異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
77 / 161
第二章 ダンジョン都市ティリアン

第十話 トラブルホイホイ

しおりを挟む
「……この辺で今日は終わりにしようかな?」

 俺は二十三階層を攻略し、二十四階層へ下りる階段の途中でそう呟いた。

「まずはスペースを確保するか」

 そう言うと、俺は〈土壁アースウォール〉で床を作り、〈地形操作アースコントロール〉で形を整えた。これで、テントを建てられるようになった。
 その後、〈アイテムボックス〉から取り出したテントを建てて、寝る準備が終わった。

「じゃ、後はステータスを見ながらのんびり夕食を食べるとするか~」

 俺はそう言うと、テントの中に入った。

 テントの中に入った俺は、靴を脱いで〈アイテムボックス〉に入れると、そこから串焼きを数本取り出して口に入れながらステータスを見た。
 ー--------------
 名前 ユート・アラキ 不老人族 LV.57
 体力 12500/12500
 魔力 16800/16800
 攻撃 11000
 防護 9200
 俊敏性 14000
 スキル
 ・鑑定LV.MAX
 ・言語翻訳LV.MAX
 ・身体強化LV.9
 ・剣術LV.8
 ・アイテムボックスLV.MAX
 魔法
 ・火属性
 ・水属性
 ・風属性
 ・土属性
 ・光属性
 ー--------------
「……まあこんなもんだよな」

 弱い魔物はほとんどスルーしているとはいえ、Eランクぐらいの魔物を五十体、Dランクぐらいの魔物を四百体、Cランクぐらいの魔物を一体、Bランクぐらいの魔物を一体倒している。
 これほどの数の魔物を倒してたったこれだけしか上がらないとなると、早めにAランクの魔物が出現する階層に行きたいと思った。





「ふぁ~……寝るか」

 俺はローブを脱ぐと〈アイテムボックス〉に入れた。そして、そこから枕と羽毛布団を取り出した。
 地上なら薄めの布団でもいいのだが、ここは多少の温度調節の機能を持つローブを脱ぐと少し肌寒く感じる。体感としては大体二十度ぐらいだろう。
 ローブを着て寝てもいいのだが、温かい布団に包まれて寝た方が心地いい。
 俺は変装用の魔道具を取らずに、意識を手放した。








「……ん?」

 大体二時間ほど寝たところで自然と目が覚めた。
 気配を探ると、テントの外に複数の人の気配があった。
 あれだけ熟睡していたのに目を覚ましたのは、このテントの昨日の一つである魔物や人が近づいてきたら自然と目が覚めるという機能が作動したからだろう。

(う~ん……俺と同じようにここで睡眠をとろうとしている人……だったら何故俺の方に近づいてくるんだ?)

 俺は一応〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出した。
 そして、それと共にテントの入り口が開いた。
 外には剣を持った男が六人いる。そして、俺たちは互いに見つめあった。

 気まずい雰囲気が数秒流れた後、先に動いたのは相手の方だった。

「へっ女一人かよ。他のやつらは偵察にでも行ったのか?まあいい。金品は奪ってお前は俺たちの遊び相手にでもなってもらおうか」

 舌なめずりをしながらそう言うと、こいつらの中の一人がテントの中に入ろうとしてきた。

「入ってくんなゴミが!」

 俺はそう叫ぶと、〈身体強化〉を使って入ってこようとしてきた男に顔面パンチをお見舞いした。
 ここで白輝の剣を使わなかったのは、こいつの血でテントを汚したくなかったからだ。

「がはっ」

 顔面を殴られた男は後ろに飛ばされ、気絶した。

「じゃ、俺の安眠を邪魔した愚か者どもには消えてもらおうか」

 そう言うと、俺は殺気をまき散らしながらテントから出た。

「く……いや、今のはこいつが馬鹿だっただけだ。油断しなきゃ問題な、ぐへっ」

「馬鹿はお前もだよ」

 俺はこいつの言葉を顔面パンチで打ち切った。

「じゃあ、お前らも眠っとけ。永遠にな」

 俺は悪魔のような笑顔でそう告げると、残り四人も同様に顔面パンチで眠らせた。

「後は……まあ、運が良ければ生き残れるかもな」

 俺は「ふふっ」と笑うと、こいつらの武器と金を全て没収した。
 そして、二十四階層の魔物がいつ出てもおかしくなさそうな所に放置した。

「それじゃ、後はがんばれ」

 俺はそう吐き捨てると、テントに戻った。




「やれやれ……やっぱり俺ってトラブルホイホイだよなぁ……」

 最初は異世界だからこうなるのかと思っていたのだが、ここまで起きると、もはや”異世界だから”で済ませられなくなてきた。

「まさかとは思うが神様が何かしたんじゃないだろうな……」

 俺が様々なトラブルに巻き込まれる様子を上から眺めて笑い転げる……うん。なんか普通にありそうだ。

「ふぁ~」

 そんなことを考えているとあくびが出てしまった。

「寝るか……」

 俺はそう言うと再び意識を手放した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-

三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。 悠久はチートを要求するが、女神からの返答は 「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」 見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。 しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!? 手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。

俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。

埼玉ポテチ
ファンタジー
不運な事故によって、次元の狭間に落ちた主人公は元の世界に戻る事が出来なくなります。次元の管理人と言う人物(?)から、異世界行きを勧められ、幾つかの能力を貰う事になった。 その能力が思った以上のチート能力で、もしかしたら異世界の経済を破綻させてしまうのでは無いかと戦々恐々としながらも毎日を過ごす主人公であった。 

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました! 1巻 2020年9月20日〜 2巻 2021年10月20日〜 3巻 2022年6月22日〜 これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます! 発売日に関しましては9月下旬頃になります。 題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。 旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~ なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。 ────────────────────────────  主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。  とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。  これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。 ※カクヨム、なろうでも投稿しています。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

処理中です...