13 / 27
13.祝言
しおりを挟む
リカさんと好い仲になってから2週間後――俺はとんでもないことになっていた。
「……マジか」
鏡の中の俺はお嫁さんになっていた。真っ白な着物――白無垢に身を包んで。
俺は母さん似の女顔。おまけにガリだけど、やっぱり男なんだよな。違和感が半端ない。
「お似合いですよ」
透かさず三毛猫の猫又・梅さんがフォローしてくれる。流石はお局。隙がない。
「リカさんもきっと喜ぶにゃ♪」
「リカさんも……?」
黒猫又の椿ちゃんに乗せられて、まんまと想像してしまう。花嫁な俺を見て嬉しそうに微笑むリカさんの姿を。
「へへっ」
鏡の中の俺が破顔する。頬を赤らめて、ふはっと音が立つぐらい大きく口を開けて。
「えっ……?」
「どーした?」
「いや……その……俺、こんなふうに笑えるようになったんだなーって……」
「いつものことにゃ?」
「そう……なの?」
目尻が熱くなる。もっとずっと時間がかかると、下手したら俺には一生無理かもしれないって思ってたから。
ああ、リカさんやみんなのお陰なんだな。
「……っ」
ボロボロと涙が溢れ出す。慌てて拭うけど止まらなくて。
「どうしたにゃ!? お腹が苦しいにゃ?」
「違うんだ! その……嬉しくって……」
「優太様……」
椿ちゃんとキジトラの皐月ちゃんが見上げてくる。とても心配そうな顔をして。
これじゃマリッジブルーだと思われちゃうよな。早く立て直さないと。
「あ~、お化粧がガタガタですにゃ」
「っ! ごめん……」
白い猫又の菊ちゃんが深い溜息をつく。この子はしっかり者でとても頼りになる。女中猫又'sの現場監督的な立ち位置の子だ。
「仕方にゃい。落ち着いたら、また菊が整えて差し上げますにゃ」
あっ、あったけぇ……。
「う゛、う゛おお゛おぉ!!!」
「あ゛ぁ!? もっ、もう! 思う存分泣くにゃ! 涙涸らすにゃ!!」
「あ゛、あい……」
俺はお言葉に甘えて思う存分泣かせてもらった。ぷにぷにした肉球に、顔や足をぽふぽふしてもらいながら。
.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。
「新婦様のご入場じゃ~い!」
唐傘小僧の吉兵衛さんの号令を受けて歩き出す。
おかしいな。リカさんの家の廊下であるはずなのに、別の何処か――格式高い式場と見紛いそうになる。
「焦らずゆっくりね」
「はっ、はい……」
俺の手を引いてくれているのは、ろくろ首の棗さんだ。
黒い髷頭に琥珀色の簪スタイル。黒い着物がとてもよく似合っている。
今は首を引っ込めているのもあって、見た目の上では普通の人間と変わりない。
「っ!」
襖をくぐるなり最奥にいるリカさんと目が合った。
黒い羽織袴姿。凛としていて凄く綺麗だ。それこそ作り物なんじゃないかって思ってしまうぐらい。
なのに浮かべてる笑顔は無邪気で、温かくて。幸せって顔に書いてある。
止してください! 死ぬほど恥ずかしい!
……なんて、内心一人でパニくってるくせに、死ぬほど嬉しくもあって。
「綺麗だ」
横に座るなりリカさんが囁いた。
違和感の塊。
そんな自己評価が崩れ去って、バカみたいに華やぎ出す。
「きゃ~ん♡」
「っ!?」
棗さんの首がぐーーんっと伸びて、俺とリカさんを囲む。
リカさんは余裕の笑顔。まだ見慣れてない俺は汗だらっだらで。
「お陰で若返ったわぁ~♡ ありがとね♡」
棗さんは冷やかすだけ冷やかすと、軽やかな足取りで参列席へと向かって行った。
「なっ、なな……」
時間差で照れが押し寄せてくる。辛い。
「夫婦固めの盃じゃ~い!」
間髪を容れずに唐傘小僧の吉兵衛さんが号令をかけてくれる。ありがたい。
「にゃっ、にゃ……」
椿ちゃんが朱色の盃を、皐月ちゃんが金色の柄杓みたいなものを持ってきてくれる。
「ありがとう」
椿ちゃんの手からリカさんの手に小さな盃が渡る。そこに皐月ちゃんがお酒を注いでいく。3回に分けて丁寧に。
「…………」
リカさんが盃に口を付けた。喉仏を上下に動かして飲み干していく。
神聖な儀式であるはずなのに、何だか妙に艶めかしく見えて。
「……っ」
俺は堪らず目を逸らした。
「ゆーた?」
「ああっ! ごめん……っ」
椿ちゃんが盃を差し出してきている。待たせてしまったみたいだ。
俺は慌てて盃を受け取った。リカさんの時同様、こぽこぽとお酒が注がれていく。
飲むのはこれが初めてだ。ちゃんと飲めるかな?
盃に口を近付ける。
これはさっきまでリカさんが使ってた盃だ。
ようはあれだよな。この儀式って、西洋式のウエディングで言うところの『誓いのキス』みたいなもんで……。
「~~っ」
顔が熱くなる。心音の主張も激しくなって。
「優太……?」
リカさんが泣きそうな顔でこっちを見てくる。
不安にさせてしまったんだ。すみません! 俺は大慌てで飲み干しにかかった。
「ゲホっ! ゲホっ!!!」
「優太!」
リカさんは直ぐに俺の傍に。背中をさすってくれる。
「すみ、ませ……っ」
「大丈夫だから。落ち着いて」
囁いてくれる。俺の耳元で。とても穏やかに。
デジャブだ。ああ、そうか。初めて会った時もこんなふうに宥めてくれたんだっけ。
なのに俺は、こんなに優しいリカさんを不安にさせて。
「……恥ずかしくって」
「ん?」
リカさんに耳打ちをする。俺の呼気は酒臭かった。気が引けるけど、一刻も早く誤解を解きたくて。
「だってこれ接吻と変わらないでしょ?」
「ああ……」
リカさんはほっとしたように笑った。良かった。誤解は解けたみたいだ。
「後でいっぱいしようね」
「っ!?」
「にゃはー!!」
「はっ、破廉恥……!」
耳打ちの形ではあったけど、近くにいた椿ちゃんと皐月ちゃんには聞こえてしまったみたいだ。益々以て居た堪れない。
その後、俺は辛々立て直して『夫婦固めの盃』を終えた。その後も細々とした儀式をこなして。
「にゃーん!!」
「めでたいねぇ~」
直ぐに披露宴へ。みんな好き勝手に騒ぎ出した。女中猫又’sを始めとした里の妖達が祝福してくれる。
ほんの数週間前までは警戒されまくってたのに。これもまたリカさんの人徳の成せる技か。
でも、胡坐をかいてばかりもいられないよな。補助輪付きでも信頼してもらえるように努力していかないと。
「常盤様! いや~本当に良かったぁ!!!」
車輪のお化け・大五郎さんが大口を開けて泣き出した。まさに『男泣き』、何とも豪快だ。
というか……ん? 常盤ってリカさんのことか?
「うぉっ!? うぷっ……!!」
「ははっ、飲み過ぎだよ。ほら、厠に行こう」
「面目ない……っ」
リカさんが率先して介抱役を引き受けてくれる。
俺はそんな2人を見送った後で、透かさず梅さんに問いかけた。
「あの……常盤っていうのは」
「六花様がお捨てになった名です」
「かつては一騎当千の強者として名を馳せておられたんじゃぞ~い」
傘小僧の吉兵衛さんが補足してくれる。自分のことのように誇らし気に。
「あの優しいリカさんが?」
虫一匹殺さなさそうなリカさんが? ダメだ。まるで想像がつかない。
「太平の世を夢見ておいでだったのですよ。足掻きに足掻いて打ちのめされて……。そうして、この小さな楽園をお築きになられたのです」
具体も何もないのに、リカさんの絶望と悲しみが伝わってくるようだ。胸が苦しい。
「大五郎は六花様が武人であった頃の部下じゃ~。くくっ、ヤツめ大旦那様から直々に六花様を連れ戻すよう命じられたのにもかかわらず、コロリと寝返りおっての~」
「連れ戻すって……リカさん家出してるんですか!?」
「ええ。200年程前に」
スケールが違い過ぎる。リカさん一体何歳なんだ?
「150年にも渡って捜索がなされていたようですが……直近50年の間には目立った動きはありません」
「大五郎がこの里に招かれたのがちょうど50年前。故にヤツが密偵なのでは? と疑いもしたんじゃがな~」
「御覧の通りの愚直な男ですから、その線はないと見ております」
「偵察関連の術も施されておらんかったしな~」
「それってつまり、大五郎さんでも説得出来なかったから、諦めてくれたってことですか?」
「おそらくは」
どうにも腑に落ちない。本当に諦めてくれたのかな? 150年も探し回ってたんだろ?
「……何にせよ、頑張るっきゃないよな」
俺は静かに決意を固めた。
俺に出来ることを、俺にしか出来ないことをするんだ。
リカさんを、みんなを、この幸せを守るために。
「……マジか」
鏡の中の俺はお嫁さんになっていた。真っ白な着物――白無垢に身を包んで。
俺は母さん似の女顔。おまけにガリだけど、やっぱり男なんだよな。違和感が半端ない。
「お似合いですよ」
透かさず三毛猫の猫又・梅さんがフォローしてくれる。流石はお局。隙がない。
「リカさんもきっと喜ぶにゃ♪」
「リカさんも……?」
黒猫又の椿ちゃんに乗せられて、まんまと想像してしまう。花嫁な俺を見て嬉しそうに微笑むリカさんの姿を。
「へへっ」
鏡の中の俺が破顔する。頬を赤らめて、ふはっと音が立つぐらい大きく口を開けて。
「えっ……?」
「どーした?」
「いや……その……俺、こんなふうに笑えるようになったんだなーって……」
「いつものことにゃ?」
「そう……なの?」
目尻が熱くなる。もっとずっと時間がかかると、下手したら俺には一生無理かもしれないって思ってたから。
ああ、リカさんやみんなのお陰なんだな。
「……っ」
ボロボロと涙が溢れ出す。慌てて拭うけど止まらなくて。
「どうしたにゃ!? お腹が苦しいにゃ?」
「違うんだ! その……嬉しくって……」
「優太様……」
椿ちゃんとキジトラの皐月ちゃんが見上げてくる。とても心配そうな顔をして。
これじゃマリッジブルーだと思われちゃうよな。早く立て直さないと。
「あ~、お化粧がガタガタですにゃ」
「っ! ごめん……」
白い猫又の菊ちゃんが深い溜息をつく。この子はしっかり者でとても頼りになる。女中猫又'sの現場監督的な立ち位置の子だ。
「仕方にゃい。落ち着いたら、また菊が整えて差し上げますにゃ」
あっ、あったけぇ……。
「う゛、う゛おお゛おぉ!!!」
「あ゛ぁ!? もっ、もう! 思う存分泣くにゃ! 涙涸らすにゃ!!」
「あ゛、あい……」
俺はお言葉に甘えて思う存分泣かせてもらった。ぷにぷにした肉球に、顔や足をぽふぽふしてもらいながら。
.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。
「新婦様のご入場じゃ~い!」
唐傘小僧の吉兵衛さんの号令を受けて歩き出す。
おかしいな。リカさんの家の廊下であるはずなのに、別の何処か――格式高い式場と見紛いそうになる。
「焦らずゆっくりね」
「はっ、はい……」
俺の手を引いてくれているのは、ろくろ首の棗さんだ。
黒い髷頭に琥珀色の簪スタイル。黒い着物がとてもよく似合っている。
今は首を引っ込めているのもあって、見た目の上では普通の人間と変わりない。
「っ!」
襖をくぐるなり最奥にいるリカさんと目が合った。
黒い羽織袴姿。凛としていて凄く綺麗だ。それこそ作り物なんじゃないかって思ってしまうぐらい。
なのに浮かべてる笑顔は無邪気で、温かくて。幸せって顔に書いてある。
止してください! 死ぬほど恥ずかしい!
