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プロローグ
第一話 転生
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俺の名前は荒木優斗。
どこにでもいる普通の高校生だ。
いや、普通の高校生なら大学受験合格発表の時にゴロゴロしながらゲームをするなんて事はしないだろう。
今、俺は親からの合格祝いとしてもらった一万円を握りしめ、駅前のデパートの中へ入った。
向かう先はもちろん家電量販店だ。なぜなら今日は新しいゲームの発売日だからだ。
「早く買って家で遊びたいなあ」
やっぱりゲームはいい。
もうすぐ大学生になるのに、ゲームではしゃぐのはどうかと思うと家族から言われてしまうことが多々あるが、ゲームをしているとテンションが上がってしまい、結局小学生のようにはしゃいでしまう。
そんなことを思い出しながら俺はゲームが売られている場所へと向かった……
十分後、俺は一万円を強く握りしめながら店を出た。
「気分がいい日に限って売り切れだなんて……ついてないなあ」
と、ため息をついた。
俺の心は今にもマグマに沈みそうだ。
そして、それを現すかのように日も沈みかけている。
「仕方ない。明日また行こう」
俺は気持ちを切り替えて家に帰ることにした。
しばらく歩いたところで、俺はふと後ろを見た。振り向いた理由は特にない。ただ、何となくだ。
人のカンと言うのは案外当たるもので、後ろにはどこかで見たことのある男が立っていた。
「ちっなんで後ろを見るんだよ。気づかれないうちに殺った方が楽なのによ」
男はイラつきながらそうつぶやいた。
「なっ何しに来たんだ!!」
目の前にいる男は同じ高校に通っていた人だ。名前は桜井幸太。
ただ、二年前から不登校になっており、それ以降外へ出ることはなくなっていたらしい。
不登校になった理由はたしか俺を陰でいじめていたことが学年に広まり、居場所がなくなったからだということをうわさで聞いていた。そのことを聞いた時は、そんなことになるとは思ってもいなかったのでかなり驚いたが、それ以降は自業自得だと思って桜井のことは気にも留めていなかった。
「なんでお前みたいなやつが幸せそうに生きれるんだよ!!俺なんて彼女もいなければ今日発売のゲームだって買えなかったんだぞ!!」
その他にもなんか言ってたが獣の叫びみたいになっていてよく聞き取れない。
(ていうか俺も彼女いないし…ていうか俺の方から告白して振られたんすけど…あと今日発売のゲームって……俺も買えていないんすけど……)
大半は聞き取れなかったが、その部分は「俺も同じだわ!!」って言ってやりたかった。
ただ、それがかなうことはなく、桜井は包丁をポケットから取り出すと俺の心臓をぶっ刺した。
「さっさと死ねゴミカス」
「がはっ」
心臓に包丁がピンポイントで刺さるという超絶不運に見舞われた俺はその場にあおむけに倒れた。
腹からだらだらと流れてくる血と、こちらに向かって走ってくる一人の通行人を見たのを最後に、俺は気を失った。
気が付くと俺は真っ白な空間にいた。地平線すらも見えない。本当に何もない空間だ。
「ここはどこだ?」
俺は立ち上がり、あたりを見回した。
「お主は死んだ」
いきなり後ろから声が聞こえた。恐る恐る振り返ってみると、そこにいたのは白い法衣を着た白髪白髭の老人だった。
「誰?おじさん」
と、おもわず真顔で聞いてしまった。
目の前にいる老人はため息をつきながらも、
「神に対してずいぶんな言いぐさじゃのう。まあ、急にこんなところに来たのじゃから混乱しておるのじゃろう。仕方のないことだ」
と、うなずきながら俺の感情に同意した。
「とりあえずわしは神。世界を管理するものじゃ」
「かみ、カミ…神!?」
目の前にいる老人が神様と言われても思考が追い付かない。俺は校庭の端からはしまで届くようなどでかい声で叫んだ。
「とりあえずこれからのことを簡単に説明すると、お主のことがかわいそうだとおもったわしは、お主を異世界転生させてやろうと思ったのじゃ。そっちの方が面白そうじゃろ?」
ニタニタと笑いながら提案してきた。
勝手に話が進んでいくので途中で話についていけなくなり、俺の頭は混乱していたのだが、突然何故だか分からないが俺は急に落ち着いてきた。神様が何かしたのだろうか?
