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第三章。

暇を持て余す、えむっけの遊び。

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次なる中継地点であるファジュル国はちょっぴり遠い。
予定では5日間を要する。

「さすがに…暇だな…」

やることがヤルことしかないんだ。
そしてこの暇だなは、不用意な発言でしかなかった。
何せ今、僕の胎内にはロイがいる。

「お前…この状態でそれを言うか…」

本当に不思議なんだ。
目覚めてから今日はすでに3回ほど僕の胎内に注いでいるというのに、まだ注ぎ足りないようだ。
この男の性欲はどうなっているのだろうか。

改めてロイを思い返してみよう。
透けそうなほどにサラサラしている銀髪に、琥珀色の虹彩が綺麗な瞳、そして僕の理想とする細マッチョで、上背も僕の頭1個分ほど高い。
要約すると、ただのイケメンだ。

容貌と性欲のギャップがおかしい。
イケメンって淡白だと決めつけてる僕が変なのか?

と、冒頭に戻る。
ぐっと胎内にまで体重がかかるのが伝わった。

「あ…、待て…それはっ…だめだぁ……うぁ…」
「暇なんて思えないほどっ、グズグズになればいいっ」

ロイのセックスは、ある日を境にすごく優しくなった。

そりゃ抱き潰されるのは毎回だし、執拗だしねちっこいし…、でも痛みを与えることはなくなったんだ。
それを少し物足りなく感じてしまうほどには、僕はアレに慣らされたんだと思う。

今、僕を見下ろすロイの瞳は、あの頃のように少し嗜虐的な色を漂わせている。
心臓がドクリと高鳴って、後孔だって期待にキュッキュと締め付けてしまう。

「なんて顔してんだよ…」
「え……あンっ!!…なに……っあ!」

ああ、行き止まりのようで行き止まりじゃない、奥の奥をこじあけようとするこの感覚…ひさしぶりだ。

「挿入るぞ」

言葉通りにぐぽんっと胎内が鳴る。
全身が粟立って、涙があふれて、小刻みに痙攣してしまう。

「っひ!!ひぁ…、あ…!…うぁっ…!!」

拡げるように腰をまわされて、ぐぷんっ、ぐぽんっと奥の奥のを執拗に抉られて、乳首に強く吸いつかれて歯をたてられる。
同時にお腹に裏スジが擦れてしまい、ビクっと身体全体が跳ねあげる。
全部知っててやってるんだ。
片方の乳首も焦らすように触れられて、爪で摘みあげられれば痛いはずなのに、僕のマイサンは白濁した体液をびゅくびゅくとぶちまけてしまう。

「あッ!あぁ!んんっ!あッッ───!!!」

そこで行為が終わることはなくて、白濁液をとろとろと垂れ流した達したばかりの敏感なマイサンは、ロイか腰を揺らすたびにお腹で擦られ続ける。

「あッ!んんッ!も、無理ぃ…」

精液が潤滑剤になってぬるぬるぬめって、抽挿も激しくなって、こみ上げるものに震えてしまうとマイサンから透明な液体が勢い良く吹き出す。
それを合図のように、ロイがガツガツと腰を打ち付けて、僕は泣き声なような嬌声をあげ続けて、胎内でロイが弾けると熱に浮かされたように蕩けてしまう。
残滓を全て吐き出すように、ぐぷんっ、ぐぽんっと抉られるころには僕の意識は飛んでいる。

そして目覚めると身奇麗に寝かされている日々だ。

あの痛みの続きにある快楽を教え込んだのはロイだ。
たまには不用意な一言も言ってみるもんだなと、僕は二度寝にしけこんだ。


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