……なんて、内心一人でパニくってるくせに、死ぬほど嬉しくもあって。
「綺麗だ」
横に座るなりリカさんが囁いた。
違和感の塊。
そんな自己評価が崩れ去って、バカみたいに華やぎ出す。
「きゃ~ん♡」
「っ!?」
棗さんの首がぐーーんっと伸びて、俺とリカさんを囲む。
リカさんは余裕の笑顔。まだ見慣れてない俺は汗だらっだらで。
「お陰で若返ったわぁ~♡ ありがとね♡」
棗さんは冷やかすだけ冷やかすと、軽やかな足取りで参列席へと向かって行った。
「なっ、なな……」
時間差で照れが押し寄せてくる。辛い。
「夫婦固めの盃じゃ~い!」
間髪を容れずに唐傘小僧の吉兵衛さんが号令をかけてくれる。ありがたい。
「にゃっ、にゃ……」
椿ちゃんが朱色の盃を、皐月ちゃんが金色の柄杓みたいなものを持ってきてくれる。
「ありがとう」
椿ちゃんの手からリカさんの手に小さな盃が渡る。そこに皐月ちゃんがお酒を注いでいく。3回に分けて丁寧に。
「…………」
リカさんが盃に口を付けた。喉仏を上下に動かして飲み干していく。
神聖な儀式であるはずなのに、何だか妙に艶めかしく見えて。
「……っ」
俺は堪らず目を逸らした。
「ゆーた?」
「ああっ! ごめん……っ」
椿ちゃんが盃を差し出してきている。待たせてしまったみたいだ。
俺は慌てて盃を受け取った。リカさんの時同様、こぽこぽとお酒が注がれていく。
飲むのはこれが初めてだ。ちゃんと飲めるかな?
盃に口を近付ける。
これはさっきまでリカさんが使ってた盃だ。
ようはあれだよな。この儀式って、西洋式のウエディングで言うところの『誓いのキス』みたいなもんで……。
「~~っ」
顔が熱くなる。心音の主張も激しくなって。
「優太……?」
リカさんが泣きそうな顔でこっちを見てくる。
不安にさせてしまったんだ。すみません! 俺は大慌てで飲み干しにかかった。
「ゲホっ! ゲホっ!!!」
「優太!」
リカさんは直ぐに俺の傍に。背中をさすってくれる。
「すみ、ませ……っ」
「大丈夫だから。落ち着いて」
囁いてくれる。俺の耳元で。とても穏やかに。
デジャブだ。ああ、そうか。初めて会った時もこんなふうに宥めてくれたんだっけ。
なのに俺は、こんなに優しいリカさんを不安にさせて。
「……恥ずかしくって」
「ん?」
リカさんに耳打ちをする。俺の呼気は酒臭かった。気が引けるけど、一刻も早く誤解を解きたくて。
「だってこれ接吻と変わらないでしょ?」
「ああ……」
リカさんはほっとしたように笑った。良かった。誤解は解けたみたいだ。
「後でいっぱいしようね」
「っ!?」
「にゃはー!!」
「はっ、破廉恥……!」
耳打ちの形ではあったけど、近くにいた椿ちゃんと皐月ちゃんには聞こえてしまったみたいだ。益々以て居た堪れない。
その後、俺は辛々立て直して『夫婦固めの盃』を終えた。その後も細々とした儀式をこなして。
「にゃーん!!」
「めでたいねぇ~」
直ぐに披露宴へ。みんな好き勝手に騒ぎ出した。女中猫又’sを始めとした里の妖達が祝福してくれる。
ほんの数週間前までは警戒されまくってたのに。これもまたリカさんの人徳の成せる技か。
でも、胡坐をかいてばかりもいられないよな。補助輪付きでも信頼してもらえるように努力していかないと。
「常盤様! いや~本当に良かったぁ!!!」
車輪のお化け・大五郎さんが大口を開けて泣き出した。まさに『男泣き』、何とも豪快だ。
というか……ん? 常盤ってリカさんのことか?