「異世界とは具体的にどのような世界なのですか?」
と、さっきとは打って変わって冷静に聞いた。
「お主の住んでいた世界には無かった魔法やスキル。そして、エルフやドワーフなどの人以外の種族もおるぞ。あとはステータスという概念もある」
それを聞いたとき、俺は内心凄くすごく興奮していたが、何故か顔や体でその気持ちを表すことは出来ず、冷静な雰囲気のまま口調だけ興奮するという奇妙な話し方になった。何というか…変な気分だ。
「そんな楽しそうな世界に転生させてもらえるなんて本当に嬉しいです」
ただ、そこで神の顔が険しくなった。
「じゃがその世界には魔物がおるし、お主のいた世界ほど発展しとるわけじゃないから普通のステータスでは死ぬ確率が前の世界よりも圧倒的に高い。また死ぬのは嫌じゃろう?」
「は、はい」
「というわけでお主のでステータスは世界最強クラスにしておく。魔法も五属性使えるようにしておこう」
「あ、ありがとうございます」
「あと、せっかくの異世界転生なんじゃし満喫したいじゃろう?という訳でお主を不老の存在にしておこう。その方がわしとしても都合がいいからのう…じゃから殺されない限りは永遠に生きられる。まあ、本当は不老不死にして殺されることもない存在にしてあげたかったのじゃが流石にそんなことをしたらわしの体が持たんのじゃ」
神はため息をつきながら言った。
「というわけで、ステータスはもう与えておいたから転生先で確認するとよい」
神様からの話はこれで終わりのようだ。ただ、俺には一つ聞きたいことがあるので最後に聞いてみようと思った。
「あ、あの~一つ聞きたいことがあるんですけど…」
すると、間髪入れずに神様が、
「お主を殺した小僧についてじゃろう?」
と聞いてきた。
「考えたことが分かるんですか?」
「まあ、神じゃからな」
と、神様は自慢気に答えた。
「で、そのことなんじゃけど、そやつは逮捕されていない」
「なっ…何で…?」
「……目撃した通行人一人を殺したあと、監視カメラがないルートを通って帰ったのじゃ。わしの未来視で見てみても、このままでは逮捕されることは永遠に無いじゃろう」
(おいおい冗談じゃないだろ……俺だけでなく他の人にも手をかけたのかよ。許せねえな)
俺の心の中は真っ赤に染まった。
まさかやつが逮捕されないだなんて想定外だ。一刻も早くそのことを知らせたかった俺は、
「やっぱり元の世界に転生したいです。そしてあいつに罪を償わせないと…」
俺は力強く言った。ただ……
「すまないがもう転生させている途中なのじゃ。戻ることは出来ない。ただ、〈転移〉の魔法はあったはずじゃ。恐らくお主ならそれを使えば行くことが出来るじゃろう」
そう神様から言われた後、神様は突然目の前から消えた。その直後、俺は意識を失った。
どこにでもいる普通の高校生だ。
いや、普通の高校生なら大学受験合格発表の時にゴロゴロしながらゲームをするなんて事はしないだろう。
今、俺は親からの合格祝いとしてもらった一万円を握りしめ、駅前のデパートの中へ入った。
向かう先はもちろん家電量販店だ。なぜなら今日は新しいゲームの発売日だからだ。
「早く買って家で遊びたいなあ」
やっぱりゲームはいい。
もうすぐ大学生になるのに、ゲームではしゃぐのはどうかと思うと家族から言われてしまうことが多々あるが、ゲームをしているとテンションが上がってしまい、結局小学生のようにはしゃいでしまう。
そんなことを思い出しながら俺はゲームが売られている場所へと向かった……
十分後、俺は一万円を強く握りしめながら店を出た。
「気分がいい日に限って売り切れだなんて……ついてないなあ」
と、ため息をついた。
俺の心は今にもマグマに沈みそうだ。
そして、それを現すかのように日も沈みかけている。
「仕方ない。明日また行こう」
俺は気持ちを切り替えて家に帰ることにした。
しばらく歩いたところで、俺はふと後ろを見た。振り向いた理由は特にない。ただ、何となくだ。
人のカンと言うのは案外当たるもので、後ろにはどこかで見たことのある男が立っていた。
「ちっなんで後ろを見るんだよ。気づかれないうちに殺った方が楽なのによ」
男はイラつきながらそうつぶやいた。
「なっ何しに来たんだ!!」
目の前にいる男は同じ高校に通っていた人だ。名前は桜井幸太。
ただ、二年前から不登校になっており、それ以降外へ出ることはなくなっていたらしい。
不登校になった理由はたしか俺を陰でいじめていたことが学年に広まり、居場所がなくなったからだということをうわさで聞いていた。そのことを聞いた時は、そんなことになるとは思ってもいなかったのでかなり驚いたが、それ以降は自業自得だと思って桜井のことは気にも留めていなかった。
「なんでお前みたいなやつが幸せそうに生きれるんだよ!!俺なんて彼女もいなければ今日発売のゲームだって買えなかったんだぞ!!」
