66 / 161
第一章 冒険者活動始めました
第五十八話 地味に痛い
しおりを挟む
試験を終えた俺は受付に戻っていた。
「Cランク昇格試験が終わりました」
俺は上機嫌でそう言うと、カルダンさんから受け取ったCランク昇格証明書と書かれた紙を手渡した。
「はい。では昇格手続きの為、冒険者カードを出してください」
俺は〈アイテムボックス〉から冒険者カードを出すと受付嬢に渡した。
受付嬢はそれを受取ると「手続きには十分ほどかかるのでギルド内にてお待ちください」と言われた。
冒険者ギルドにある酒場の椅子に座り、のんびりしているとさっきの受付嬢が俺に近づいてきた。
「これが新しい冒険者カードです。Cランクからはそれなりの偽装防止の加工が施されています。それで、本人確認の手段として使う為にも血を一滴ここに垂らしてください」
そう言われて渡されたのは金色になった冒険者カードだ。そして、その裏には真ん中に黒い円があり、俺はそこに人差し指から出てくる血を垂らした。血は貸してくれた針を使って出した。
血は黒い円に垂れると染み込むようにして消えた。
「はい。これであなたは晴れてCランク冒険者になりました。Bランク昇格試験を受ける為にはCランクの魔物を百体討伐する必要があります。それでは、頑張ってください」
「ああ、分かった。ありがとう」
受付嬢の最後の笑顔に目を引かれたが直ぐに視線を下に向けて礼を言った。
受付嬢はそんな俺を見て「ふふっ」と笑うと受付に戻っていった。
その後、俺は冒険者カードを〈アイテムボックス〉に入れると冒険者ギルドを出た。
「んーどうすっかな~」
外はだいぶ暗くなっており、冒険者ギルドにある時計では午後五時四十五分を指していた。
夕飯にするには少し時間が早い。
「…じゃあ先に宿を取ってから夕飯にしようかな?」
そう決めた俺は宿探しの旅を始めた。
「ま、いつものようにちょっとお高い宿だな」
俺はニ十分ほどで水月亭という一泊朝食付きで一万五千セルの宿に入った。
俺は二階にあるニ〇八号室に入ると鍵を閉めた。
室内はグランの緑林亭と似たような作りだ。違いを上げるとするならそこよりも少し部屋が広いところ。あとは手を洗う為の水道があるところだろう。
俺はローブと靴を脱ぐとベットの上にあおむけで寝転がった。
「はぁ~今日はいろいろあったな~」
冒険者ギルドで冒険者に百点満点の土下座をされたり、図書館で魔法や武術について詳しく学んだり、白輝の剣に釣られた冒険者に襲われたり、神の涙の連中に襲われたり、Cランク冒険者になったりもした。
俺はため息をつくと体を起こした。そして、〈アイテムボックス〉からピザパンを取り出した。
「やっぱ行くのめんどくさいな…」
今日はいろんなことがあった為普段よりも疲れている。とは言っても体力は満タンなのでこの疲れは主に精神的なものだろう。
俺はピザパンを食べ終わると続けて塩パンも取り出して食べた。その後、俺は〈アイテムボックス〉からコップを取り出すといつものように〈水球〉で水を入れて飲んだ。
「う~ん…どうするかな~」
まだ午後七時を過ぎたぐらいだと思うので寝るには早すぎる。俺は暇つぶしにステータスを眺めた。
ー--------------
名前 ユート・アラキ 不老人族 LV.53
体力 11350/11350
魔力 15500/15500
攻撃 9850
防護 8200
俊敏性 12600
スキル
・鑑定LV.MAX
・言語翻訳LV.MAX
・身体強化LV.9
・剣術LV.8
・アイテムボックスLV.MAX
魔法
・火属性
・水属性
・風属性
・土属性
・光属性
ー--------------
「あ、LV上がってた」
LVが53に上がっていた。更に、剣術もLV8に上がっている。ただ、見れば分かる通り、防護の上がり具合が他と比べるとかなり低い。
もうこれは最終手段のわざと攻撃を受けるというのを繰り返すべきか…ん?
「これって攻撃を受けるに関しては別に魔物じゃなくてもいいよな?」
更に、それを詳しく考えると、自分で自分を殴っても上がり具合が変わる可能性があるということだ。
「〈回復〉もあるし、物は試しって言うしな。…はあっ」
俺は右拳で左腕を強く殴った。すると、ボキッと骨が折れたような音がした。
「くっ〈回復〉!」
俺は痛みその腕を押さえながら、即座に〈回復〉で元通りにした。
「う~ん……取りあえず二時間ほどこれを試してからLVを1だけ上げて防護の上がり具合を比較してみようかな」
俺は骨を折ったら治す、折ったら治すという動作を全身にやり続けた。
いくら直ぐに治しているとはいえこの動作は地味に痛かった。
(これで結果でなかったら俺泣くぞ……)
俺は痛みに耐えながらそう思った。
「Cランク昇格試験が終わりました」
俺は上機嫌でそう言うと、カルダンさんから受け取ったCランク昇格証明書と書かれた紙を手渡した。
「はい。では昇格手続きの為、冒険者カードを出してください」
俺は〈アイテムボックス〉から冒険者カードを出すと受付嬢に渡した。
受付嬢はそれを受取ると「手続きには十分ほどかかるのでギルド内にてお待ちください」と言われた。
冒険者ギルドにある酒場の椅子に座り、のんびりしているとさっきの受付嬢が俺に近づいてきた。
「これが新しい冒険者カードです。Cランクからはそれなりの偽装防止の加工が施されています。それで、本人確認の手段として使う為にも血を一滴ここに垂らしてください」
そう言われて渡されたのは金色になった冒険者カードだ。そして、その裏には真ん中に黒い円があり、俺はそこに人差し指から出てくる血を垂らした。血は貸してくれた針を使って出した。
血は黒い円に垂れると染み込むようにして消えた。
「はい。これであなたは晴れてCランク冒険者になりました。Bランク昇格試験を受ける為にはCランクの魔物を百体討伐する必要があります。それでは、頑張ってください」
「ああ、分かった。ありがとう」
受付嬢の最後の笑顔に目を引かれたが直ぐに視線を下に向けて礼を言った。
受付嬢はそんな俺を見て「ふふっ」と笑うと受付に戻っていった。
その後、俺は冒険者カードを〈アイテムボックス〉に入れると冒険者ギルドを出た。
「んーどうすっかな~」
外はだいぶ暗くなっており、冒険者ギルドにある時計では午後五時四十五分を指していた。
夕飯にするには少し時間が早い。
「…じゃあ先に宿を取ってから夕飯にしようかな?」
そう決めた俺は宿探しの旅を始めた。
「ま、いつものようにちょっとお高い宿だな」
俺はニ十分ほどで水月亭という一泊朝食付きで一万五千セルの宿に入った。
俺は二階にあるニ〇八号室に入ると鍵を閉めた。
室内はグランの緑林亭と似たような作りだ。違いを上げるとするならそこよりも少し部屋が広いところ。あとは手を洗う為の水道があるところだろう。
俺はローブと靴を脱ぐとベットの上にあおむけで寝転がった。
「はぁ~今日はいろいろあったな~」
冒険者ギルドで冒険者に百点満点の土下座をされたり、図書館で魔法や武術について詳しく学んだり、白輝の剣に釣られた冒険者に襲われたり、神の涙の連中に襲われたり、Cランク冒険者になったりもした。
俺はため息をつくと体を起こした。そして、〈アイテムボックス〉からピザパンを取り出した。
「やっぱ行くのめんどくさいな…」
今日はいろんなことがあった為普段よりも疲れている。とは言っても体力は満タンなのでこの疲れは主に精神的なものだろう。
俺はピザパンを食べ終わると続けて塩パンも取り出して食べた。その後、俺は〈アイテムボックス〉からコップを取り出すといつものように〈水球〉で水を入れて飲んだ。
「う~ん…どうするかな~」
まだ午後七時を過ぎたぐらいだと思うので寝るには早すぎる。俺は暇つぶしにステータスを眺めた。
ー--------------
名前 ユート・アラキ 不老人族 LV.53
体力 11350/11350
魔力 15500/15500
攻撃 9850
防護 8200
俊敏性 12600
スキル
・鑑定LV.MAX
・言語翻訳LV.MAX
・身体強化LV.9
・剣術LV.8
・アイテムボックスLV.MAX
魔法
・火属性
・水属性
・風属性
・土属性
・光属性
ー--------------
「あ、LV上がってた」
LVが53に上がっていた。更に、剣術もLV8に上がっている。ただ、見れば分かる通り、防護の上がり具合が他と比べるとかなり低い。
もうこれは最終手段のわざと攻撃を受けるというのを繰り返すべきか…ん?
「これって攻撃を受けるに関しては別に魔物じゃなくてもいいよな?」
更に、それを詳しく考えると、自分で自分を殴っても上がり具合が変わる可能性があるということだ。
「〈回復〉もあるし、物は試しって言うしな。…はあっ」
俺は右拳で左腕を強く殴った。すると、ボキッと骨が折れたような音がした。
「くっ〈回復〉!」
俺は痛みその腕を押さえながら、即座に〈回復〉で元通りにした。
「う~ん……取りあえず二時間ほどこれを試してからLVを1だけ上げて防護の上がり具合を比較してみようかな」
俺は骨を折ったら治す、折ったら治すという動作を全身にやり続けた。
いくら直ぐに治しているとはいえこの動作は地味に痛かった。
(これで結果でなかったら俺泣くぞ……)
俺は痛みに耐えながらそう思った。
6
お気に入りに追加
1,688
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-
三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。
悠久はチートを要求するが、女神からの返答は
「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」
見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。
しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!?
手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。
埼玉ポテチ
ファンタジー
不運な事故によって、次元の狭間に落ちた主人公は元の世界に戻る事が出来なくなります。次元の管理人と言う人物(?)から、異世界行きを勧められ、幾つかの能力を貰う事になった。
その能力が思った以上のチート能力で、もしかしたら異世界の経済を破綻させてしまうのでは無いかと戦々恐々としながらも毎日を過ごす主人公であった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる