ただ、きみを愛してる。

栗木 妙

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「――もう、来ないのかと思ったわ」
 先に来ていた女が、部屋に入ってきた俺の顔を見るや、どこか驚いたような表情で言った。
「…来ない方がよかった?」
 色々と言い訳めいた言葉を用意するのも面倒で、ただ冷たく、それだけを返す。
 もはやその表情に普段どおりの笑みを浮かべていた女は、「意地悪ね」などと呟きながら、俺のもとへと歩み寄ってきた。
 それ以上の言葉もなく、無言のままに寄せられてきた唇が……何故なのだろう、今日に限って小さく震えていた。


 俺が、あの女と密会する日は、いつも決まっている。
 月に二度、決まった曜日の、決まった時間、決まった場末の安宿の一室で。


 この女との関係も、一度は終わった筈だった。俺が執事養成学校へ入学することになり、マルナラから離れざるを得なくなったことで。
 だが、俺がカンザリア島へ戻ってきて執事となり、今度は慰問という形で再び訪れるようになった養護院で、やはり慰問活動を続けていた女と再会することとなるのは、いわば必然というものだった。
 それとなく誘われるがままに……当たり前のように再び身体を繋いでしまったら、後は済し崩しに、何となくそういう形で続いてしまうことになった。
 いわば惰性だ。それは時としてめ時を見失わせる。


 やわやわとした女の肢体を寝台の上に押さえ付けて、俺はがつがつと腰を動かし、自分のソレを乱暴に奥へと穿つ。
 嬌声をあげて腰をくねらせる、そんな女の身体を気に懸けたことなんて、一度だって無い。俺には、ただその中に自分の快感を拾うことだけが必要であって、一刻も早くそこに自身の欲を吐き出すことが目的だったからだ。中に出すことについても、女が避妊薬を飲んでいると知って以来、躊躇ったことすら無い。
 女の方の目的など知らない――そもそも俺の知ったことじゃない。
 俺はただ、差し出されたものを貪るだけだ。それをどう貪れば自分のソレを昂らせることが出来るかは、同じようなことを何回も繰り返しているうちに解ってきた。
 こうしている今もまた、徐々に達しようとしていく自分自身がわかる。次第に腰の動きも速くなり、奥へと楔を穿つ力もまた、いっそ暴力的なまでに荒ぶってゆく。次第に真っ白になっていく思考を失った頭の片隅が、そう時間を置かずにやってくるだろうその時を教えていた。
 そうして出すものを出し終えたら、そこで俺の目的は果たされる。
 もはや用は済んだとばかりに、あとは簡単にだが身体を拭いて身なりを整えると、すぐに立ち去ってしまうのが常だった。
 それを咎められたようなことも、これまで一度だって無い。会話らしい会話をしたことすらも無いのだ。恋人同士の間でよく聞く、事後の甘い雰囲気、なんてものなど、俺とこの女の間では無縁だった。そんなものが必要か、などということすら、考えてみたことも無かった。
 …つまり、所詮それだけでしかない関係、ってことだ。


「――もう帰るの?」


 だから今日、そう唐突なまでに女が俺を引き止めてきた時は、思わず何のつもりかと警戒もあらわに振り返ってしまった。
 床へと降り立って服の乱れを整えていた、そんな俺の手を取ってきた女が、寝台の上に身を起こす。
「少し話が出来ないかしら……」
「俺には話すことなんて無いから」
 言いながら、掴まれた手を振り払う。
「別れ話をしたい、っていうのなら聞いてもいいけどね」
「…そう、――なら、それでいいわ」
「え……?」
「『別れ話』をしましょうか、執事さん」
「…………!!?」


 そのセリフに、思いのほか衝撃を受ける自分が居た。
 ただの冗談でしか無かった言葉が、こんなふうに現実となって返ってくるなどとは、全く思いもしなかった。


「本気か……?」
「ええ、あなたが望むなら」
「何故……」
「それも、あなたが望むから」
「な…んだよ、それ……!」
 問答のような会話に少々イラッとする。何もかもを見透かしているかのような、その女の口許だけの笑みが、それを更に煽ってくるようだ。
「私から離れたがっていたのはあなた。なのに、この関係を続けることを選んだのもあなた」
「…何が言いたいんだよ?」
「望んで始めたわけでもない、こんな関係でも依存しつつあるあなたの手を、ここで放してみたくなったの。…それだけのことよ」
「――――!!?」


 途端、我知らず身体が動いていた。
 殴り掛かるかのごとき勢いで女へと近付くや、その細い首を握り込んで、寝台の上へと押し付ける。
 見下ろす俺の視線と、見上げてきた女の苦しげな視線が、そこに交錯した時……思い出される、過去の記憶。
『ねえ? 私たち、もっと仲良くなりましょう』
 そう言って誘惑してきた女が、俺を言いなりにするべくコルトの影までをもチラつかせてきた、あのときも俺は、こうやって女の首へと掴み掛かっていた。
 そうやって……この女は、こちらの弱みを的確に突いて、俺をいいように弄んできたのだ。
 なのに今なお、また……この惰性で続いてきた関係をめられない、この女にしか欲望の捌け口を見出せない、そんな俺を見抜き、そのうえで『別れ話』を持ちかける。
 ――何度、そうやって俺を翻弄すれば気が済むんだ……!!
 いつかのように今もまた、ぎりぎりと軋む音が鳴るくらいにまで奥歯を噛み締めて、眼下の女を睨み付ける。このまま殺してやりたい、と思いながら。
 しかし……あのときと違って今の俺には、この女の言いなりにならなければならない理由は何も無い。したがって、女を殺さなければならない理由も見当たらなかった。
 ただただ自分への苛立ちだけが募る。こんな女に良いように弄ばれてしまうだけの自分の愚かさが、そして未熟さが、ただひたすらに腹立たしいだけだった。


「…どうしたの?」
 怒りに震える手は喉元を掴んだまま一向に力を籠めようとはしない、それをからかうかのように女が、それを尋ねる。
「私のことが、殺したいほど憎いのではなくて?」
「――ウルセエよ……」
「いいのよ、好きなようにしたらどう? どうせあなたは、私のことなんて愛してもいない……」
「ウルセエっつってんだよ!! 黙れ!!」
 その言葉尻を遮るかのように発された至近距離からの怒号には、さすがに恐怖を覚えたものか、そこでビクリと女が身体を震わせた。
 言葉を失った、その隙を突くように、俺は更に畳み掛ける。
「ああ、そうだな!! 確かに、テメエのことなんざコレッポッチも愛しちゃいねえよ!! けどそれはテメエの方だって同じだろうが!! 今さら愛だの何だの大層なこと言ってんじゃねえよ、所詮は身体目当てで俺に近付いてきた淫乱女が!! いっそ別れてくれりゃ清々するさ、もう金輪際、俺の前にそのツラ見せんな!!」
 目を瞠って固まるだけの女に、そんな怒声を一方的に浴びせかけて。
 ようやく俺は、その首を掴んでいた手を放し、覆い被さっていた身体をどかす。
 そのまま床へ降り立ち踵を返すと、足音も荒々しく、その部屋から出た。
 廊下へと出ると、こちらを窺う幾つもの視線とぶつかる。所詮は安宿の薄い壁のこと、少しばかり張り上げた声など筒抜けだったのだろう。その視線の隙間をかいくぐるようにして、俺は一人、出口へと向かって突き進む。
 普段は、人目につかないようにするため、宿の裏口から出ていくのだが……今日もそうしようとして、その途中にフと気付く。
 今しがた掻き分けてきた視線の中に、どこかよからぬものがあった風に感じたのだ。
 それが、廊下で擦れ違った複数の男たちによるものではなかったかと思い当たる。その男たちは開け放たれていた隣の部屋の扉の前に立っていて、にやにやとした下卑た笑いを表情に貼り付けながら擦れ違い様の俺を横目で見遣り、そして自分が行くのとは逆の方へと向かって歩いていった。――つまりは、俺が出てきた部屋のある方向へ、だ。
 しまったな…と、ようやくそこに思い当たる。
 部屋を出る時、頭に血を上らせていたあまりに、施錠のことなど忘れていた。
 普段なら、一人ひっそりと部屋を出ていくから誰に気付かれることも無いのだが、今日に限って、ああもあからさまに人の耳目を集めた中で一人だけで部屋を出てしまった。――ようするに、その部屋には男と物別れして一人きり残されているだろう女がいると、誰の目にも明らかとなってしまった、ということだ。
 ああやって俺に下卑た笑いを向けてきた男どもは、そこに残された女を目当てに、あの部屋へと向かったのだろう。こんな安宿のことだ、そういうことがあったとしても何もおかしいことはない。むしろ日常茶飯事だ。
 あんな女のことなんか、もはや関わりたくも無かったし、どうなったところで一向に構わないのだが……それでも、こうして気付いてしまったら、そのままにしておくのも寝覚めが悪い。
 仕方なく俺は、裏口に向かおうとしていた足を、表へと向けた。
 そこに、あの女が連れてきた従者が待っていることを知っていたからだ。
 その従者の男のことは、以前なにかの折に、執事として彼女の側に付いていた姿を見たことがあった。こんな治安も悪い下町に来るにあたって、本職の護衛でなく執事を、しかもただ一人だけ連れてきている、ということは、彼は女の信用も厚い、護衛役も兼ねた有能な執事であろうことは疑いようも無い。
 いま女が陥っているかもしれない現状をその男に伝えておけば、後は勝手にそっちで何とかするだろう。そう考えてのことだった。
 外に出ると、果たして男はそこに居た。
 俺が彼の姿を見つけたと同時、相手も俺に気付いたようだ。どこか不審げな表情でもって、近付いてくる俺を迎える。
「…もう終わりにしたから」
 開口一番、それを告げた。――少しだけ目を瞠ってみせた彼には、その言葉の意味が正確に伝わってくれたようだ。
「もう俺がここへ来ることは無いって、あんたからも主人に伝えておいてよ。――その主人は今、寝台でタチの悪いゴロツキ連中の相手を、させられてるかもしれないけど」
「…………!!?」
 男は、声こそ上げなかったものの、そう告げた俺を何事か言いたげな視線で憎々しげに睨み付けた。
 しかし、今はそれどころではないと判断したものか。俺に文句を言うよりも主人を助ける方が先だとばかりに、さっと踵を返すや宿へと駆け込んでゆく。
 その姿を見送ってから……俺はその場を離れ、しかし、そこを見渡せる位置にある建物の陰へと、身を潜めた。
 しばらく様子を窺っていると、やがて従者の男が、あの女を抱きかかえるようにして宿から出てきたのが見えた。さすが護衛役の有能執事、あの人数の中から無事に女を救出できたらしい。
 少しだけ俺もホッと安堵し、息を吐く。
 彼らが馬車に乗り込んで去っていったところまでを見届けてから……ようやく俺も、その場から離れるべく足を踏み出した。――まさにそれと同時だった。


 ――ふいに背後から伸ばされてきた手により、俺の口が塞がれ、がっちりと拘束されたのである。


 何事かと、慄き、慌てて、もがくようにその拘束から逃れようとする俺の耳元へ、「騒ぐな」という低い声が響く。――って、どっかで聞いたことのある、声……?
「俺だよ、俺。――手ェ放しても声上げるなよ、いいか?」
 こくこくと頷いてみせると、ようやく拘束する手が緩み、ゆっくりと口を塞ぐ手が離された。
 そして俺も背後のその人物を振り返り……もしやの予想が違わなかったことに、改めて驚き目を瞠った。


「―――セルマ騎士……!!」


 もはや、こんな場所に居るはずもないだろう人物の姿を目の当たりにして、その名を呼んだまま言葉が後に続かない。
 既に王都へ戻っていた筈ではなかったのか。それが何故このような場所に居るのだろう。こんな治安の悪い下町なんていう、お貴族サマである彼には到底似つかわしくない場所なんかに。
 思わず名を呼んでしまった俺の唇に、彼が“しーっ”とばかりに立てた人差し指を押し付けてくる。
「言いたいことはあるだろうが、こっちも隠密行動中なんだ、ちーっとばかし黙ってろ」
 それを言われて、改めてよく見れば……確かに、『隠密行動』とやらに相応しい、一見したら庶民にしか見えない格好をしている。おまけに、その目立つ美貌も、深く被った帽子に半分以上隠されていて、きっと見慣れた俺でも声を掛けられなければ、それがセルマ騎士だとは気付かなかっただろう。
 そんな彼が言う。俺を腕を、まるでこれから連行するかのようにして掴みながら。
「とにかく一緒に来てもらおうか。――どうやらおまえには、訊かなきゃならんことがありそうだしな」



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