ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~

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第三章 メグジス

第五話 動く金塊

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「え~と……お、早速銀発見~」

 坑道に入って早々に、俺は銀鉱石を発見した。
 〈創造〉を極める為に鉱石類について詳しく調べていたお陰で、何の鉱石なのかは見ただけで大体分かる。

「だが、銀はいらないな」

 不要な鉱石を採掘して、倒さなくてはならない魔物の数を増やすのは時間の無駄と言うべきだろう。

「これらは無視して先に行――ん?」

 地面や壁が振動している。そして、その振動はだんだんと大きくなっていった。

「ノア、どこからだ?」

「え~と……前方の地面から!」

 ノアが前を指差しながらそう叫んだ。
 その直後、五メートル先の地面に穴が開き、そこから体長一メートル程のモグラが出てきた。

「ちっ アイアンモールか」

 アイアンモールは鉱石や地面に含まれる栄養を糧に生きる危険度C+の魔物だ。
 その名の通り、爪は鉄で出来ている。

「キュアアアアァ!!」

 アイアンモールは叫び声をあげると、ゆっくりと近づいてきた。

「だが、問題ない!」

 俺はマジックバッグからドラゴンの短剣を十本取り出すと、四方八方からアイアンモールの死角を狙うように放った。

「キュアアァ!!」

 アイアンモールは核を破壊されたことで息絶えた。

「いい切れ味だな」

 ドラゴンの短剣の切れ味は、鉄の短剣とは比べ物にならないぐらい良いものだった。
 俺はドラゴンの短剣と素材である爪を回収すると、残りは燃やして、アイアンモールが掘った穴の中に放り込み、〈創造〉で埋めた。

「じゃ、先に行くか」

「うん」

 俺達は目的の鉱石を求めて先へと進んだ。



「ん~……お、これは――」

 〈創造〉で手当たり次第に穴を作っていたら、白く輝く鉱石が岩の隙間から顔を覗かせているのが見えた。

「これは……よし。お目当てのミスリル功績だ」

 これだ。これこそが俺が求めていた鉱石だ。

「これがあれば、いい切り札を作れるぞ……」

 俺はニヤリと笑うと、〈創造〉を使ってミスリル鉱石を採掘した。
 ん?さっき作った鉄のつるはし?
 知らぬなそんなもの。

 とまあ、冗談はさておき、俺は手のひらに乗るくらいの量のミスリル鉱石を採掘することが出来た。

「後はこれを、〈創造〉」

 俺は〈創造〉を使い、ミスリル鉱石をミスリルにした。

「あとはこれを必要量集めるだけだな」

 俺はそう呟くと、更に奥へと進んだ。



「はぁ~……やっぱミスリル鉱石は中々見つからないんだな。だが、これで必要量集まった」

 坑道の最奥一歩手前まで来た俺は、ようやくミスリルを必要量集めることが出来た。

「じゃ、帰るか。と、言いたいところだが、直ぐに返してくれるわけではなさそうだな」

 今までで一番大きな振動を感じる。
 そして、その振動はどんどん大きくなっていく。

「ノア、どこからだ?」

「む……!? 上! 避けて!」

「うおっ」

 ノアの叫び声と共に、俺は後ろへ跳んだ。
 その直後、俺が居た場所の天井に穴が開き、そこから何かが落ちてきた。だが、一緒に落ちてきた土砂と、土煙のせいで良く見えない。

「ん……!? 〈創造〉鉄針盾!」

 俺は鉄のとげが無数についている盾を目の前に作った。そして、〈操作〉でしっかりその場に固定した。

 ガン! グサッ キュオォ!

 盾に何かが当たる音と、生き物を貫く音、そして生き物の悲鳴がほぼ同時に聞こえた。

「ん~と……あ、大物だな」

 そこにいたのは血を流しながら俺のことを睨みつける、体長二メートル程のモグラだった。だが、爪が金色に光り輝いている。
 こいつの名はゴールデンモール。冒険者の間では動く金塊とも呼ばれている危険度A-の魔物だ。

「今日はついてるな。〈操作〉飛剣!」

 俺はさっきと同じようにドラゴンの短剣をゴールデンモールに飛ばした。
 ゴールデンモールは自慢の爪で短剣を叩き落とした。
 だが、必死になって叩き落そうが、何度でも動き出すのがこれの凶悪なところだ。

「キュオォ!」

 だんだんとダメージが蓄積されていく。
 そして――

「キュオオオオ!!」

 核を破壊したことで、ゴールデンモールは息絶えた。

「じゃ、回収っと」

 俺はゴールデンモールの爪を取ると、残りを〈創造〉で作った穴の中に入れて、燃やしてから埋めた。

「じゃ、帰るかー」

「はーいい。変えたらご飯食べたい。お腹減ってるから~」

 ノアがお腹をさすりながらそう言った。

「そうだな。帰ったら美味しいものを食べような」

 俺はノアの頭を優しく撫でると、外に向かって歩き出した。
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