「うぉっ!? うぷっ……!!」
「ははっ、飲み過ぎだよ。ほら、厠に行こう」
「面目ない……っ」
リカさんが率先して介抱役を引き受けてくれる。
俺はそんな2人を見送った後で、透かさず梅さんに問いかけた。
「あの……常盤っていうのは」
「六花様がお捨てになった名です」
「かつては一騎当千の強者として名を馳せておられたんじゃぞ~い」
傘小僧の吉兵衛さんが補足してくれる。自分のことのように誇らし気に。
「あの優しいリカさんが?」
虫一匹殺さなさそうなリカさんが? ダメだ。まるで想像がつかない。
「太平の世を夢見ておいでだったのですよ。足掻きに足掻いて打ちのめされて……。そうして、この小さな楽園をお築きになられたのです」
具体も何もないのに、リカさんの絶望と悲しみが伝わってくるようだ。胸が苦しい。
「大五郎は六花様が武人であった頃の部下じゃ~。くくっ、ヤツめ大旦那様から直々に六花様を連れ戻すよう命じられたのにもかかわらず、コロリと寝返りおっての~」
「連れ戻すって……リカさん家出してるんですか!?」
「ええ。200年程前に」
スケールが違い過ぎる。リカさん一体何歳なんだ?
「150年にも渡って捜索がなされていたようですが……直近50年の間には目立った動きはありません」
「大五郎がこの里に招かれたのがちょうど50年前。故にヤツが密偵なのでは? と疑いもしたんじゃがな~」
「御覧の通りの愚直な男ですから、その線はないと見ております」
「偵察関連の術も施されておらんかったしな~」
「それってつまり、大五郎さんでも説得出来なかったから、諦めてくれたってことですか?」
「おそらくは」
どうにも腑に落ちない。本当に諦めてくれたのかな? 150年も探し回ってたんだろ?
「……何にせよ、頑張るっきゃないよな」
俺は静かに決意を固めた。
俺に出来ることを、俺にしか出来ないことをするんだ。
リカさんを、みんなを、この幸せを守るために。
20
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
【完結】オオカミ様へ仕える巫子はΩの獣人
亜沙美多郎
BL
倭の国には三つの世界が存在している。
一番下に地上界。その上には天界。そして、一番上には神界。
僕達Ωの獣人は、天界で巫子になる為の勉強に励んでいる。そして、その中から【八乙女】の称号を貰った者だけが神界へと行くことが出来るのだ。
神界には、この世で最も位の高い【銀狼七柱大神α】と呼ばれる七人の狼神様がいて、八乙女はこの狼神様に仕えることが出来る。
そうして一年の任期を終える時、それぞれの狼神様に身を捧げるのだ。
もしも"運命の番”だった場合、巫子から神子へと進化し、そのまま神界で狼神様に添い遂げる。
そうではなかった場合は地上界へ降りて、βの神様に仕えるというわけだ。
今まで一人たりとも狼神様の運命の番になった者はいない。
リス獣人の如月(きさら)は今年【八乙女】に選ばれた内の一人だ。憧れである光の神、輝惺(きせい)様にお仕えできる事となったハズなのに……。
神界へ着き、輝惺様に顔を見られるや否や「闇の神に仕えよ」と命じられる。理由は分からない。
しかも闇の神、亜玖留(あくる)様がそれを了承してしまった。
そのまま亜玖瑠様に仕えることとなってしまったが、どうも亜玖瑠様の様子がおかしい。噂に聞いていた性格と違う気がする。違和感を抱えたまま日々を過ごしていた。
すると様子がおかしいのは亜玖瑠様だけではなかったと知る。なんと、光の神様である輝惺様も噂で聞いていた人柄と全く違うと判明したのだ。
亜玖瑠様に問い正したところ、実は輝惺様と亜玖瑠様の中身が入れ替わってしまったと言うではないか。
元に戻るには地上界へ行って、それぞれの勾玉の石を取ってこなくてはいけない。
みんなで力を合わせ、どうにか勾玉を見つけ出し無事二人は一命を取り留めた。
そして元通りになった輝惺様に仕えた如月だったが、他の八乙女は狼神様との信頼関係が既に結ばれていることに気付いてしまった。