その他にもなんか言ってたが獣の叫びみたいになっていてよく聞き取れない。
(ていうか俺も彼女いないし…ていうか俺の方から告白して振られたんすけど…あと今日発売のゲームって……俺も買えていないんすけど……)
大半は聞き取れなかったが、その部分は「俺も同じだわ!!」って言ってやりたかった。
ただ、それがかなうことはなく、桜井は包丁をポケットから取り出すと俺の心臓をぶっ刺した。
「さっさと死ねゴミカス」
「がはっ」
心臓に包丁がピンポイントで刺さるという超絶不運に見舞われた俺はその場にあおむけに倒れた。
腹からだらだらと流れてくる血と、こちらに向かって走ってくる一人の通行人を見たのを最後に、俺は気を失った。
気が付くと俺は真っ白な空間にいた。地平線すらも見えない。本当に何もない空間だ。
「ここはどこだ?」
俺は立ち上がり、あたりを見回した。
「お主は死んだ」
いきなり後ろから声が聞こえた。恐る恐る振り返ってみると、そこにいたのは白い法衣を着た白髪白髭の老人だった。
「誰?おじさん」
と、おもわず真顔で聞いてしまった。
目の前にいる老人はため息をつきながらも、
「神に対してずいぶんな言いぐさじゃのう。まあ、急にこんなところに来たのじゃから混乱しておるのじゃろう。仕方のないことだ」
と、うなずきながら俺の感情に同意した。
「とりあえずわしは神。世界を管理するものじゃ」
「かみ、カミ…神!?」
目の前にいる老人が神様と言われても思考が追い付かない。俺は校庭の端からはしまで届くようなどでかい声で叫んだ。
「とりあえずこれからのことを簡単に説明すると、お主のことがかわいそうだとおもったわしは、お主を異世界転生させてやろうと思ったのじゃ。そっちの方が面白そうじゃろ?」
ニタニタと笑いながら提案してきた。
勝手に話が進んでいくので途中で話についていけなくなり、俺の頭は混乱していたのだが、突然何故だか分からないが俺は急に落ち着いてきた。神様が何かしたのだろうか?
「異世界とは具体的にどのような世界なのですか?」
と、さっきとは打って変わって冷静に聞いた。
「お主の住んでいた世界には無かった魔法やスキル。そして、エルフやドワーフなどの人以外の種族もおるぞ。あとはステータスという概念もある」
それを聞いたとき、俺は内心凄くすごく興奮していたが、何故か顔や体でその気持ちを表すことは出来ず、冷静な雰囲気のまま口調だけ興奮するという奇妙な話し方になった。何というか…変な気分だ。
「そんな楽しそうな世界に転生させてもらえるなんて本当に嬉しいです」
ただ、そこで神の顔が険しくなった。
「じゃがその世界には魔物がおるし、お主のいた世界ほど発展しとるわけじゃないから普通のステータスでは死ぬ確率が前の世界よりも圧倒的に高い。また死ぬのは嫌じゃろう?」
「は、はい」
「というわけでお主のでステータスは世界最強クラスにしておく。魔法も五属性使えるようにしておこう」
「あ、ありがとうございます」
「あと、せっかくの異世界転生なんじゃし満喫したいじゃろう?という訳でお主を不老の存在にしておこう。その方がわしとしても都合がいいからのう…じゃから殺されない限りは永遠に生きられる。まあ、本当は不老不死にして殺されることもない存在にしてあげたかったのじゃが流石にそんなことをしたらわしの体が持たんのじゃ」
神はため息をつきながら言った。
「というわけで、ステータスはもう与えておいたから転生先で確認するとよい」
神様からの話はこれで終わりのようだ。ただ、俺には一つ聞きたいことがあるので最後に聞いてみようと思った。
「あ、あの~一つ聞きたいことがあるんですけど…」
すると、間髪入れずに神様が、
「お主を殺した小僧についてじゃろう?」
と聞いてきた。
「考えたことが分かるんですか?」
「まあ、神じゃからな」
と、神様は自慢気に答えた。
「で、そのことなんじゃけど、そやつは逮捕されていない」
「なっ…何で…?」
「……目撃した通行人一人を殺したあと、監視カメラがないルートを通って帰ったのじゃ。わしの未来視で見てみても、このままでは逮捕されることは永遠に無いじゃろう」
(おいおい冗談じゃないだろ……俺だけでなく他の人にも手をかけたのかよ。許せねえな)
俺の心の中は真っ赤に染まった。
まさかやつが逮捕されないだなんて想定外だ。一刻も早くそのことを知らせたかった俺は、
「やっぱり元の世界に転生したいです。そしてあいつに罪を償わせないと…」
俺は力強く言った。ただ……
「すまないがもう転生させている途中なのじゃ。戻ることは出来ない。ただ、〈転移〉の魔法はあったはずじゃ。恐らくお主ならそれを使えば行くことが出来るじゃろう」
そう神様から言われた後、神様は突然目の前から消えた。その直後、俺は意識を失った。
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