ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~

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第一章 街の闇

第六話 いい稼ぎだ

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「え~と……ロックタートルはしっぽの魔岩だけでいいかな?」

 ロックタートルは全身を覆う甲羅こうら全てが素材になるが、俺の〈操作〉でも重すぎて持ち運べない為、持ち運ぶすべはな――いや、ノアに運んでもらうという方法があるが、流石にノアが運んでいる光景を他人に見せるわけにはいかない為、一番高く売れる部位である魔岩という三十センチほどの石を持って帰ることにした。この石は、ロックタートルの中で最も硬く、軽い部位なので、様々な使い道がある。

「じゃ、よっと」

 俺は魔岩の根元を再び〈創造〉で作った鉄剣で切ると、魔岩を地面に置いた。

「う~ん……こいつはこの状態じゃ燃やせないしな~……だが、かと言って放置は駄目だし……」

 俺が腕を組んで「う~ん」と悩んでいると、ノアが俺の顔を下から覗き込んだ。

「それなら私が細かく切ってあげる」

 ノアはそう言うと、両手にドラゴンクロウを出現させた。そして、ロックタートルの死骸に近づくと、両手をクロスするように振って、ロックタートル死骸を切った。そして、これを数か所で行うことで、ロックタートルの死骸をバラバラにした。

「どう?」

 ノアは俺の方に振り返ると、ニコッと笑みを浮かべながら、自慢気に言った。

「ああ、ありがとう」

 俺は礼を言うと、むき出しになったロックタートルの体内を、〈創造〉で作った火で燃やした。その後、〈操作〉でロックタートルの死骸の下の土を動かして穴を開けると、その中にロックタートルの死骸を落とした。その後、どかした土を上からかぶせて埋め立てた。

「よし、今日はこれくらいにして帰ろうか」

「うん」

 俺はフォレストウルフの毛皮を丸めた状態で肩に担ぎ、ノアは魔岩を抱え持った。
 そして、一緒にゲルディンに戻った。




「これと、これをお願いします」

 冒険者ギルドに入った俺は、半数の人たちから畏怖いふの視線を向けられながらも、素材売却所で素材の売却を頼んだ。

「え~と……フォレストウルフの毛皮が一つ。そしてこれは……あの、あなたたちはこれが何の魔物の素材か分かりますか?」

 受付嬢は信じられないものを見るような目で、魔岩と俺たちを交互に見る。

「ああ、それはロックタートルの魔岩だ。まあ、見つけた時に偶々たまたま大穴に落っこちて、ひっくり返っていたんだよ。まあ、運が良かっただけだ」

 俺はその場で考えた言い訳をした。ロックタートルを倒したのはノアなのだが、倒し方を説明したところで信じてくれないだろう。だからと言って、普通に倒したと言ったら、強制的にランクを上げられる可能性が高い。そうなったら厄介なことが起きると思った俺は「運が良かった」で済ませることにしたのだ。

「なるほど……そんな間抜けなロックタートルもいるんですね……あ、はい。本日は貴重な素材、ありがとうございます。買取金額は三十一万セルになります」

 受付嬢はそう言うと、銀貨三枚、小銀貨一枚を俺に手渡した。俺は硬貨を受け取ると、ふところの中に入れた。

「じゃ、昼食にするか」


「うん。今日は肉の気分」

 ノアは花が咲き誇ったかのような笑みを浮かべると、俺と手を繋いだ。
 その様子を見ていた周囲の人の視線から畏怖が消えて、代わりに「燃えちまえ、リア充が!」て感じの視線になった。ノアは、その視線が嫌なのか、「ねえ、軽く潰してもいい?」とまるで店で欲しいものを指さす子供のような視線で俺のことを見つめてきた。
 まあ、流石にそれはダメなので、俺は「手を出されない限り、こっちも手を出すのはダメだぞ」と、まるで親が子供に言い聞かせるような口調でノアの意見を却下すると、足早に冒険者ギルドの外に出た。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ゲルディンの西側にはスラム街があり、そこには影の支配者シャドールーラーという違法奴隷売買組織のアジトがある。

 影の支配者シャドールーラーのボス、ガスラー視点

「よし、今月はいくら稼いだ?」

 俺は隠し部屋にある黒光りする高級なソファに腰かけ、目の前でひざまずいている部下にそう尋ねた。

「はい。今月の稼ぎは小金貨七枚、銀貨三枚、小銀貨二枚で、計七百三十二万セルになります」

「ほう……そこそこといったところか」

 だが、この内の半分はあの御方にささげなければならない。半分も渡すのは少々不本意だが、あの御方のおかげで、奴隷を他の街に売ることが出来る。それに、あの御方の名を使うことでこの街の他の裏組織の組員を取り込み、今やこの街の裏組織は影の支配者シャドールーラーしかいない。つまり、利益を独占出来るのだ。それらを考慮こうりょすれば、半分は妥当だとうな金額だろう。

「ふぅ~で、上玉は見つけたのか?」

 奴隷は若くて美しい女が一番高く売れる。いいものなら一人で金貨三枚になるようなやつだっていた。俺は期待の眼差しをこいつに向けた。

「はい。上玉はいました。ノアという銀髪金眼の美しい少女です。小金貨四枚に届いてもおかしくはないぐらいの美しさです」

「なんだと!?」

 俺はその報告を聞いて、思わずソファから跳び上がった。そして、今すぐ欲しいと思った。

(くふふ……美しい女は売る前に俺がたっぷりと味見してやらんとな……)

 俺は舌なめずりをしながら笑みをこぼした。

「よし! 早速連れてこい! ただ、傷はつけるなよ」

「分かりました」

 部下は再び頭を下げると、部屋から出て行った。

「あ~楽しみだ」

 俺は暫くの間、笑いが止まらなかった。
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