の本音だ。
唯々諾々と状況に流されていたのではわけのわからない事しか起こらないというのも大きい気はするが、乗るべきところと現実を持ち出すバランスは細莉よりむしろ蓮に委ねられているのだから、わからないときは素直に待ったをかけるのがベターな選択のはずなのだ。
いきなりクロスバイクに跨り、細莉をガン無視してこの場を去ってみるなんてことも可能な中、対話に挑んでいる時点ですでに譲歩しているということを細莉はそろそろわかってもいい。
まぁ、それを選ばないのはなんだかんだ言いながら、蓮がこのやり取りを楽しんでいるからなのだが、それを認めることが出来るほど蓮は自分に素直ではなかった。
「別にいいもん。ほら、早く帰ろ」
そう言って、細莉は何故だかクロスバイクの後輪に跨る。
意味の分からない行動だが、何より意味がわからないのは跨った細莉自信が首を傾げながら、蓮に視線を送っていることだろう。
数回首を捻ってから、細莉は困ったような顔でクロスバイクを指差した。
「このまま自転車漕がれたら、私やばいよね?」
「すでに行動がやばいわけだが……。まぁ、漕がれたらもっとやばいだろうな」
「二人乗りって出来る自転車と出来ない自転車があるの?」
「出来る出来ないっていうかそもそも二人乗りが違法だからな」
「え⁉ けど、二人乗りは青春の代表格だって……」
「前回の喧嘩と言い、お前の青春情報がやけに古いのは一体なぜなんだ……。一応答えるなら、荷台があれば二人乗りは出来るぞ。荷台があるクロスなんてほとんど見ないし、たとえあったとしてクロスで二人乗りはしないだろうけどな」
「……ちょっと待ってて!」
クロスバイクの上から体をどかし、細莉は再び学校の敷地へと戻っていく。
待つこと数分、校門から出てきた細莉はありふれたママチャリを押して来た。
「良くわからないから色々な種類を用意してて正解だった!」
クロスバイクをその辺にほっぽり出して、ママチャリを蓮へと押し付けた細莉は改めて荷台へと座るとサドルをバシバシ叩き始める。
「ほら、行くよ! ほらほらほら‼」
「……わかったよ」
ママチャリへと跨った蓮は荷台でもぞもぞと動きながら、座る位置を調整している細莉へと顔だけを向ける。
「目的地があるわけじゃないんだろ?」
「ないよ。雰囲気を味わってみたかっただけ」
「そんじゃ適当に走り回ればいいわけだな」
「そういうこと!」
蓮がペダルにぐっと力を入れれば、自転車がゆっくりと前進を開始した。
慣れない重さにバランスを取ることが難しいのか、グラグラとやや不安定な乗り心地に細莉は思わず目の前の背中にしがみつく。
いつも見ているはずの背中だったが、こうして直接触って見れば、その背中は見ている以上に大きかった。
蓮にしがみついているという恥ずかしさよりも、頼れる背中に体を預けている安心感が細莉を満たし、ふにゃりとだらしなく顔が綻んでしまう。
蓮は古いと言ったが、何故これが青春の代表格として君臨しているのかを肌で感じ、二人乗りをやることにした過去の自分を細莉は褒めたくすらなっていた。
「えへへ……」
抑えきれない笑みすら零れるその姿はまさしく青春そのものだろう。
その矢先、試練はやってくる。
学校を出てすぐの信号を渡るため、縁石が少し低くなっている地点で蓮が歩道から車道へと走行ルートを変更しようとした。
必然的に自転車には先ほどまでのグラグラ揺れていた横向きの動きではなく、縁石を乗り越えたことで縦方向への衝撃が発生する。
ペダルに足を置き、ハンドルを握りながら、クッション性のあるサドルに座り、自分のタイミングで縁石を乗り越えた蓮にとってその衝撃は大したものではなかった。
しかし、細莉は違う。
足はプラプラと宙で遊び、しがみついてはいても体を固定できていない状態のまま、カッチカチのアルミ合金の上に座る細莉は不意の衝撃に対処し切れなかった。
まず体が浮いた。浮いたと言ってもほんの数センチだが、それでも確実に浮いた。
この時点ではまだ細莉もびっくりした程度の認識しかない。
だが、体が浮いたのならば、もちろんその後は落ちるわけだ。
小柄とは言え、自分の全体重が。
自転車の荷台という細く固い着地地点へと。
足で踏ん張ることも出来ずに、尻で着地する。
柔らかい尻の肉を押し退けて、アルミ製の棒がゴリっとケツ骨とハイタッチをした瞬間、細莉の体を激痛が走り抜けた。
「いぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉」
しかも最悪だったのは、ここが夢ということもあり、細莉の反応がオーバーリアクションだったこと。
普段から痛みを感じれば転げ回ることを良しとしていたせいで、不安定な荷台の上ということも忘れ、細莉は痛みを感じた時には体を横へと倒していた。
もれなく自転車がその動きに巻き込まれる。
ガッシャ―ン!
