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第二章 ダンジョン都市ティリアン

第二十話 最強の魔物

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「……ここってドラゴンの巣なのか?」

 九十一階層に下りてから、出てくる魔物は全てドラゴンだった。アースドラゴンはもちろんのこと、フレアドラゴンを小さくしたようなドラゴンや、そのドラゴンの体の色がコバルトブルーやエメラルドグリーンになったドラゴンもいた。
 その三体を〈鑑定〉してみると、
 ー--------------
 名前 ファイアドラゴン LV.80
 体力 17000/17000
 魔力 19100/19100
 攻撃 15300
 防護 14100
 俊敏性 8900
 弱点
 ・水属性
 魔法
 ・火属性
 獲物を見つけると即座に魔法で焼き尽くす。
 ー--------------

 ー--------------
 名前 アイスドラゴン LV.79
 体力 18100/18100
 魔力 16300/16300
 攻撃 14300
 防護 15300
 俊敏性 8100
 弱点
 ・火属性
 魔法
 ・水属性
 獲物を見つけると即座に魔法でフルボッコにする。
 ー--------------

 ー--------------
 名前 ウインドドラゴン LV.82
 体力 15000/15000
 魔力 20800/20800
 攻撃 15100
 防護 13200
 俊敏性 14800
 弱点
 ・土属性
 魔法
 ・風属性
 獲物を見つけると即座に魔法で粉々にする。
 ー--------------
 と表示された。
 強いと言えば強いのだが、フレアドラゴンと戦った後のせいであまり強く見えない。
 ちょうど前方にドラゴンの群れが現れたのだが、これも簡単に対処できる。

「じゃ、LV.100になる為の糧になってくれ」

 そう言うと、俺はドラゴンの群れに〈岩石流星群ロックメテオ〉を撃ち込んだ。
 天井から降り注ぐ岩一つ一つがドラゴン一体の命を奪える威力を持っている。そんなものが大量に降り注ぐこの光景は、ドラゴンからしたら悪夢でしかない。
 結果、前方にいた十数体のドラゴンは一分足らずで全滅した。

「……LVはまだ上がらないか……」

 次のLVアップがものすごく遠く感じながらも、俺は直ぐに気持ちを切り替えて走り出した。




「……つ、着いた……」

 思わずそう呟いた。
 俺は九十階層を攻略してから更に五日かけて、ようやく百階層のフロアボスがいる部屋の前に着いた。因みにLVはあれから一切上がっていない。

「何となくだがここが最下層だと思うんだけどなぁ……」

 そう思った理由は、ダンジョンは百階層が最下層というのは暗黙の了解だからだ。あと、扉が今までの扉と比べると凄い豪華な造りになっている。

「――よし、入るか!」

 俺は今まで以上に気合と覚悟を持つと、ゆっくりと扉を開き、中に入った。

「……あいつか」

 部屋は前回と同じくらいの大きさだ。そして、その中央には体長四十メートルほどの漆黒の鱗を持つドラゴンがいて、深紅の瞳が俺のことを睨みつけていた。威圧感があり、見るからにヤバいと思わせるようなドラゴンだ。
 俺はこのドラゴンを〈鑑定〉した。
 ー--------------
 名前 エンシェントドラゴン LV.100
 体力 25900/25900
 魔力 26700/26700
 攻撃 20000
 防護 21800
 俊敏性 16000
 弱点
 ・光属性
 魔法
 ・火属性
 ・水属性
 ・風属性
 スキル
 ・回復速度上昇LV.MAX
 ・威圧LV.MAX
 数千年の時を生きる最強の魔物。
 ー--------------

「……LV.100か……」

 俺はエンシェントドラゴンのLVを見て、思わず言葉を漏らした。
 その直後、エンシェントドラゴンは翼をを大きく広げ威圧感が更に増した。

「グルアアアアァ!!!」

 エンシェントドラゴンは咆哮を上げると、俺めがけて口から極小の〈獄炎地獄インフェルノ〉を放った。

「ちっ避けるか」

 最高火力をたたき込んでも一発では倒すことが出来ないと思った俺は魔力温存のために〈身体強化〉を使うと回避した。

「グルァ!!」

 エンシェントドラゴンは、俺に〈獄炎地獄インフェルノ〉が当たらないことを読んだのか、俺が回避を選択した瞬間に低空飛行をしながら突進してきた。
 だが、それは悪手だ。

「近づいてきてくれるのならこっちも当てやすいな。〈風之龍息吹ドラゴンブレス〉!」

 俺はギリギリまで引き付けてから〈風之龍息吹ドラゴンブレス〉を撃った。

「!? グギャアアァ!!」

 エンシェントドラゴンは近距離から放たれた〈風之龍息吹ドラゴンブレス〉にはどうすることも出来ずに、もろにくらった。
 だが、最強の魔物の称号は伊達ではなく、生き残った。
 そして、今度はエンシェントドラゴンが〈氷之龍息吹ドラゴンブレス〉を放った。

「やっべ」

 さっきのエンシェントドラゴンと同じ状況に陥った俺は、即座に回避を選択した。
 だが、流石にこの距離では避けきることは出来ず、半身が凍り付いた。

「ぐ……〈炎剣フレアソード〉!」

 俺は即座に〈炎剣フレアソード〉を凍った部分に使うことで溶かすと、〈回復ヒール〉で傷を完治させた。

「よくもやってくれたなあ!」

 俺はそう叫ぶと、〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出した。そして、〈剣術〉と〈光白剣ホーリーソード〉を使った。
 そして、エンシェントドラゴンの背後に立つと、背中を切り裂いた。

「グギャアアア!!」

 背中から血が垂れ、エンシェントドラゴンは痛みで悲鳴を上げた。
 だが、その場に留まることなく、かなりの速さで五十メートルほど上に飛んだ。
 そして、上から大量の〈氷槍アイスランス〉を雨のように落としてきた。
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