ただ、きみを愛してる。

栗木 妙

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「――躊躇っていたのは、すべてを打ち明けて君に恨まれるのが怖かった、それだけじゃない……」


 キツく押し当てられた厚い胸板の上、耳元すぐ近くから、そんな言葉が聞こえてくる。
「君の負った傷に付け入ろうと考えてしまう自分を、抑えられる自信が無かったからだ……!」
「ジェム、さん……?」
 どういうことかと問いかけるべく、彼を見上げようとして身じろいだ、その時ふいに腕の力が緩んだ。
 すかさず顎に指が添えられると共に、くいっと上へ持ち上げられる。
 上方へ開けた視界いっぱいに、いつの間にかキスまで出来そうなくらいに近付いていた、ヴァーリス騎士の端正な顔が映った。
「気を失った君を抱き抱えながら、ずっと考えていた。これほどまでに傷付いた君を、どうやって慰めようか。どうやって付け入ったら、君は俺のもとに堕ちてきてくれるだろうか、って」
「何、を……」
「それほどに、君が欲しい。俺だけのものにしたい。ずっとそう思ってきた。ずっと君だけを想ってきた。君だって、気付いていた筈じゃないのか? 俺の気持ちに。――ならば簡単だろう? 一時いっときの欲さえあれば、関係を結ぶのなんて」
 そして今度こそ、唇が奪われる。
 唐突にもたらされた告白に驚く間も無く、ただ唇から口内へ与えられる激しい愛撫に翻弄されるしか出来ない。
 俺は抵抗も忘れて、ただただ、湧き出てくるかのような快感を享受した。
 しかし、どこか頭の隅では、冷めきっている心を自覚してもいた。
「ずっとこうしたかった……!」
「――気は済んだ?」
 唇の離れた隙に差し挟まれた、どこか感極まったような熱い言葉を……しかし俺は、冷たい口調で受け流す。
 瞬時に見開かれた、驚いたような傷付いたような瞳を、俺は真っ直ぐに見据えた視線で捕らえた。
「念願が叶ったのなら、じゃあ気も済んだだろ、そろそろ放してくれませんかね? こちとら愛情の押し売りに付き合っていられるほどヒマじゃないんで」
 言いながら、こちらに触れている手を振り払い、その場から二、三歩後退して目の前の相手から距離を取る。
 殊更わざと傷付けた、その相手の目をなおも見据えて……呟くように、俺は言った。
「俺は、自分の心には逆らえない」
「え……?」
「このクソみたいな現実で、俺は諦めることを憶えてきた。だからこそ、求めている理想だけは、捨てられなくなった。どうしても、それだけは心が拒むから」
「ニール……」
「その“理想”には……悪いけど、あんたは入ってない」
「…………!!」
 少しだけ瞠られた瞳に向かい、「ごめんなさい」と頭を下げる。
 そして、そのまま踵を返した。
 追ってくる足音も引き止めてくる声も、もはや聞こえてはこなかった。


 ようやく母屋となっている建物まで辿り着いて……いつの間にか、息せき切って走っていた自分に気付く。
 努めて何事でも無い風に、ゆっくりとした足取りでもって、ヴァーリス騎士の前から去った筈なのに……それが次第に速足になり、駆け足になり、ついには全力疾走にまで、なっていたらしい。
 足を止め、建物の壁に手を突いて荒い息を沈めながらも、わたわたと落ち着かないような気分が全身を駆け巡っているような、何故か座りの悪い想いを覚える。
 ――び…びっくりした……!
 何も考えられず、ただそれだけが頭の中をぐるぐると回っていた。
 ――まさか、あのヴァーリス騎士に、あんなあからさまに迫られるなんて……!
 日常的に接していた時の姿からは、全く想像もつかない出来事だった。
 一体、何が彼を、あんなふうに駆り立ててしまったのだろう。俺は何か、あれほどに彼を豹変させてしまう地雷らしきものでも踏んでしまったのだろうか。
 これまで俺が、あのひとを厄介だと思ってきたのは、ひとえに“隠す”ということが上手な人だから、でもあったのだ。――それは、約五年かけて苦手とする彼と接してきた結果、何となく解ってきたこと。
 ヴァーリス騎士は、きっと他人の感情を読むのが上手いのだろうと思う。それで俺に対しても、ちょくちょく反応を見るような言葉を投げかけて揺さぶりをかけつつ、こちらの顔色を読んでいたのではないのだろうか。その揺さぶりに反応する俺の様子から、明らかに脈ナシと覚って、それ以上の行動を起こすことを控えてきた。ゆえに、こちらが少しでも気のある素振りらしきものを見せない限りは、このように慎重な彼ならば、それ以上のことなど決して仕掛けてはこないだろう、そう俺は踏んでいた。
 だからこその“厄介”さ、だったのだ。
 こちらの顔色などおかまいなしに何か仕掛けてきてくれれば、拒むなり断るなり、幾らでも対処の取りようがある。その気持ちに応えることは出来ないのだと、きっぱりとした意思表示も出来る。なのに、それらしいことは何も仕掛けてこず、ただその気があるような素振りを見せてくるだけの人間相手には、どう対処の仕様も無い。すると結局のところ、自身の意思表示も叶わず、相手との意思確認も出来ず、な、微妙な距離を保ちつつの付き合いが、延々と延々と、続けられることになってしまう。
 そのような距離感を、ヴァーリス騎士は意図的に作っているのだと思っていた。――少なくとも俺の意識が、ほんのちょっとでも好意を伴って彼の方へと向くようになるまでは。
 五年近くの間、そうしてきた彼だ。俺が彼への態度を変えない限り、今更それを変えられるようなこともないと、言葉は悪いが高を括っていたのだ。俺さえ逃げ続けていれば、何事も起こらない、起こる筈も無い、と。
 それが何故、今になって……普段の彼らしくなく、ああやって感情を剥き出しにしてまで、こんな俺ごときを振り向かせようと今ここで躍起になる必要があるのだろうか。まるで何かに焦って事を起こしたようにも見受けられるではないか。
 しかし、そんなヴァーリス騎士の側の事情など、俺ごときが考えてみたところでわかる筈も無い。
 いずれにせよ、結果として俺は、彼を殊更に傷付けた挙句、手酷く振ってしまったのだ。
 驚いたあまり咄嗟に、ということもあり、あんな胸クソ悪い話をした後の流れだった、ということもあり、何の気遣いらしきことも出来ず、ただただ酷い言葉で彼を拒絶するだけの顛末となってしまった。
 そこは本当に申し訳ないことをした、と、今さらながらに反省する。
 だが同時に、これでよかったのだ、と思う自分も居た。ああやってキッパリ自分の意思表示が出来たことで、少なくともあの時点までいだかれていたであろう彼の希望らしきものは、すっぱりと断ち切れた筈なのだから。ヴァーリス騎士が改めて俺以外の人間へと目を向けることの出来る、それは良いキッカケにはなった、とは云えないだろうか。――どこまでも希望的観測でしかないが。
 大丈夫大丈夫、俺は間違ったことはしていない、むしろ彼にとって良いことをしたのだ、と……己の心に刻み込むように、何度も何度も言い聞かせて。
 いつしか静まっていた息切れと動悸を確認し、ようやく俺は、手を突いていた壁から離れた。


 そうして自室へと足を向ける。


 今日の仕事は、もうあらかた終わっていた。今夜のうちに済ませようと考えていたことは、まだ幾つか残っているが、どれも明日に回しても差し支えないものばかりだ。このまま自室へ戻って休んでしまっても、何も問題は無いだろう。
 にわかに覚えた疲れを肩のあたりにのしっと感じながら、やはり重い足を引き摺って部屋の前まで到着すると。
 歩いてきた廊下の反対側から、やはり俺の部屋へと向かっていたのだろうコルトと行き合った。
 彼は、俺の姿を見止めるや笑顔を浮かべ、小走りになってこちらへと近寄ってくる。
 しかし今の俺には……その笑顔を真っ向から受け止めることが、どうしても出来なかった。
 コルトの笑顔を見たら唐突に、つい先刻のヴァーリス騎士とのあれこれが思い出され、それが彼に対しての後ろめたさとなって俺の内側を苛んできたのだ。
 ――こんな汚れた自分を、コルトにだけは知られたくない……!
 過日ああやってアクス騎士に言われたことで、いつか時機をみてコルトに告白しよう、自分のこと全部打ち明けてみよう、とは決めていた。――でも、それは“今”じゃない。まだ俺の小心さは、日々の生活を普段どおりにこなすことだけで精一杯で、その覚悟までもを決められてはいなかった。
 だからこそ、こんな情けない自分へと向けられる屈託のないコルトの笑顔が、鋭い刃となって俺を刺し貫いてくるようにも感じられる。
 傍らに立ったコルトから視線を逸らし、「ごめん…」と、呟くように俺は告げた。
「今夜は、自分の部屋で寝てくれないかな……しばらく一人になりたいんだ……」
「…………」
 視線を合わせていなくても、訝しげに向けられているだろうそれを感じる。
「ごめん、な……今夜だけでいいから、さ……」
 次第に視線を向けられていることすらも耐え難く感じられてきた俺は、あたかも尻尾を巻いて逃げるかの如く、それを言い捨てるかのようにしながら目の前の扉の取っ手に手を掛けていた。
 ――その手が、ふいに握り込まれる。
「なっ……!?」
 我知らず、びくりと大きく両肩が揺れた。
 俺を止めたその手は、間違いなく傍らに立つコルトのもので……咄嗟に起こった出来事に、俺は何も考えられず頭が真っ白になって、ただそのまま身体を強張らせるしか出来ない。
 そのように硬直した俺の手を、握り込んだコルトの手が、ゆっくりと動いて取っ手から引き剥がした。
 掴むものを失ったその手を、無意識に俺は握り締める。
 それでもなお、視線を彼へと向けられず、ただ握り締めた拳へと落としているだけの俺に、埒が明かないとしびれを切らしたのだろうか。やおら俺のそれを捕らえている手に力が籠もった…と思ったら、決して乱暴にではなかったが、少し強引なくらいの力で彼の方へと引き寄せられる。
 そのままコルトは、空いたもう片方の手で目の前の扉を開けると、部屋の中へと俺の身体を引っ張り込んだ。
「おい……!」
 さすがに、それには少しだけ驚いた。聞き分けの良いコルトが、こんなふうに相手の意志を無視した強引な行動を取るなんて、と。
 俺が知っている普段のコルトなら、『一人になりたい』と言えば、少しくらい淋しそうな表情はさせてしまうかもしれないが、それでも俺の意志を尊重して、その場は引いてくれるだろうと思っていたのに。
 ―― 一体、今夜はどうしたというのだろう。ヴァーリス騎士にしろコルトにしろ、普段らしからぬ行動ばかり見せてくる。
「コルト……」
 おまえは何がしたいんだ、と、困惑のあまり問いかけようとした俺の、その身体が、ふいにあたたかな体温で包まれた。
「えっ……!?」
 コルトが、俺に抱き付いていた。まるで溺れる者が縋り付くような必死さでもって、背中に回された両腕がキツク巻き付いて離れない。
 抱き付かれるのは、これが初めてのことではなかった。だが、今のこれは……これまでのそれとは違うように感じられる。
 何故だろう、自分が“抱き付かれて”いる、という風ではなく、まるで自分の方が彼に“抱かれて”いるかのような……そんな錯覚さえ覚えてしまったのだ。
「…どうしたんだ、コルト?」
 知らず知らず俺の腕も、彼の背に回る。
「何か、あったのか……?」
 訊きながら、回した手で彼の背中をぽんぽんと優しく叩いてやる。落ち着け、と告げるかのようにして。
 これまでであれば……そうしているうちに、コルトの気も静まってくるのだろう、しばらくしたら照れくさそうに笑みを浮かべながら、しがみつく身体を離してくれたものだった。
 しかし、今は……俺の身体をキツク抱き締めたまま、コルトは一歩、足を前に踏み出した。――つまりは俺の後方へ。
「えっ、ちょ、ちょっとオイ……!?」
 あまりに突然のこと過ぎて、そのまま背後に倒れそうになる身体を支えるべく、咄嗟に片足を後ろに下げて踏ん張る。
 しかしコルトは、そのまま足を止めることなく、俺をがっぷり両腕でホールドしたまま、ぐいぐいと足を前へと進めてくる。当然、押されるがままに俺の足も、転倒すまいと後退してゆく。
 そう広くも無い部屋のこと、何歩も進まないうちに、やがて障害物にぶつかった。
「うあっ……!?」
 脹脛あたりに衝撃がきた…と感じたと同時、そのぶつかった障害物に阻まれ足が後退できなくなったことで、押される勢いのまま上半身から身体が背後に傾ぐのがわかった。
 倒れる! と、次に背中へとくるだろう衝撃と痛みを覚悟するも……倒れ込んだその場所は、思いのほかやわらかく俺の背中を受け止める。
「は……?」
 痛くない…ということに、しばし呆然としてしまうも。
 混乱した俺の頭は、それでも正確に、現状を把握しようとしていた。


 いま俺が倒れ込んだのは……伝わってくる感触から、寝台の上、だと解る。
 背中には布団があって。
 腹側には……俺に覆い被さるように圧し掛かるコルトの身体。


 ――てーか、これ、どういう状況だ……?


 やおら、俺の上でコルトが身動ぎしたのがわかった。
 布団の上に手を突き、ゆっくりと上半身を起こした彼が、いまだ茫然としたまま硬直している俺を見下ろしてくる。
 まだ灯りさえ点けていなかった暗い部屋の中、窓から差し込む微かな月の光だけを頼りに、俺たちは見つめ合う。
 コルトの唇が、何か言いたげに、見えない言葉を形作った。
 か細い光に照らされ、艶めくそれは……どこか淫靡に、俺の目に映った。視線が吸い寄せられて離せない。
「コル、ト……」
 我知らず呼び掛けていた、その言葉を合図にしたように、ゆっくりと、コルトの顔が俺へと近付いてくる。
 お互いの息が肌に感じられるほど、それが近付いた、――その時。


 窓の外から聞こえてきた、けたたましい大量の鳴子の音が、部屋の中にまで響き渡った。



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