自分は輝惺様から信頼されていないような気がしてならない。
そんな時、水神・天袮(あまね)様から輝惺様が実は忘れられない巫子がいたことを聞いてしまう。周りから見ても“運命の番”にしか見えなかったその巫子は、輝惺様の運命の番ではなかった。
そしてその巫子は任期を終え、地上界へと旅立ってしまったと……。
フッとした時に物思いに耽っている輝惺様は、もしかするとまだその巫子を想っているのかも知れない。
胸が締め付けられる如月。輝惺様の心は掴めるのか、そして“運命の番”になれるのか……。
⭐︎全て作者のオリジナルの設定です。史実に基づいた設定ではありません。
⭐︎ご都合主義の世界です。こういう世界観だと認識して頂けると幸いです。
⭐︎オメガバースの設定も独自のものになります。
⭐︎BL小説大賞応募作品です。応援よろしくお願いします。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
アルファ王子ライアンの憂鬱 〜敵国王子に食べられそう。ビクンビクンに俺は負けない〜
五右衛門
BL
俺はライアン・リバー。通称「紅蓮のアルファ王子」。アルファとして最強の力を誇る……はずなんだけど、今、俺は十八歳にして人生最大の危機に直面している。何って? そりゃ、「ベータになりかける時期」がやってきたんだよ!
この世界では、アルファは一度だけ「ベータになっちゃえばいいじゃん」という不思議な声に心を引っ張られる時期がある。それに抗えなければ、ベータに転落してしまうんだ。だから俺は、そんな声に負けるわけにはいかない! ……と、言いたいところだけど、実際はベータの誘惑が強すぎて、部屋で一人必死に耐えてるんだよ。布団握りしめて、まるでトイレで踏ん張るみたいに全身ビクンビクンさせながらな!
で、そこに現れるのが、俺の幼馴染であり敵国の王子、ソラ・マクレガー。こいつは魔法の天才で、平気で転移魔法で俺の部屋にやってきやがる。しかも、「ベータになっちゃいなよ」って囁いてきたりするんだ。お前味方じゃねぇのかよ! そういや敵国だったな! こっちはそれどころじゃねえんだぞ! 人生かけて耐えてるってのに、紅茶飲みながら悠長に見物してんじゃねぇ!
俺のツッコミは加速するけど、誘惑はもっと加速してくる。これ、マジでヤバいって! 果たして俺はアルファのままでいられるのか、それともベータになっちゃうのか!?

聖獣王~アダムは甘い果実~
南方まいこ
BL
日々、慎ましく過ごすアダムの元に、神殿から助祭としての資格が送られてきた。神殿で登録を得た後、自分の町へ帰る際、乗り込んだ馬車が大規模の竜巻に巻き込まれ、アダムは越えてはいけない国境を越えてしまう。
アダムが目覚めると、そこはディガ王国と呼ばれる獣人が暮らす国だった。竜巻により上空から落ちて来たアダムは、ディガ王国を脅かす存在だと言われ処刑対象になるが、右手の刻印が聖天を示す文様だと気が付いた兵士が、この方は聖天様だと言い、聖獣王への貢ぎ物として捧げられる事になった。
竜巻に遭遇し偶然ここへ投げ出されたと、何度説明しても取り合ってもらえず。自分の家に帰りたいアダムは逃げ出そうとする。
※私の小説で「大人向け」のタグが表示されている場合、性描写が所々に散りばめられているということになります。タグのついてない小説は、その後の二人まで性描写はありません
【完結】黒兎は、狼くんから逃げられない。
N2O
BL
狼の獣人(異世界転移者)×兎の獣人(童顔の魔法士団団長)
お互いのことが出会ってすぐ大好きになっちゃう話。
待てが出来ない狼くんです。
※独自設定、ご都合主義です
※予告なくいちゃいちゃシーン入ります
主人公イラストを『しき』様(https://twitter.com/a20wa2fu12ji)に描いていただき、表紙にさせていただきました。
美しい・・・!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる