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第一章 冒険者活動始めました
第五十五話 久々の神の涙
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「死をもって反省しろ」
その言葉に魔法師二人は絶望、槍術士はやけになって暴れだし、剣士は「ガキが……俺たちを殺したら殺人罪で指名手配されるぞ」と脅してきたが、「俺の剣目当てに襲ってきた時点で盗賊と同じだろ?」と聞くと俯いて黙り込んだ。
「これ以上苦しませる意味もない。死ね」
俺は〈風剣〉を使った。剣の形となった風が横なぎに振るわれ、四人の体を切り裂く。そう思った次の瞬間、
「ガキン」
「ん?」
前方から飛んできた〈氷槍〉二本は俺の〈風剣〉に当たって互いに消滅した。
いきなりの出来事に俺は動揺した。しかし、直ぐに冷静になると、
「誰だ!出てこい!」
と叫んだ。
すると、その言葉に合わせるようにして防具を着て、引き締まった筋肉を持つエメラルドグリーンの眼に金色の髪を持つ三十代半ばほどに見える男が森奥から姿を現した。
俺は即座に〈鑑定〉をした。
ー--------------
名前 ディン 人族 LV.71
体力 8500/8500
魔力 11000/11000
攻撃 8800
防護 9400
俊敏性 10800
スキル
・回復速度上昇LV.8
・気配隠蔽LV.7
魔法
・水属性
ー--------------
(強いな…)
LVは今まで見てきた中では一番上だ。ただ、それでもステータスを見るに、今の俺なら勝つことが出来そうだ。ただ、技量は分からないので警戒はしておこう。
「おい。まさかお前もこいつらの仲間なのか?」
と聞くとディンは「へっ」と鼻で笑った。
「そんなわけがないだろう。こんな欲にまみれた盗賊どもの仲間になんて死んでもなりたくないな」
ディンは四人をごみを見るような目で見ながら答えた。
「じゃあ何しに来たんだ?」
「ああ、それはこいつらの生命力と魔力だ。こいつら四人はどちらも多そうだからな。これで我等が神の復活計画をより進めることが出来るのだ!」
と熱心に力説してきた。まるで押し売りのセールスマンみたいだ。
「ん?我等が神?}
「ああ、我等が組織。神の涙があがめる偉大なお方なのだ」
(ん?こいつ神の涙の連中じゃねえか)
俺は警戒心を一気に高めた。
「神の涙って……俺を何度も殺しに来た組織じゃねえか。てか神の涙だってこいつらと同じように盗賊に扮して俺が護衛する馬車を襲いに来たじゃないか」
今すぐ殺したい気持ちをぐっとこらえて冷静に訊ねた。
「ん?盗賊に扮して?俺はそんな命令出してないけどな……あ、てことはまた強硬派のやつらか……何で馬車なんか狙うんだよ。馬車狙うよりも効率のいい方法があるだろ…」
そう言うとディンは「はぁ……」とため息をついた。
「ま、形はどうあれ我等が組織の邪魔をしたということは神敵となれば殺すしかないな」
そう言うとディンは無詠唱で〈氷槍〉×三を撃ってきた。
普通の人なら無詠唱はそれなりに驚くのだろうが、俺の場合はむしろ詠唱をしないことが普通なので無詠唱であることを特に気にすることもなく〈火矢〉×三で容易く相殺した。
ディンは〈氷槍〉に俺の意識がそれた僅かな時間で俺に近づき、細剣をかなりの速度で刺突してきた。
俺は反応が少し遅れたが、素早く〈身体強化〉と〈風強化〉を使うと後ろへ跳びずさった。〈炎剣〉×三という置き土産を残して……
「な!?はあっ」
ディンは驚愕の表情をしながらも、〈炎剣〉に対して細剣に〈水球〉を纏わせると頭と腹を狙った二つは細剣で切って消した。
しかし、両足を狙った一つは切ることも避けることも出来ず、もろにくらった。ただ、流石のステータスと言うべきか、両足の防具の破壊は出来たものの、両足の切断には至らなかった。まあ、骨が見えるのではないかと思うくらいの傷を負っているので特に問題はない。
「ちっまさか〈炎剣〉ほどの強力な魔法を無詠唱で撃てるとは……世界最強クラスじゃねえか……水の恵みよ、この祈りとどけ。我が傷を癒せ。〈水回復〉!」
詠唱と共に使われた〈水回復〉で足の傷は僅か二秒で完治した。
「……回復が早いな」
と、思わず呟いてしまった。
「まあな。と言ってもスキルと魔法を両方使わないとここまで回復はしないけどな」
と答えた。
どうやら今の回復にはは回復速度上昇の効果も関係しているようだ。それにしてもスキルのLVが8って普通に凄い気がする。
「まあ、お前が強いのは分かった。ただ、俺もここで死ぬわけにはいかないんだ!」
ディンはそう叫ぶと、俺の周りに無詠唱で〈氷結〉を撃って俺の行動範囲を制限してきたが、俺はすかさず〈炎剣〉で消滅させると、俺とディンを包むようにして〈結界〉を使うととどめの〈炎剣〉を使った。
その言葉に魔法師二人は絶望、槍術士はやけになって暴れだし、剣士は「ガキが……俺たちを殺したら殺人罪で指名手配されるぞ」と脅してきたが、「俺の剣目当てに襲ってきた時点で盗賊と同じだろ?」と聞くと俯いて黙り込んだ。
「これ以上苦しませる意味もない。死ね」
俺は〈風剣〉を使った。剣の形となった風が横なぎに振るわれ、四人の体を切り裂く。そう思った次の瞬間、
「ガキン」
「ん?」
前方から飛んできた〈氷槍〉二本は俺の〈風剣〉に当たって互いに消滅した。
いきなりの出来事に俺は動揺した。しかし、直ぐに冷静になると、
「誰だ!出てこい!」
と叫んだ。
すると、その言葉に合わせるようにして防具を着て、引き締まった筋肉を持つエメラルドグリーンの眼に金色の髪を持つ三十代半ばほどに見える男が森奥から姿を現した。
俺は即座に〈鑑定〉をした。
ー--------------
名前 ディン 人族 LV.71
体力 8500/8500
魔力 11000/11000
攻撃 8800
防護 9400
俊敏性 10800
スキル
・回復速度上昇LV.8
・気配隠蔽LV.7
魔法
・水属性
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(強いな…)
LVは今まで見てきた中では一番上だ。ただ、それでもステータスを見るに、今の俺なら勝つことが出来そうだ。ただ、技量は分からないので警戒はしておこう。
「おい。まさかお前もこいつらの仲間なのか?」
と聞くとディンは「へっ」と鼻で笑った。
「そんなわけがないだろう。こんな欲にまみれた盗賊どもの仲間になんて死んでもなりたくないな」
ディンは四人をごみを見るような目で見ながら答えた。
「じゃあ何しに来たんだ?」
「ああ、それはこいつらの生命力と魔力だ。こいつら四人はどちらも多そうだからな。これで我等が神の復活計画をより進めることが出来るのだ!」
と熱心に力説してきた。まるで押し売りのセールスマンみたいだ。
「ん?我等が神?}
「ああ、我等が組織。神の涙があがめる偉大なお方なのだ」
(ん?こいつ神の涙の連中じゃねえか)
俺は警戒心を一気に高めた。
「神の涙って……俺を何度も殺しに来た組織じゃねえか。てか神の涙だってこいつらと同じように盗賊に扮して俺が護衛する馬車を襲いに来たじゃないか」
今すぐ殺したい気持ちをぐっとこらえて冷静に訊ねた。
「ん?盗賊に扮して?俺はそんな命令出してないけどな……あ、てことはまた強硬派のやつらか……何で馬車なんか狙うんだよ。馬車狙うよりも効率のいい方法があるだろ…」
そう言うとディンは「はぁ……」とため息をついた。
「ま、形はどうあれ我等が組織の邪魔をしたということは神敵となれば殺すしかないな」
そう言うとディンは無詠唱で〈氷槍〉×三を撃ってきた。
普通の人なら無詠唱はそれなりに驚くのだろうが、俺の場合はむしろ詠唱をしないことが普通なので無詠唱であることを特に気にすることもなく〈火矢〉×三で容易く相殺した。
ディンは〈氷槍〉に俺の意識がそれた僅かな時間で俺に近づき、細剣をかなりの速度で刺突してきた。
俺は反応が少し遅れたが、素早く〈身体強化〉と〈風強化〉を使うと後ろへ跳びずさった。〈炎剣〉×三という置き土産を残して……
「な!?はあっ」
ディンは驚愕の表情をしながらも、〈炎剣〉に対して細剣に〈水球〉を纏わせると頭と腹を狙った二つは細剣で切って消した。
しかし、両足を狙った一つは切ることも避けることも出来ず、もろにくらった。ただ、流石のステータスと言うべきか、両足の防具の破壊は出来たものの、両足の切断には至らなかった。まあ、骨が見えるのではないかと思うくらいの傷を負っているので特に問題はない。
「ちっまさか〈炎剣〉ほどの強力な魔法を無詠唱で撃てるとは……世界最強クラスじゃねえか……水の恵みよ、この祈りとどけ。我が傷を癒せ。〈水回復〉!」
詠唱と共に使われた〈水回復〉で足の傷は僅か二秒で完治した。
「……回復が早いな」
と、思わず呟いてしまった。
「まあな。と言ってもスキルと魔法を両方使わないとここまで回復はしないけどな」
と答えた。
どうやら今の回復にはは回復速度上昇の効果も関係しているようだ。それにしてもスキルのLVが8って普通に凄い気がする。
「まあ、お前が強いのは分かった。ただ、俺もここで死ぬわけにはいかないんだ!」
ディンはそう叫ぶと、俺の周りに無詠唱で〈氷結〉を撃って俺の行動範囲を制限してきたが、俺はすかさず〈炎剣〉で消滅させると、俺とディンを包むようにして〈結界〉を使うととどめの〈炎剣〉を使った。
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