異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

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第一章 冒険者活動始めました

第四十二話 やりすぎたかな?

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 街の外に出たところで、ザクさんが一度立ち止まり、俺たちの方へ振り返った。

「よし、森の中では主に各パーティーごとに魔物と戦ってくれ。え~と…ソロのやつは…お前だけか。見た感じ魔法師なのにソロとは珍しいな。お前は赤き龍のパーティーに入って戦ってくれ。あそこは魔法師がいないからちょうどいいだろ」

 と言うわけで俺は赤き龍といういかにも強そうな名前のパーティーに入って戦うことになった。しかし…

「言っちゃ悪いがこんなが入ったところで戦力どころか足手まといにしかならんと思うぞ」

「大体本当にDランクか?」

「か弱いはここには来ちゃいけないと思うわ…」

 赤き龍の三人は煽り半分心配半分の目で俺のことを見てくる。一方俺は怒りを抑えるので精一杯だった。

(こいつら…といいといい…これが完全な悪意だったら今頃殺意マシマシで教育して二度とそんなことが言えない体にしてたぞ…)

 いくら細身で背が小さいとはいえそれなりに強いという自負はある。ていうかこの世界に来てからかなり体を動かしたのに筋肉は全くつかないのは何故だろうか…それどころか筋肉痛もない。何故なのかは俺には全くわからない。しいて言うなら神様のせいだろう。

 俺が入ることに批判的な言葉にザクさんはため息をついた。

「はぁ~まあ、そう言うよな。ただこいつはさっき冒険者カードを確認したがDランクであることは確かだし…あ、試しに魔法を撃ってみればどんな感じか分かるんじゃないか?」

 と、こんな提案をしてきた。
 魔法を試し撃ちするという意見に赤き龍の3人は、

「ああ、そうだな」

「まあ、見るのはタダだしな」

「無理だと思うけど…まあ、見てみたいしいいわ」

 という感じで同意してくれた」

「じゃ、好きなところに撃ってくれ」

 と、手をひらひらとさせながら投げやりに言った。

(何というか…絶対ザクさんも俺のこと信じてないだろ…)

 最後の言葉の適当さからそんな気持ちが感じ取れる。
 取りあえずさっきのの発言にイラッとしていた俺はどでかいのを撃つつもりだ。
 俺は〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出すと、今、自分のいる草原から三十メートルほど離れた場所にある森めがけて全力で〈氷槍アイスランス〉×七十を撃った。全力で撃った&白輝の剣を使ったので、前に実験した時よりも硬度、大きさともに二・五倍くらいになっていた。あとはスピードも多少上がったように見える。それが七十個同時に森に降り注いだ。結果、前方の木が六十本ほど破壊され、地面もごっそりえぐれてしまった。これには森さんも青ざめているに違いない。
 ちなみにこれで消費した魔力は全魔力量の六割ほどだ。

(ふぅ…結構魔力使ったな…)

 それにしてもこの光景を見ると流石にやりすぎたかなと思ったが、あんなことを言われてしまったので仕方ない。うん。不可抗力だ。

 一方、森が破壊されていく光景を見た人たちは唖然としていた。あれだけ元気だったザクさんですら言葉が出なくなっている。
 これからオーク討伐に行くのに、流石にこの雰囲気ではまずいと思い、

「取りあえずあんな感じでいいですか?」

 と、平然と聞いてみた。

「あ、ああ…こ、これがこいつの実力だ…いいと思うか?」

 ザクさんは戸惑いながらも赤き龍の三人に聞いた。

「あ、ああ。むしろ強すぎるくらいだ」

「さ、さっきは済まない」

「スゴイワネホント二」

 三人はさっきまでの勢いはなくなり、戸惑ったり、謝ったり、片言になったりしていた。

「よし、じゃあ…そういえば君の名は?」

「ユートだ」

 どこぞの映画を思い浮かべる言葉を華麗にスルーして答えた。

「分かった。ユートはさっき言ったように赤き龍についてくれ」

 ここでようやくザクさんの雰囲気が戻った。それに伴い、他の人たちの雰囲気も戻ってきているようだ。俺はそのまま赤き龍の三人に近づくと、

「俺の名前はユート。見ての通り魔法戦士だ」

 俺は白輝の剣を見せながら軽く自己紹介をした。

「俺の名前はカイ。Bランク冒険者で、このパーティーのリーダーだ。斧術士として活動している」

 カイは深紅の髪と眼をした三十代前半ほどに見える明るい感じの男性だ。
 身長は百八十センチメートルほどで、筋肉はかなりある。そして防具を着て、背中には斧が取り付けられてある。