聞き馴染んだ転倒音を立てながら自転車が横転した。
蓮からすれば、いきなり自転車がなぎ倒されたようなものだ。
やや不安を抱えながら運転していたところにそんな出来事まで重なったことで蓮の心臓がバクバクと音を立て激しく脈動する。
最初こそ状況を理解していなかった蓮だが、自転車が倒れる直前、背中にしがみつく細莉の体重が横に向かって動いたことを想い出し、同じように地面へと投げ出されている細莉に向き直る。
「お前いきなり何してんだ⁉」
「違う、違うの! さっきのでお尻、が……」
自分が悪いことは自覚しているらしく、すぐに弁明の言葉が口をついた細莉だったが、さすがに尻が痛いと好きな相手に言うのは恥ずかしかったらしく、顔が赤くなるのと比例して声のボリュームが小さくなっていく。
最終的にはパクパクと声にならないまま口だけが動いていたが、荷台の上でバウンドしたら尻が思いの外痛かったということは伝わったらしい。
責めるのも酷な話だと、蓮はやけに優しげな眼で細莉を見た。
「これが二人乗りの現実だ」
「うぅ、途中まではすごく良かったのに……」
ここでもう一回と言い出さない辺り、細莉も少しトラウマになっているのかもしれない。
しかし、ふと何かを思い出したらしく、細莉は勢いよく立ち上がると再び学校へと走り去っていく。
小学生が使うような椅子用のクッションでも持って来るつもりなのかと蓮は考えたが、校門から出てきた細莉が持ってきたのはまさかのタンデム自転車であった。
「これなら二人乗りも全然大丈夫じゃないかな!」
公道走っていいんだっけ? とか疑問はあったがここは夢の中。
他に車の走行もなければ、取り締まる警察もいないのだから、タンデム自転車でいくら走り回ろうが問題はない。
促されるままに細莉を前側、蓮は後ろに乗る形でタンデム自転車が発進する。
風を切る感覚は心地よく、二人で漕いでいるからスピードも速く爽快感がある。
間違いなく楽しい。楽しいのだが──
「なんだろう……。私のやりたかった二人乗りとは絶対に違う気がする」
──そりゃそうだろうな。
眉根を寄せてそんなことをぼやく細莉に蓮は内心でツッコミを入れながら、タンデム自転車は目的地もないままにどこまでも進んでいくのだった。
ちなみに余談ではあるが、自転車の種類すらろくにわかっていない細莉がまともに自転車の運転など出来るはずもなく、奇跡的に直進することには成功していたが、曲がり角に差し掛かった瞬間、二人は再び激しく横転することになるのだが、それはまだ数分先の話である。
理由は何となく察することも出来る。
ようは手っ取り早く響との間にある思い出の差を埋めたいのだろう。
そのためにはテンプレに従ったほうが効率が良いと思ったに違いない。
思い出の補強とでも言えばいいのだろうか。
「あ、なんかこれ漫画みたい!」的な意識付けをさせたほうが確かに後々思い出しやすい気はするが、幼少の頃の思い出の対抗策が偽りの青春なのは果たして良いのだろうかと疑問は残る。
だが、なりふり構っていられるほど細莉の精神状態は穏やかではない。
だから、とりあえず不安を無視できるだけの安心材料が揃うまではこれまで以上の細莉プロデュース青春ストーリーが展開されることはもはや決定事項と言って差し支えなかったりする。
「ごめ~ん、お待たせ~」
学校から出てきた細莉を蓮は校門前で出迎えた。
これまでも夢の世界は唐突に始まったし、事前の説明がないことも日常茶飯事ではあった。
だが、今までは何となく状況を見れば何がしたいのかくらいは察することが出来たのだが、今回に限っては細莉の意図が全く読めない。
互いに制服姿。学校から出てきた細莉が「お待たせ」なんて言葉を言ったということは多分学校にはもう用がないのだろう。
つまり状況的には下校を始めるシチュエーションなのだろうが、目的地が全く分からない。
というのも、普段歩きで登下校をしている二人のはずだが、蓮の横には見覚えのないクロスバイクが置かれていた。
