121 / 161
第三章 エルフの里
第十六話 シャオニンの過去
しおりを挟む
僕は、カルダント帝国の辺境の村で、農家の子として生まれた。お父さんが、元Aランク冒険者だった影響で、僕は小さい頃から、お父さんに剣術を教わっていた。
そんな僕は七歳の時に、人生を大きく左右させる出来事が起きた。
あの日、ぼくの村に帝国の騎士団が入ってきた。何やら強い魔物の討伐を終えて疲れているから、ここで一晩休みたいと言っていた。まあ、僕は挨拶している彼らを尻目に、ずっと剣を振っていた。
すると、そこに当時の騎士団長が来て、こう言ったんだ。
「君、いい筋だね。ちょっとおじさんと戦ってみないか?」
僕はその言葉に応じて、戦った。当然負けたんだけど、あのお手本のような剣技をこの身で味わうことが出来て、とても楽しかった。その後、僕は何度もあの人と戦った。すると、あの人――いや、師匠はこう提案してきたんだ。
「君には恐ろしいほどの素質がある。本気で剣術を学ぶ気があるのなら、私の紹介で帝国立学園に入れてあげるよ」
その提案に、僕は乗った。両親も、僕が帝国騎士団長の紹介で学園に入れると聞くと、反対はしなかった。僕がここから出てしまうことは寂しいと言っていた。だが、それ以上に成長が楽しみと言ってくれた。
その後、入学の許可が下りた僕は、学園に入学した。
そして、そこで六年間剣術を鍛えた後、卒業した。
その後は二年間の騎士見習いを経て、十五歳の時に、師匠と同じ帝国騎士団に入ることが出来た。
僕が平民なのに、優秀すぎたせいで、貴族の子息からはよく陰湿な嫌がらせを受けていた。まあ、〈剣術〉のスキルを持ってないのに、剣の技量がトップクラスだったら、嫉妬されてもしょーがないよね。
まあ、僕はそんな陰湿な嫌がらせをスルーしながら、剣術を磨き続けた
その結果ニ十歳の若さで帝国騎士副団長に任命されたんだ。
だが、僕が副団長になったということは、副団長の座を下ろされたやつがいるということになる。
そいつには結構恨まれたなぁ~
五十代になっても、現役で団長をやっている師匠が目を光らせてくれていたお陰で、特に事件は起きなかった。
だけどあの日、僕が二十三歳の時に師匠が病気で死んじゃったことで、事件が起こる。
僕は師匠が死んだことで、歴代最年少の騎士団長になった。因みに副団長は、一度僕に副団長の座を奪われたあいつだ。
僕は団長になっても、変わらず剣術を楽しんだ。
だけど、あいつはどうやら僕を殺したら団長になれると思ったらしい。
まあ、あいつごときが僕を倒せるわけがない。そう思ってたんだけど、あいつは根回しをしまくって、僕を罪人にして、帝国から追放したんだ。まあ、やり方は違えど、実質僕を殺したようなものなんだよね。
それにしても、あの裁判は心にきたなぁ……
皇帝には馬事雑言を浴びせられ、あいつには笑われ、貴族どもは僕のことを平民だと馬鹿にしていた。
流石にイラついた僕は、あの後城の宝物庫に侵入して、古代遺物をねこぞぎ奪ってやった。
でまあ、何だかんだあって、僕は神の涙の幹部になってたってわけだ。
ん? 何だかんだの部分を知りたいって?
でもその辺は説明するまでもないからなぁ……
普通に組織の勧誘に乗って、普通に出世しただけだしね。あ、でも何でこの組織に入ったことぐらいは教えてあげるよ。それは、帝国からの「古代遺物を返せー!」の追跡から逃れる為――と言うのは表向きの理由。本当の目的は、帝国の上層部をきれいさっぱりお掃除することだよ。まあ、それを早く成し遂げる為に、手段を選ばなくなってしまったのは反省かな?
僕に来世があるのなら、人とのつながりを大切にして生きたい。
====================
作者からのお知らせ
予定より少し早いですが、もう一つ新作を投稿しました。個人的には、その作品が一番いいと思っています。
下のフリースペースに、URLを貼ったので、そちらからどうぞ。
そんな僕は七歳の時に、人生を大きく左右させる出来事が起きた。
あの日、ぼくの村に帝国の騎士団が入ってきた。何やら強い魔物の討伐を終えて疲れているから、ここで一晩休みたいと言っていた。まあ、僕は挨拶している彼らを尻目に、ずっと剣を振っていた。
すると、そこに当時の騎士団長が来て、こう言ったんだ。
「君、いい筋だね。ちょっとおじさんと戦ってみないか?」
僕はその言葉に応じて、戦った。当然負けたんだけど、あのお手本のような剣技をこの身で味わうことが出来て、とても楽しかった。その後、僕は何度もあの人と戦った。すると、あの人――いや、師匠はこう提案してきたんだ。
「君には恐ろしいほどの素質がある。本気で剣術を学ぶ気があるのなら、私の紹介で帝国立学園に入れてあげるよ」
その提案に、僕は乗った。両親も、僕が帝国騎士団長の紹介で学園に入れると聞くと、反対はしなかった。僕がここから出てしまうことは寂しいと言っていた。だが、それ以上に成長が楽しみと言ってくれた。
その後、入学の許可が下りた僕は、学園に入学した。
そして、そこで六年間剣術を鍛えた後、卒業した。
その後は二年間の騎士見習いを経て、十五歳の時に、師匠と同じ帝国騎士団に入ることが出来た。
僕が平民なのに、優秀すぎたせいで、貴族の子息からはよく陰湿な嫌がらせを受けていた。まあ、〈剣術〉のスキルを持ってないのに、剣の技量がトップクラスだったら、嫉妬されてもしょーがないよね。
まあ、僕はそんな陰湿な嫌がらせをスルーしながら、剣術を磨き続けた
その結果ニ十歳の若さで帝国騎士副団長に任命されたんだ。
だが、僕が副団長になったということは、副団長の座を下ろされたやつがいるということになる。
そいつには結構恨まれたなぁ~
五十代になっても、現役で団長をやっている師匠が目を光らせてくれていたお陰で、特に事件は起きなかった。
だけどあの日、僕が二十三歳の時に師匠が病気で死んじゃったことで、事件が起こる。
僕は師匠が死んだことで、歴代最年少の騎士団長になった。因みに副団長は、一度僕に副団長の座を奪われたあいつだ。
僕は団長になっても、変わらず剣術を楽しんだ。
だけど、あいつはどうやら僕を殺したら団長になれると思ったらしい。
まあ、あいつごときが僕を倒せるわけがない。そう思ってたんだけど、あいつは根回しをしまくって、僕を罪人にして、帝国から追放したんだ。まあ、やり方は違えど、実質僕を殺したようなものなんだよね。
それにしても、あの裁判は心にきたなぁ……
皇帝には馬事雑言を浴びせられ、あいつには笑われ、貴族どもは僕のことを平民だと馬鹿にしていた。
流石にイラついた僕は、あの後城の宝物庫に侵入して、古代遺物をねこぞぎ奪ってやった。
でまあ、何だかんだあって、僕は神の涙の幹部になってたってわけだ。
ん? 何だかんだの部分を知りたいって?
でもその辺は説明するまでもないからなぁ……
普通に組織の勧誘に乗って、普通に出世しただけだしね。あ、でも何でこの組織に入ったことぐらいは教えてあげるよ。それは、帝国からの「古代遺物を返せー!」の追跡から逃れる為――と言うのは表向きの理由。本当の目的は、帝国の上層部をきれいさっぱりお掃除することだよ。まあ、それを早く成し遂げる為に、手段を選ばなくなってしまったのは反省かな?
僕に来世があるのなら、人とのつながりを大切にして生きたい。
====================
作者からのお知らせ
予定より少し早いですが、もう一つ新作を投稿しました。個人的には、その作品が一番いいと思っています。
下のフリースペースに、URLを貼ったので、そちらからどうぞ。
4
お気に入りに追加
1,702
あなたにおすすめの小説

見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-
三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。
悠久はチートを要求するが、女神からの返答は
「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」
見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。
しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!?
手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!
克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。
アルファポリスオンリー

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる