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第四章 勇者パーティー
第十六話 何かバレてる
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「はぁ~あ。凄い心残りのある別れ方しちゃったなぁ……」
俺はクリスとノアが待っている宿に向かって歩きながら、そう呟いた。
転移して帰る方が速いのだが、何故かそれをする気にはなれなかった。
「意外と俺って人を信用できないんだな。ただ、他人の言葉は何故か信用するんだよな」
俺ってよく分からない人間だよなぁ……いや、人間ではなかったな。
「ただ、これでシャノンとの仲は最悪になったよな……」
あの時、もっといい言葉は無かったのだろうか。
誰もが納得できるいい言葉は無かったのだろうか。
そう自身に問いかけてみたが、納得できる答えは出てこなかった。
「はぁ……まあ、さっきの話はなかったことにしろって言っちゃったから、接し方は変えないようにしないとな」
俺はため息をついた。
「ただいまー」
宿に戻った俺は、部屋のドアを開けると、中に入った。
「あ、おかえり!」
「おかえりー」
中に入ると、クリスとノアが出迎えてくれた。
「試験は合格だったよ」
俺は二人に早速合格の報告をした。
「おめでとう。ユート」
「パパ! おめでとう!」
二人は試験の合格を心から喜んでくれた。
「ありがとう」
俺は笑顔を見せると、ソファに座った。
「五日後にまた王都に行くことになっている。だから、それまでは鍛錬したり、のんびりしたりすればいいな」
「そうね。じゃ、一旦里に帰りましょう」
「分かった。〈空間操作〉」
俺達は〈空間操作〉でエルフの里に転移した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シャノン視点
私は今、王城の図書室に来ている。
勇者パーティーになったお陰で、ここに入る許可を貰うことが出来た。
「魔法の歴史についての本はありますか?」
私は司書にそう問いかけた。
「そうですね……108の3の棚の所にいくつかありますよ」
「ありがとう」
私は例を言うと、その場所へ向かった。
「……これね」
私はそこにあった本の中で一番厚いものを取り出すと、椅子に座り、本を開いた。
「ユートがさっき使っていた魔法。転移魔法のような、失われた魔法の類いよね」
あの時、ユートが〈重力操作〉と小声で言った途端、私は何かに押さえつけられたかのように動けなくなり、そのまま立つことも出来なくなった。
「……これは――」
私は数ページめくったところで手を止めた。
そこには、こう書かれてあった。
・闇属性
古代に選ばれしものが行使した伝説の属性。
〈闇操作〉
闇を自在に創造、変化、操作する魔法。
〈空間操作〉
空間に干渉する魔法。
〈重力操作〉
重力に干渉する魔法。
「……」
私は驚きの余り声が出なかった。
さっきユートが使った魔法が、伝説級の魔法として、書かれていたからだ。
「……確かにこれは隠した方が良いわね」
ユートが本当のステータスを見せたがらない理由が分かった。
この属性の魔法は、見るからに強力な魔法だった。他の属性とは次元の異なるものだった。
「このこと。一応ユートに言っておきましょう。そして、謝らないと」
私は深く息を吐くと、本を閉じた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
フェリル視点
「じい。勇者パーティーのみんなは嘘ついていなかったかしら?」
私はテラスで執事のじいが淹れた紅茶を飲むと、そう問いかけた。
「私のスキル。真偽で見た結果、嘘をついていたのは一人だけでした」
「そうなのね……誰かしら?」
予想内だったので、特に驚くことなく誰かを聞いた。
「はい。ユートと言う名の男性です」
「そうですか。どこで嘘をつきましたか?」
あの中で一番強い彼が嘘をついたのは予想外だ。ただ、その驚きを顔に出すことはなかった。
「彼が見せたステータスが嘘です。あれより強いのか、弱いのかは分かりませんでしたが……」
「そう……別にわざわざ隠さなくてもいいのに。私たちの中で最大戦力である彼を害するような愚か者がいるはずがないでしょうに……」
私は俯くと、そう言った。
「フェリル様を欺こうなどとは無礼にもほどがあります。今すぐ連れてきて、問い詰めましょうか?」
「やめなさい。じい。彼は騎士団長ですら勝てなかった男。そんな彼と敵対するような行動を取って、他国に行かれたら大変よ」