電車などを使うほどではないが、歩きで行くには距離がある場所を目指すことになるからこその用意なのだろうが、それでも意味がわからないのは肝心のクロスバイクが一台しかないからである。
「待った?」
「体感としては待ってないが、さっきお待たせって自分で言ってただろ」
「なら、そこは待ってないって言うところでしょ~」
「気を遣ってもらえると思うのはお前のエゴだからな」
ぷくりと頬を膨らませる細莉は明らかにご不満の様子であったが、毎度毎度意図をくみ取れと言われてよくわからない世界に放り込まれている身としては反骨精神を忘れたくないというのが蓮の本音だ。
唯々諾々と状況に流されていたのではわけのわからない事しか起こらないというのも大きい気はするが、乗るべきところと現実を持ち出すバランスは細莉よりむしろ蓮に委ねられているのだから、わからないときは素直に待ったをかけるのがベターな選択のはずなのだ。
いきなりクロスバイクに跨り、細莉をガン無視してこの場を去ってみるなんてことも可能な中、対話に挑んでいる時点ですでに譲歩しているということを細莉はそろそろわかってもいい。
まぁ、それを選ばないのはなんだかんだ言いながら、蓮がこのやり取りを楽しんでいるからなのだが、それを認めることが出来るほど蓮は自分に素直ではなかった。
「別にいいもん。ほら、早く帰ろ」
そう言って、細莉は何故だかクロスバイクの後輪に跨る。
意味の分からない行動だが、何より意味がわからないのは跨った細莉自信が首を傾げながら、蓮に視線を送っていることだろう。
数回首を捻ってから、細莉は困ったような顔でクロスバイクを指差した。
「このまま自転車漕がれたら、私やばいよね?」
「すでに行動がやばいわけだが……。まぁ、漕がれたらもっとやばいだろうな」
「二人乗りって出来る自転車と出来ない自転車があるの?」
「出来る出来ないっていうかそもそも二人乗りが違法だからな」
「え⁉ けど、二人乗りは青春の代表格だって……」
「前回の喧嘩と言い、お前の青春情報がやけに古いのは一体なぜなんだ……。一応答えるなら、荷台があれば二人乗りは出来るぞ。荷台があるクロスなんてほとんど見ないし、たとえあったとしてクロスで二人乗りはしないだろうけどな」
「……ちょっと待ってて!」
クロスバイクの上から体をどかし、細莉は再び学校の敷地へと戻っていく。
待つこと数分、校門から出てきた細莉はありふれたママチャリを押して来た。
「良くわからないから色々な種類を用意してて正解だった!」
クロスバイクをその辺にほっぽり出して、ママチャリを蓮へと押し付けた細莉は改めて荷台へと座るとサドルをバシバシ叩き始める。
「ほら、行くよ! ほらほらほら‼」
「……わかったよ」
ママチャリへと跨った蓮は荷台でもぞもぞと動きながら、座る位置を調整している細莉へと顔だけを向ける。
「目的地があるわけじゃないんだろ?」
「ないよ。雰囲気を味わってみたかっただけ」
「そんじゃ適当に走り回ればいいわけだな」
「そういうこと!」
蓮がペダルにぐっと力を入れれば、自転車がゆっくりと前進を開始した。
慣れない重さにバランスを取ることが難しいのか、グラグラとやや不安定な乗り心地に細莉は思わず目の前の背中にしがみつく。
いつも見ているはずの背中だったが、こうして直接触って見れば、その背中は見ている以上に大きかった。
蓮にしがみついているという恥ずかしさよりも、頼れる背中に体を預けている安心感が細莉を満たし、ふにゃりとだらしなく顔が綻んでしまう。
蓮は古いと言ったが、何故これが青春の代表格として君臨しているのかを肌で感じ、二人乗りをやることにした過去の自分を細莉は褒めたくすらなっていた。
「えへへ……」
抑えきれない笑みすら零れるその姿はまさしく青春そのものだろう。
その矢先、試練はやってくる。
学校を出てすぐの信号を渡るため、縁石が少し低くなっている地点で蓮が歩道から車道へと走行ルートを変更しようとした。
必然的に自転車には先ほどまでのグラグラ揺れていた横向きの動きではなく、縁石を乗り越えたことで縦方向への衝撃が発生する。
ペダルに足を置き、ハンドルを握りながら、クッション性のあるサドルに座り、自分のタイミングで縁石を乗り越えた蓮にとってその衝撃は大したものではなかった。
しかし、細莉は違う。
足はプラプラと宙で遊び、しがみついてはいても体を固定できていない状態のまま、カッチカチのアルミ合金の上に座る細莉は不意の衝撃に対処し切れなかった。
まず体が浮いた。浮いたと言ってもほんの数センチだが、それでも確実に浮いた。
この時点ではまだ細莉もびっくりした程度の認識しかない。
だが、体が浮いたのならば、もちろんその後は落ちるわけだ。
小柄とは言え、自分の全体重が。
自転車の荷台という細く固い着地地点へと。
足で踏ん張ることも出来ずに、尻で着地する。
柔らかい尻の肉を押し退けて、アルミ製の棒がゴリっとケツ骨とハイタッチをした瞬間、細莉の体を激痛が走り抜けた。
「いぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉」
しかも最悪だったのは、ここが夢ということもあり、細莉の反応がオーバーリアクションだったこと。
普段から痛みを感じれば転げ回ることを良しとしていたせいで、不安定な荷台の上ということも忘れ、細莉は痛みを感じた時には体を横へと倒していた。
もれなく自転車がその動きに巻き込まれる。
ガッシャ―ン!
聞き馴染んだ転倒音を立てながら自転車が横転した。
蓮からすれば、いきなり自転車がなぎ倒されたようなものだ。
やや不安を抱えながら運転していたところにそんな出来事まで重なったことで蓮の心臓がバクバクと音を立て激しく脈動する。
最初こそ状況を理解していなかった蓮だが、自転車が倒れる直前、背中にしがみつく細莉の体重が横に向かって動いたことを想い出し、同じように地面へと投げ出されている細莉に向き直る。
「お前いきなり何してんだ⁉」
「違う、違うの! さっきのでお尻、が……」
自分が悪いことは自覚しているらしく、すぐに弁明の言葉が口をついた細莉だったが、さすがに尻が痛いと好きな相手に言うのは恥ずかしかったらしく、顔が赤くなるのと比例して声のボリュームが小さくなっていく。
最終的にはパクパクと声にならないまま口だけが動いていたが、荷台の上でバウンドしたら尻が思いの外痛かったということは伝わったらしい。
責めるのも酷な話だと、蓮はやけに優しげな眼で細莉を見た。
「これが二人乗りの現実だ」
「うぅ、途中まではすごく良かったのに……」
ここでもう一回と言い出さない辺り、細莉も少しトラウマになっているのかもしれない。
しかし、ふと何かを思い出したらしく、細莉は勢いよく立ち上がると再び学校へと走り去っていく。
小学生が使うような椅子用のクッションでも持って来るつもりなのかと蓮は考えたが、校門から出てきた細莉が持ってきたのはまさかのタンデム自転車であった。
「これなら二人乗りも全然大丈夫じゃないかな!」
公道走っていいんだっけ? とか疑問はあったがここは夢の中。
他に車の走行もなければ、取り締まる警察もいないのだから、タンデム自転車でいくら走り回ろうが問題はない。
促されるままに細莉を前側、蓮は後ろに乗る形でタンデム自転車が発進する。
風を切る感覚は心地よく、二人で漕いでいるからスピードも速く爽快感がある。
間違いなく楽しい。楽しいのだが──
「なんだろう……。私のやりたかった二人乗りとは絶対に違う気がする」
──そりゃそうだろうな。
眉根を寄せてそんなことをぼやく細莉に蓮は内心でツッコミを入れながら、タンデム自転車は目的地もないままにどこまでも進んでいくのだった。
ちなみに余談ではあるが、自転車の種類すらろくにわかっていない細莉がまともに自転車の運転など出来るはずもなく、奇跡的に直進することには成功していたが、曲がり角に差し掛かった瞬間、二人は再び激しく横転することになるのだが、それはまだ数分先の話である。
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