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第二章。
初、後始末。
しおりを挟むおいおいロイ、冗談だろ?
僕はまた抱き潰れて意識を飛ばしたみたいだ。
それなのに、ロイは僕に覆い被さってまだ腰を振っている。
「んッ、ロイ!いい加減にッ…」
「アキラ…」
唇がロイの唇に食われて、ジンジンと痛い。
ボテボテと腫れている気がする。
あと、お尻もものすごく痛い。
こっちも腫れているのではなかろうか…ジクジクする。
僕は僕の唇とロイの唇の間に手を差し込んだ。
こともあろうか、ロイは差し込んだ僕の手のひらまでも舐めはじめた。
手のひらも舐められると気持ちいいのか…、じゃなくて。
駄目だ、この男は!
まだ媚薬に侵されているのか!!
「キュアコンディション…」
堪らずにロイに状態異常回復の魔法を唱えた。
でもロイの腰の動きはとまらない。
仕方がないから、最後の1発は付き合おう。
僕にもちょっぴりは責任がある。
ロイの首に両腕を巻き付けて、両足も胴体に絡ませた。
律動を手伝うように、ロイの動きに合わせて僕も腰を揺すった。
どこもかしくも痛いのに、それでも気持ちいいを拾ってしまう浅ましい身体だ。
マイサンだってちゃんとピョコんと勃ってる。
「ロイ…ロイ…」
耳元に唇をおしあてて優しく名前を呼んでみると、ロイが僕の身体を痛いくらいに抱きしめて、ゆるかだった律動は徐々に激しくなった。
そろそろ達するんだろう、僕もロイの先端を自分のイイトコに擦りつけて貪った。
「きもちっ…きもちぃ…」
「アキラ…でる、でる…」
「ん、僕も…ッ…」
こんなにしっとりと達したのは、おそらくはじめてだ。
僕はちょぴっとだけ白濁を残した、粘度の薄い精液をぴゅっと放った。
胎内でドクリと脈動させるロイも、たぶんそんな感じだろう。
「…ロイ、大丈夫か?」
「ん…」
ロイはぐったりと僕の身体にのしかかり、ペニスを抜くこともなく寝てしまったみたいだ。
規則正しい寝息が耳をくすぐる。
丸型の小窓から見える空は、とうに夕暮れの終わりに差し掛かっていた。
媚薬に浮かされて、熱が引かなかったロイはずっと1人で苦しんでいたのかと思うと、仕返しとはいえちょっと悪いことをしてしまった気がする。
僕の身体も相当好き勝手につかわれたようだけど…。
ぐったりと身体を預けたロイの頭と背中をよしよしと撫でた。
しばらくその体勢のままで寝かせていたけれど、そろそろ気温も冷え込んでくる時間だ。
僕はロイの身体から抜け出ようと身を捩れば、へにゃへにゃになったロイのペニスはずるりと抜けた。
その途端…、ぷぴっ、ぶびゅ、ととてつもなく下品で恥ずかしい音が僕の窄まりから放たれた。
全部、ロイの精液だ…、どれだけ注いだんだ…、ドロドロトロトロと漏れ出ている。
「…あ、なんてこった」
あれだけ気を付けていた布団が…大惨事だ…。
精液と体液と…おそらく僕の吹き出した液体で、汚れたあげくびっしょびしょだ…。
「ヒール、ヒール、ヒール」
とりあえず、ロイと自身の身体にヒールをかけて痛むところを回復させた。
次は…、タオルをお湯で濡らしてから身体を拭いて、ロイの身体もすみずみまで綺麗にする。
でかいし重いし大変だけど、身体が冷えたら大変だ。
床の上に服を広げて、その上にロイをごろごろと転がして着せた。
僕も服を着てから後始末の続きに取り掛かった。
びっしょびしょの布団を剥いでみると、厚手の布が見事な吸収っぷりで他の布への浸透をせき止めていた。
使えなくなった布団は、それを含め2枚のみ。
くるくると丸めて部屋の隅に放置した。
替えの布団を取り出して、ネッグウォーマー型に重ねて、くぼませておいた所にロイを再び転がして運んだ。
首元まできちんと布団に包ませて、ミッションコンプリートだ!
なかなかの重労働に、額の汗を拭った。
そういえば、僕が情事後の後始末をするのははじめてだ。
何せ毎度潰されるのは僕だ。
ロイはきっともっと丁寧に僕を寝かせてくれてるんだと思う。
申し訳ないが、力のない僕にはこれが限界だ。
「身体は癒やしておいたから、ゆっくりお休み、ロイ」
銀色でサラサラな髪を撫でた。
そして、もし今後ロイが盛られることがあれば、迷わずにキュアコンディションを唱えようと僕は誓った。
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