「俺の名前はシド。Bランク冒険者だ。剣士として活動している」

 シドはコバルトブルーの髪にエメラルド色の眼をした三十代前半ほどに見える豪快な男性だ。
 身長は百七十センチメートルほどで、筋肉は引き締まっている。そして防具を着て、腰には剣をさしている。

「私の名前はエリ。Cランク冒険者よ。槍術士として活動しているわ」

 エリはレモン色の髪と眼をした二十代後半ほどに見える明るい感じの華奢な女性だ。
 身長は百六十センチメートルほど。そして、防具を着て、右手に背丈より少し短いくらいの槍を持っている。

 自己紹介を済ませた後に俺は思った。

(赤、青、黄色…信号機だな)

 それで笑いそうになったが、ギリギリのところで耐えた。

 するとカイが、

「あれだけの魔法が使えて魔法戦士なのか?」

 と、半信半疑になりながら聞いてきた。
 一瞬笑いかけたことがばれたのかと思い、ヒヤヒヤした。俺は「おお、そうだな」と平然と答えた。

 そこに二人も会話に入り込んできた。

「凄いわね…あれだけ魔法の才能があれば普通魔法だけに特化させようとするはずなのにどっちもやろうとするなんて…」

 エリは顎に手を当てながら感心していた。

「確かに凄いな。同じ剣士として戦ってみたいところだな」

 打ち解けてきたところでザクさんが入り込んできて、

「おい。そろそろ出発するぞ。模擬戦はこの依頼が終わった後にやれよ」

 その言葉に俺たちは一斉に頷いた。

「じゃ、出発するからついてきてくれ」

 そう言うと、俺たちはザクさんを先頭に、さっき破壊したところから森に入っていった。みんな唖然としながらその場を通り過ぎていった。俺も破壊の跡を見て、「やっぱやりすぎたかな?」と思ってしまった。まあ、それでも反省も後悔も全くしてないのだが…






 空は真っ暗になっており、月と星が光る夜になっている。ただ、ここは森の中なので月明かりすらまともに入ってこない。一応何人かが照明の魔道具を持っている為、辛うじて周囲が見える。
 ここはいつ魔物が現れてもおかしくない為、俺は常に〈身体強化〉で音や気配を探っている。今のところ魔物はいるにはいるのだが、ここから多少離れているし、その魔物がこっちに向かってくるわけでもないので、多少警戒しておくだけにとどめていた。しかしここで、

(ん?何か近づいてきてるぞ?)

 鳴き声はしないが、こっちに複数体の魔物が右側から近づいてくるのが足音で感じ取れた。距離は大体三百メートルほど。ただ、木々のせいで目視で確認することは出来ない。

(おっと冷静に分析してないで早く知らせないと)

 俺は赤き龍の三人に声をかけた。

「種類は分からないが魔物が複数体こっちに向かってきてるぞ」

 と伝え、他にも距離と方向を伝えた。

「そうか…分かった……ん?確かにこっちから何か来てるな」

 どうやらカイは気づいたようだ。そしてその直後、「みんな止まれ!南東の方角から魔物が来てるぞ!」というバンさんの叫び声が響いた。
 それにより、みんな一斉に止まって武器を構えた。俺も〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出し、構えた。
 静かになったところで「ドドドドド」という足音がはっきりと聞こえるようになった。それから十秒ほど経ったところで、「グルゥ」という鳴き声と共に体長三百三十センチメートルはある大きなゴリラが五体。森の中から姿を現した。
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