【完結】転生して妖狐の『嫁』になった話

那菜カナナ

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23.和解

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「来ちゃダメだ!!!」

 リカさんが叫んだ。けれど、みんなの怒りは収まらない。

 獣系の妖達は毛を逆立たせ、その他の妖達は赤や青のオーラを纏っていく。素人目にも分かる。あれは間違いなく臨戦態勢だ。

「里から出ていけ!!!」

六花りっか様と優太ゆうたを離すにゃ!! このキツネ共!!!」

 みんなは妖狐のことを恐れていた。高位の妖で、それでいて好戦的だからって。なのに今は。

「……いや」

 震えてる。農具を持つ手が、小さくて狭い肩が。変わらず怖いんだ。なのに必死になってリカさんや俺のことを助けようとしてくれてる。

「……っ」

 目尻がじんわりと熱くなってきた。泣いてる場合じゃない。分かってる、分かってるけどどうにも嬉しくて。

「若様、ここは私が」

 定道さだみちさんが名乗りをあげた。その碧眼は冷たく、何の感情も見て取れない。

 殺す気だ。みんなのことを。何の躊躇ちゅうちょもなく。

「待て」

「っ! 若様……?」

 かおるさんは顔を深くうつむかせていた。手はリカさんの背中――紺色の羽織の上。ぎゅっと握り締めて皺を作っている。銀糸の隙間から見える金色の瞳の表情は固いような気がした。

 文字通り、理想と現実の狭間で揺れてるんだろう。

 これならまだ俺達にも勝機はある。交渉の余地はあるんだ。考えろ。考えるんだ。

「お待ちください」

 不意に一匹の猫股が現れた。白と黒のハチワレで、紺色の着物に袖を通している。

 重たいまぶたが特徴的な程よいブサ猫感が漂う顔立ち、短い両手足、ぷっくり丸々のボブテイル。間違いない大五郎だいごろうさんだ。

「止すんだ!」

 リカさんが制止をかけた。途端に俺の背にも嫌な汗が伝う。

 大五郎さんが何をしようとしているのか、漠然とだけど悟ってしまったから。

 大五郎さんは自分の身を犠牲にするつもりなんだ。

「リカさんも俺も大丈夫です! 薫さんときちんと話します! だから――っ」

 大五郎さんが微笑む。胸が締め付けられるような笑顔だった。

 気遣ったつもりが、その何十倍の優しさで返されてしまったようで。

「……っ」

 身動きが取れなくなる。大五郎さんの優しさに圧し潰されて。

「解」

 白い光が猫又姿の大五郎さんを包み込んでいく。俺の時と同じだ。愛くるしい両手足が、一つの大きな車輪に変化していく。

「だい……ごろう……」

 薫さんが大五郎さんの名を呼んだ。酷く驚いている。かと思えば、ぐっと何かを堪えるような表情になって。

 大五郎さんは雨司時代は、リカさんの側近だったらしい。

 だけど、その前はもしかしたら薫さんのお世話係や護衛をしていたのかも。

 それだけ、俺の目には薫さんの反応が特別に見えた。何かしらな近しい間柄だったんじゃないかなと思う。

「大五郎殿、貴方にはご当主様より直々にの命が下っております」

 定道さんが淡々と告げた。討伐ってまさか殺すってことか!? 何で? 脱走兵だから?

「ええ、存じております」

「話しが早くて助かります――」

「抵抗は致しません。私のことは好きにしていただいて結構。ただ、その代わりに、私の首一つで収めていただきたい」

「は……? 今、何と」

常盤ときわ様のことも、この里の者達のこともお見逃しをいただきたいのです」

「止すんだ!!! 大五郎!!!」

「そっ、そうだぞい!!! 早まるな!! 大五郎!!」

「そうにゃ! そうにゃ!! 勝手に話を進めるにゃ――」

「手前勝手であることは重々承知しております。なれど………なれど、この里の者達にはもう他に行く宛てがないのです」

「案ずることはありません」

「えっ……?」

 大五郎さんの大きくてイカつい顔に希望の色が乗る。条件を呑んでもらえた。そう期待したんだろう。

 でも、俺は同調出来なかった。定道さんの表情が妙に冷たく見えて。

「死すればいい。さすればすべての憂いも晴れるでしょう」

「なっ!?」

 大五郎さんの表情が、里のみんなの表情が絶望に染まっていく。

 リカさんの悲鳴混じりの訴えが俺の鼓膜を揺さぶる。自分の鼓動音がやけに不快に聞こえて。

「~~っ止めてください!! 定道さん!!!!!」

 俺は力の限りに叫んだ。それでも、現実は無情で。

「成敗」

 定道さんが右手を払う。それと同時に、風の刃が放たれた。斜めの軌道を描いたまま大五郎さんに向かって飛んでいく。

「大五郎さん!!!!」

「がはっ!!?」

 突然定道さんが胸を押さえて苦しみ出した。何だ? 里の誰かが定道さんに攻撃を仕掛けたのか?

「刃は……っ、ダメだ。消えない」

 定道さんがダメージを負っても、あの刃には影響はないみたいだ。速度と形状を維持したまま大五郎さんに向かって飛んでいく。

「っ! くそ……っ」

 誰かが大きく舌打ちをした。今のは――薫さん? じゃあ、定道さんを攻撃したのも。

「っ!?」

 空間が――歪んだ? 虹色のひずみが出現したかと思ったら、風の刃が屈折して明後日の方向に。その先で木を斬り倒して霧散した。

「ごふっ!?」

「っ!!! 兄上!!!!」

「っ!? リカさん!!!!」

 気付けばリカさんが吐血していた。肺に穴が開いたみたいな空気音。顔は青白くて生気をまるで感じさせない。まさか、死――。

「~~っ、嫌だ!!! リカさん!!! しっかりしてください!!」

「兄上!!! 兄上!!!」

 薫さんはリカさんの上から退くと、目覚めを促すようにリカさんの肩を叩いたり、大きく揺すり始めた。

 必死だ。あれもきっと演技じゃない。薫さんにとっても、これはきっと望んだ結果じゃなかったんだ。

 リカさんと薫さんはやり直せる。きっとまた仲良くなれる。これからなんだ。これからなんだよ。~~っ、だから!!!

「神様っ、リカさんを助けて――」

「はははっ……だいじょう、ぶ。なんとか……生きて、るよ」

 リカさんは青白い顔のままへらっと笑った。いつもの調子で。マイペースに。

「あっ……あぁ……」

 ほっとしたんだろう。俺の瞳から涙が溢れ出した。止まらない。固く目をつぶっても溢れ出てくる。

「六花様ぁ~~!!!」

「良かった~~~!!!」

「肉体の主導権を奪い合う中で……っ、何という無茶を……っ」

 端的に言えば『反動』をくらったってことか。

 大五郎さんの口ぶりから察するに、それはたぶん死んでもおかしくないぐらい危険なことで。

「っ、まったくもう……」

 山小屋で一人布団に包まって眠っていたリカさんの姿を思い返す。

 リカさんは立派だ。立派だけど、やっぱり物凄く危なっかしくもあって。

 この気持ちになる度に改めて思う。俺もリカさんを守らなくちゃ。いや、守りたいって。

「なん、なんだ……一体……」

 今度は定道さんが目に見えて動揺し出した。真意は分からないけど、この分だと追撃はなさそうだ。内心でほっと息をつく。

「見ての通りですよ。どうやらでもなけりゃ、……っは、あのらしい」

「そんなはずは」

「まさしく大奥様が守るべきだと叫ばれていた者達です。『正しくも弱き者達』でしたっけね?」

「っ! ほっ、穂高ほだかさんもその……大奥様と同じ考えなんですか?」

「既知の通り、俺は首輪を付けられているんでね、薫様のご意思に従うまでですよ」

「首輪が付いてなかったら? 外されるようなことがあったら?」

 我ながら思い切ったことを聞いたなと思う。

 穂高さんも味方になってくれるかもしれない。そんな浅はかな期待に背中を押されてのことだ。

「まぁ、それはないとは思いますが……そうですね。薫様と定道殿の、といったところでしょうか」

「頑張り?」

 予想外な返事が返って来た。薫さんや定道さんが前向きであるのなら、穂高さんも協力してくれるってことか?

「体ですよ」

「っ!? かっ――」

「~~っ、ふざけるのも大概になさってください!!!」

「本心ですよ。正直なところ俺は弱者の救済にも、雨司の繁栄にも興味がないんでね」

「下種が」

 ははっ……つまりはってことか。首輪が付いてる間はひとまず安心かな? 人道的に、妖界的にどうなんだってところはあるけど。

「定道殿、そういう貴方はどうなのですか?」

「私は……」

 息が詰まるような緊張が押し寄せてくる。それは里のみんなも同じみたいで、じーっと祈るような眼差しで定道さんを見ていた。白猫又の菊ちゃんに至っては合掌をし始めている。

「私……は……」

 定道さんはそんな里のみんなや俺を一瞥した後で、固く唇を引き結んだ。

 迷ってくれてるのかな? 絆で結ばれたこの里の在り方に、少しは心を動かしてくれてて。

「……私はただ、若様……薫様の命に従うのみです。この意思に変わりありません」

 定道さんの目は真っ直ぐに薫さんを捉えていた。薫さんは最初のうちは驚いてたけど、直ぐに目を伏せて――頬と肩が小さく震え出す。

「若様、ご命令ください。私は、定道は貴方の仰せのままに動きます」

 問いかける定道さんの声は心なしか弾んでいるような気がした。直感したんだろうと思う。薫さんの疑いが晴れつつあるんだって。

「定道」

「はっ」

「…………………………兄上の傷を癒せ」

「かしこまりました」

 定道さんは勢いよく立ち上がると、リカさんの元に駆け寄った。薫さんの向かい側の辺りに座ってリカさんの容体を確かめていく。

「奥方様も、常盤様のお傍に行ってあげてください」

「はっ、はい!!」

 大慌てで駆け出してリカさんの元に向かう。

「リカさん! しっかりしてください! リカさん!!」

「…………」

 薫さんが無言のまま横にずれて場所を譲ってくれた。俺は一礼した後で、リカさんの横のあたりへ。そしてそのまま、リカさんの手をぎゅっと握る。冷たい。普段はもっと温かいのに。

「大丈夫です。必ずや私が」

「定道さん……っ、よろしくお願いします」

「……心得ました」

 定道さんは紺色の手ぬぐいでリカさんの顔を拭いつつ、薄緑色の魔法陣みたいなものを展開し始めた。言わずもがな、治療系の術なんだろうと思う。

「ごめんね。守ってあげられなくて」

 謝るリカさんの声は酷く掠れていた。俺は浮かびかけた涙を瞼で散らして、大きく咳払いをする。

「何言ってるんですか。俺も、みんなもこうして生きてるじゃないですか。ちゃんと守ってもらいましたよ」

 リカさんは小さく首を左右に振った。表情は依然として暗いままだ。この人、これで結構頑固なんだよな。

 こりゃ引きずるなと内心で苦笑していると――リカさんの手が俺のブレザーに触れた。

「制服も。……ボロボロになっちゃったね。ねくたいは千切れて、いんなーも、わいしゃつもビリッビリに」

「大丈夫ですよ。本物は奥にあるじゃないですか」

「転送、したんだ。異界の素材で、私には再現、出来なかった、から」

 つまりはこれが本物ってことか。それでも。

「後悔はありませんよ。俺はこの世界に骨を埋める覚悟ですから」

「……もう。かっこいいんだから」

「リカさんには負けますよ」

「貴方は本当にバカなんですね」

「ぐっ!!?」

「おぉ……?」

 このタイミングで薫さんからの追撃が!? また弟化するリカさんを見れるかも、何て期待しかけたけど……そんなほんわかテンションではいられなさそうだ。

 呆れ顔を浮かべながらも、怒気を滲ませる薫さんを前に、俺はぐっと息を呑んだ。


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