ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~

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第一章 街の闇

第八話 ノア…何をしたんだ?

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「ふぅ……それにしてもよくシザーズなんて武器が出てきたな。あれ、結構マイナーな武器なんだぞ」

 シザーズなんていう、俺でも咄嗟とっさに出てこなかった武器をノアが言ったことに、俺はかなり驚いていた。

「うん。それについては昔、人間の街に行ったことがあるお母さんが教えてくれたの。そして、私はお母さんが教えてくれたことは全部記憶しているの」

 ノアはどこか悲しげな表情をしながら答えた。その表情から察するに、お母さんはもういないのだろう。

「そ、そうだ! これから他の装備品も買いに行かないか?」

 俺は暗くなってしまった雰囲気を変える為に、別の話題を強引に持ってきた。そして、ノアが喜ぶ”なでなで”もした。

「うん。分かった」

 ノアは一瞬で笑顔になると、俺の手をつかんだ。こういう切り替えの速さはノアの長所だなあと俺は思った。

「じゃ、行くか」

「うん」

 こうして俺とノアはデートのような雰囲気で他の店に行――こうと思ったが……

「……なあ、誰か俺たちの跡を追ってきてないか?」

「うん。これはカイン……というよりは私に対する視線。そして、そいつは今、路地裏から見ている。しかも、これは害意のある視線」

 俺たちはどうやら誰かに追跡されているようだ。
 俺は何となく追われているような気がするぐらいの感覚だったが、ノアはどこから見られているのかや、視線の方向、視線の種類まで正確に把握はあくしていた。

「これ、ずっと追われるのは嫌だよな?」

「うん。気分が悪い」

 互いに早く追跡から逃れたいと思っている為、俺たちはこいつらを釣る為にあえて路地裏に入った。
 すると、路地裏に入ってからわずか十メートルほど歩いたところで、短剣を持ったガラの悪い男五人に囲まれた。

「釣れるの早くね?」

「うん。こいつらには警戒という言葉が頭に入っていない」

 俺とノアは小声で、こんなにも早く来たことに驚き、呆れていた。だが、どういう訳か、こいつらには俺たちが身を寄せ合っておびえているように見えたようだ。

「へっ出てきただけで怯えるとか。期待の新人とか言われているやつだから警戒してたけど、所詮しょせんはこんなもんか」

 と、全く警戒していなかった男が言った。

「こんな簡単な仕事でたんまり金がもらえるなんてな。いい仕事を見つけたもんだ」

「ああ、あれには、ノアっていう女一人を捕まえろとしか書かれてなかったけど、これって連れの男を持ってったら報酬が上乗せされるかもよ」

「お、やるか」

 小物臭いセリフを吐くこいつらにはため息しか出ない。

「はぁ……ノア、そっちの三人を生け捕りにしてくれ。こっちは俺がやる」

「うん。任せて」

 俺は三人をノアに任せると、俺は二人の方を向いた。

「生かして捕えてやるから安心しろ」

 俺がそう言った時、二人は腹を抱えて大爆笑した。

「ぎゃはははは……さっきまで怯えていたやつが何か言ってら」

「ああ、俺たちに敗北の二文字はねぇんだよ」

 二人はそう言うと、同時に正面から突撃してきた。二方面から攻撃するとか、タイミングを少しだけずらして攻撃するとか、そんな戦略的なことは一切ない。むしろ、正直な攻撃すぎて、何か罠がないか疑いたくなるレベルだ。

「ま、やるか。〈創造〉〈操作〉鉄鎖捕縛・改!」

 俺は〈創造〉で両端に鉄球のおもりが付いた鉄のくさりを作ると、〈操作〉で二人まとめで胴の部分を縛った。

「なあっ!?」

「ぐはっ」

 二人はいきなり縛られたことで身動きが取れなくなった。そして、重さ四キログラムある鉄球二つ分の重さが急に腰にかかったことで、二人は前に倒れた。

「じゃ、動くな」」

 俺は倒れたことで二人が手放した短剣を〈操作〉で二人の首元にそれぞれ突きつけた。

「よし、ノア! そっちはどう……て、こりゃ一体何をしてるんだ?」

 俺が目にしたのは、身ぐるみはがされた状態で、建物にくくりつけられたロープで逆さづりにされている三人の男の姿と、そいつらに殺気を向けるノアの姿だった。

「あ、うん。こっちはこいつらが持ってたロープで拘束した後に、私の殺気を当てたり、爪をいで拷問ごうもんしてる」

 ノアはニコッと笑いながら、実に恐ろしいことを言った。俺は思わず自分の爪を隠した。

「わ、分かった。取りあえずこいつらから目的と、背後にいる存在を聞き出すとしよう」

 こいつらはさっき、俺たち――と言うよりはノアを捕まえると言っていた。そして、そのことを仕事と言い、そのことに対する報酬があると言っていた。つまり、こいつに仕事を依頼したやつがいるということになる。
 俺はそのことを知るべく、こいつらの前に立つと、こう告げた。

「俺が聞きたいのは何故ノアを誘拐しようとしたのか、そして、お前たちに仕事を依頼したのは誰なのか、だ」

 だが、こいつらはプライドが高いのか、それとも忠誠心が高いのかは分からないが、俺が聞いても舌打ちをしながら無視するだけだ。

「そうか……じゃ、力づくで吐かせてやる」

 俺はそう言うと、こいつらの爪の裏に、地面に落ちていた短剣を刺した。

「ぎゃああー!!」

「うるさい」

 俺は目の前で叫び声が思いのほかうるさかったので、叫べないように、ノアに頼んで力づくであごを固定してもらった。

「じゃ、やるか。お前ら、話したいと思ったら右手を上げるんだ」

 俺は悪魔のような笑みを浮かべると、一人ずつ拷問をしていった。
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