「承知しました」
私はじいを下がらせると、夕陽を眺めながら、紅茶を飲み干した。
俺はクリスとノアが待っている宿に向かって歩きながら、そう呟いた。
転移して帰る方が速いのだが、何故かそれをする気にはなれなかった。
「意外と俺って人を信用できないんだな。ただ、他人の言葉は何故か信用するんだよな」
俺ってよく分からない人間だよなぁ……いや、人間ではなかったな。
「ただ、これでシャノンとの仲は最悪になったよな……」
あの時、もっといい言葉は無かったのだろうか。
誰もが納得できるいい言葉は無かったのだろうか。
そう自身に問いかけてみたが、納得できる答えは出てこなかった。
「はぁ……まあ、さっきの話はなかったことにしろって言っちゃったから、接し方は変えないようにしないとな」
俺はため息をついた。
「ただいまー」
宿に戻った俺は、部屋のドアを開けると、中に入った。
「あ、おかえり!」
「おかえりー」
中に入ると、クリスとノアが出迎えてくれた。
「試験は合格だったよ」
俺は二人に早速合格の報告をした。
「おめでとう。ユート」
「パパ! おめでとう!」
二人は試験の合格を心から喜んでくれた。
「ありがとう」
俺は笑顔を見せると、ソファに座った。
「五日後にまた王都に行くことになっている。だから、それまでは鍛錬したり、のんびりしたりすればいいな」
「そうね。じゃ、一旦里に帰りましょう」
「分かった。〈空間操作〉」
俺達は〈空間操作〉でエルフの里に転移した。
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シャノン視点
私は今、王城の図書室に来ている。
勇者パーティーになったお陰で、ここに入る許可を貰うことが出来た。
「魔法の歴史についての本はありますか?」
私は司書にそう問いかけた。
「そうですね……108の3の棚の所にいくつかありますよ」
「ありがとう」
私は例を言うと、その場所へ向かった。
「……これね」
私はそこにあった本の中で一番厚いものを取り出すと、椅子に座り、本を開いた。
「ユートがさっき使っていた魔法。転移魔法のような、失われた魔法の類いよね」
あの時、ユートが〈重力操作〉と小声で言った途端、私は何かに押さえつけられたかのように動けなくなり、そのまま立つことも出来なくなった。
「……これは――」
私は数ページめくったところで手を止めた。
そこには、こう書かれてあった。
・闇属性
古代に選ばれしものが行使した伝説の属性。
〈闇操作〉
闇を自在に創造、変化、操作する魔法。
〈空間操作〉
空間に干渉する魔法。
〈重力操作〉
重力に干渉する魔法。
「……」
私は驚きの余り声が出なかった。
さっきユートが使った魔法が、伝説級の魔法として、書かれていたからだ。
「……確かにこれは隠した方が良いわね」
ユートが本当のステータスを見せたがらない理由が分かった。
この属性の魔法は、見るからに強力な魔法だった。他の属性とは次元の異なるものだった。
「このこと。一応ユートに言っておきましょう。そして、謝らないと」
私は深く息を吐くと、本を閉じた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
フェリル視点
「じい。勇者パーティーのみんなは嘘ついていなかったかしら?」
私はテラスで執事のじいが淹れた紅茶を飲むと、そう問いかけた。
「私のスキル。真偽で見た結果、嘘をついていたのは一人だけでした」
「そうなのね……誰かしら?」
予想内だったので、特に驚くことなく誰かを聞いた。
「はい。ユートと言う名の男性です」
「そうですか。どこで嘘をつきましたか?」
あの中で一番強い彼が嘘をついたのは予想外だ。ただ、その驚きを顔に出すことはなかった。
「彼が見せたステータスが嘘です。あれより強いのか、弱いのかは分かりませんでしたが……」
「そう……別にわざわざ隠さなくてもいいのに。私たちの中で最大戦力である彼を害するような愚か者がいるはずがないでしょうに……」
私は俯くと、そう言った。
「フェリル様を欺こうなどとは無礼にもほどがあります。今すぐ連れてきて、問い詰めましょうか?」
「やめなさい。じい。彼は騎士団長ですら勝てなかった男。そんな彼と敵対するような行動を取って、他国に行かれたら大変よ」
「承知しました」
私はじいを下がらせると、夕陽を眺めながら、紅茶を飲み干した。
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