完璧なまでの美しい僕は僕であり、あの世界の僕ではなかった。

あしやおでこ。

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第二章。

はじめての、ちゅう。

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出発してから、ロイの様子がおかしい。
僕に背を向けたまま座り、息が荒くて苦しそうだ。

「ロイ、具合悪いのか?」
「大丈夫だ」
「大丈夫なわけ…」

肩に触れると、思い切り手を払われてしまった。
僕の手を振り払うとは、なんてヤツだ。

こちらを振り向うともしないなら、僕が覗けばいいだけだ。

「ロイ…、顔が真赤だぞ…」

フードを目深に被っていても分かるほど真赤だ。
そしてロイのペニスが勃起している。
服を押し上げて立派なテントを張っている。

「なんか盛られたのか?」
「くそ…、油断した…」

遅効性の媚薬なのか、ソリに戻ってから効きはじめたのだろうか。

"状態異常回復 キュアコンディション"を唱えれば、ロイから媚薬の作用を抜くことができる。
でも、ロイは僕にえげつない薬を使ったことがある。
少しくらい仕返ししてもバチは当たらないはずだ!!

僕はロイの正面に腰をかけると、布越しに先端を擦った。
びくりと大きな反応を見せるあたり、かなり辛いはずだ。

ロイは今、どんな表情を浮かべているんだろう。
フードをぺろりと剥がすと顔面に耳まで紅潮させて、瞳はゆらゆらと揺れている。

先端を刺激するたびにひくりと震えて、熱い吐息を洩らし、どちゃくそエロくて可愛い!
まさかまさか、僕はとうとう、本気でロイに欲情してしまったようだ。

ロイのアラビアンパンツの前をくつろると、勢いをつけてぶるりとペニスが顔をだした。
太くて硬くて、カリも張りでていて、血管もぼこりと浮いている、羨ましいくらいに男らしい。

「すげ…ガチガチの勃起ちんこ…」
「おま…言い方…」
「触っていい?」

ロイは答えずに顔を背けてしまった。
顎を持って自分に向き直させた。

「いい?」
「触ってくれ…」
「良い子だな」

先端を包むように手のひらでやわく掠めると、窪みからぷくりと液体が溢れた。
かまわずに擦るとにちゅりと水音をたてた。

興奮しすぎて、たまらなくなって僕の心臓はバクバクと鳴っている。

ロイのペニスを先端から包み込むように上下に扱きあげながら、吸い寄せられるように唇を重ねた。
ロイが息を飲むのが伝わる。
唇の間にそっと舌をさしこむと、ロイの舌が僕の舌をからめとった。

「んっ、ふ…、ん…」

舌をからめるだけでこれほど気持ちいいなんて、知らなかった。
多幸感で胸が苦しい。

ロイの手が僕の頬を包んで、口づけはより深いものになった。
舌のつけ根から舐めあげられて、口蓋へ舌が触れた。
僕の待ち望んだトコだ…、くすぐったいような腰が浮いてしまいそうな、思わずロイのペニスを強く扱いてしまった。
あわせた唇の隙間からロイの吐息が溢れると、扱いていた僕の手のひらに熱い液体が迸った。
驚いて唇を離した。

僕が、ロイをイカせることができたんだ。
あぁ…、嬉しいんだ、僕は。

僕の手のひらはべったりと粘るロイの精液がついている。
これを舐めたいと思う僕は、脳みそがどうかしてしまったんだろうか。
ひどい味でひどい匂いなのはわかってるけど、衝動が抑えられそうにない。
手のひらを眺めてから唇の前にもってきて、ロイに見せつけるように舌をだして全て舐めとった。

「アキラ…お前…」
「ふはっ…まずいっ!」

想像通りだ、青臭くて全然美味しくない。
でもなぜか嬉しいんだ。

媚薬が回ってるロイのペニスはガチガチのままだ。
先端の窄まりには白濁した残滓がある…、僕はロイの股間に顔をうずめた。
美しい僕の可愛らしい口には大きすぎるペニスを、舌を蠕かせながら食んだ。
頭をグラインドさせると口の端から唾液が溢れて、すごく卑猥な音に変わる。
何度も何度も口蓋にそって擦り付けると、身体は震えてしまう。

ロイの手が背中のファスナーをおろした。
火照った身体が外気に触れる。
アオザイが肩まで捲れると、小ぶりな桃色乳首も露わになった。
そこに指を這わされて、掠めたりこねたり抓ったり、捻ったり、引っ張られたり、爪をたてられたら、僕の腰が小刻みに震えた。

まだ触れられてもいないのに、口蓋への刺激と、乳首の愛撫だけで達してしまった。
鼻にかかった甘い吐息をだしながら、ロイのペニスを喉の奥まで招き入れて、喉で締め付けた。

頭上で熱い吐息と、口の中で激しい脈動を感じると、喉の奥でロイは弾けた。
ごくりごくりと嚥下した。

「気持ちいい?」

そう聞くと、覆いかぶさりながら深い口づけが降ってきた。
唇も舌もちゅるぢゅると唾液ごと吸われて、食べられてしまいそうなほど喰らいつかれる。
口蓋を舐められると、また下半身が震えてしまう。
自分の精液でべたついたアラビアンパンツが僕のマイサンにへばりついて気持ちいい。
でも触って欲しいし、もっと触って欲しいところもある。

待っていられない。
僕はアラビアンパンツに手を掛けて、腰を浮かせながら自ら脱ぎ捨てた。


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