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第四章 勇者パーティー
第五話 ギルド本部長に会う
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次の日の朝――
「みんな、準備はいい?」
「大丈夫よ」
「うん。ばっちり」
朝食を食べ終えた俺たちは宿を出て、宿の従業員に教えてもらった道を通って冒険者ギルドに向かうつもりだ。
「すげぇ人通りだな。迷子にならないように気をつけろよ」
王都は今まで見てきた街と比べても人通りの激しさが段違いだ。少しでも目を離したら、迷子になりかねない。
「大丈夫よ。ノアちゃんと一緒にずっとユートの傍にいるから」
クリスはノアを抱っこすると、俺のすぐ隣を歩いた。
「分かった。後は冒険者ギルドで絡まれないことを祈るだけだな」
俺は半ば諦めつつも、全力でトラブルが起きないことを祈った。
「……ゴロツキがいない」
冒険者ギルドに入った俺は、思わずそう呟いた。
冒険者ギルド内にある酒場で酔っぱらっている人はゼロ。
声を荒げている人もゼロ。
ちゃんと秩序が保たれている王都の冒険者ギルドを見て、俺は目を見開いた。
「流石王都ってところなのかな? まあいいや。取りあえず受付に行って、本部長に会いに行かないと」
俺はそう言うと、クリス達と共に受付に並んだ。
「ギルド本部長に会いに来た。”レティウス様の紹介でユートが来た”と伝えれば分かるはずだ。
俺は受付嬢にそう言った。
「は、はい。かしこまりました。少々お待ちください」
受付嬢は目を見開いて驚いたが、直ぐに表情を元に戻すと、二階へと向かった。
三十秒後、受付嬢と共に白髪金眼の老執事のような男性が下りてきた。
「君がユート君だね。試験書を見せてくれ」
男性はにこやかな笑みを浮かべながらそう言った。
「分かりました」
俺は頷くと、〈アイテムボックス〉から試験書を取り出し、男性に見せた。
「ふむ……本物だな。では、私について来てくれ」
「分かりました」
俺は試験書を〈アイテムボックス〉にしまうと、クリスと共に男性の後をついて行った。
「ソファに座ってくれ」
「分かった」
応接室に案内された俺たちは、対面するように置かれているソファに座った。男性も、俺達の反対側に座ると、口を開いた。
「まず、自己紹介をしよう。私の名前はエドワード。冒険者ギルド本部長をやっている。元Sランク冒険者だ」
「俺の名前はユート。Cランク冒険者だ。横にいるのは妻のクリスと、娘のノアだ」
「分かった。では、本題に入ろう。ここに呼んだのは、勇者パーティーに入るのにふさわしい人格なのかを見極める為だ。いくら強くても、人格に問題があったら入れるわけにはいかないからね」
エドワードさんはそう言うと、紅茶を飲んだ。
「そうなんですか……では、俺はふさわしいと思うんですか?」
俺は少し不安になりながらもそう聞いた。
「うん。合格だよ。まあ、レティウス様が問題のある人間を推薦するわけがないけどね」
「良かった……」
俺が安堵の息を吐いた。
「あと、入試についても言っておこうか。試験は王城にあるコロシアムで行われる。試験では騎士団長か宮廷魔法師長のどちらかと戦うことになっている。そして、勇者パーティーに選ばれるのは六人だ」
「なるほどな」
そこではとにかく、強さを見せつけないといけない。
「なるほどな。そこではとにかく強さを見せればいいと?」
「そう言うことになるね。因みに今回最終試験を受けるのは十二人だ」
「なるほどな……それならどうにかなりそうだ」
己の強さに自信があるとはいえ、受かる人が一人や二人だと心配になってしまうからな。
「では、失礼しました」
会話を終えた俺は頭を下げると、部屋の外に出た。
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「みんな、準備はいい?」
「大丈夫よ」
「うん。ばっちり」
朝食を食べ終えた俺たちは宿を出て、宿の従業員に教えてもらった道を通って冒険者ギルドに向かうつもりだ。
「すげぇ人通りだな。迷子にならないように気をつけろよ」
王都は今まで見てきた街と比べても人通りの激しさが段違いだ。少しでも目を離したら、迷子になりかねない。
「大丈夫よ。ノアちゃんと一緒にずっとユートの傍にいるから」
クリスはノアを抱っこすると、俺のすぐ隣を歩いた。
「分かった。後は冒険者ギルドで絡まれないことを祈るだけだな」
俺は半ば諦めつつも、全力でトラブルが起きないことを祈った。
「……ゴロツキがいない」
冒険者ギルドに入った俺は、思わずそう呟いた。
冒険者ギルド内にある酒場で酔っぱらっている人はゼロ。
声を荒げている人もゼロ。
ちゃんと秩序が保たれている王都の冒険者ギルドを見て、俺は目を見開いた。
「流石王都ってところなのかな? まあいいや。取りあえず受付に行って、本部長に会いに行かないと」
俺はそう言うと、クリス達と共に受付に並んだ。
「ギルド本部長に会いに来た。”レティウス様の紹介でユートが来た”と伝えれば分かるはずだ。
俺は受付嬢にそう言った。
「は、はい。かしこまりました。少々お待ちください」
受付嬢は目を見開いて驚いたが、直ぐに表情を元に戻すと、二階へと向かった。
三十秒後、受付嬢と共に白髪金眼の老執事のような男性が下りてきた。
「君がユート君だね。試験書を見せてくれ」
男性はにこやかな笑みを浮かべながらそう言った。
「分かりました」
俺は頷くと、〈アイテムボックス〉から試験書を取り出し、男性に見せた。
「ふむ……本物だな。では、私について来てくれ」
「分かりました」
俺は試験書を〈アイテムボックス〉にしまうと、クリスと共に男性の後をついて行った。
「ソファに座ってくれ」
「分かった」
応接室に案内された俺たちは、対面するように置かれているソファに座った。男性も、俺達の反対側に座ると、口を開いた。
「まず、自己紹介をしよう。私の名前はエドワード。冒険者ギルド本部長をやっている。元Sランク冒険者だ」
「俺の名前はユート。Cランク冒険者だ。横にいるのは妻のクリスと、娘のノアだ」
「分かった。では、本題に入ろう。ここに呼んだのは、勇者パーティーに入るのにふさわしい人格なのかを見極める為だ。いくら強くても、人格に問題があったら入れるわけにはいかないからね」
エドワードさんはそう言うと、紅茶を飲んだ。
「そうなんですか……では、俺はふさわしいと思うんですか?」
俺は少し不安になりながらもそう聞いた。
「うん。合格だよ。まあ、レティウス様が問題のある人間を推薦するわけがないけどね」
「良かった……」
俺が安堵の息を吐いた。
「あと、入試についても言っておこうか。試験は王城にあるコロシアムで行われる。試験では騎士団長か宮廷魔法師長のどちらかと戦うことになっている。そして、勇者パーティーに選ばれるのは六人だ」
「なるほどな」
そこではとにかく、強さを見せつけないといけない。
「なるほどな。そこではとにかく強さを見せればいいと?」
「そう言うことになるね。因みに今回最終試験を受けるのは十二人だ」
「なるほどな……それならどうにかなりそうだ」
己の強さに自信があるとはいえ、受かる人が一人や二人だと心配になってしまうからな。
「では、失礼しました」
会話を終えた俺は頭を下げると、部屋の外に出た。
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